『悔恨の日』発売

2018-02

『リトル・ドリット』チャールズ・ディケンズ - 2018.01.21 Sun

ディケンズ,チャールズ
リトル・ドリット1 リトル・ドリット2 リトル・ドリット3 リトル・ドリット4
『リトル・ドリット』チャールズ・ディケンズ(ちくま文庫)

中国帰りの資産家アーサーは、母親の家でお針子として働いている、か細い身体つきでひどく怯えた顔をした若き女性リトル・ドリットに会った。興味を持ったアーサーは、ある夜尾行し、マーシャルシー監獄へ入って行く彼女の姿を見た……。19世紀、華やかなロンドンの裏にひそむ悲惨な生活、社会の矛盾や不正のしわ寄せを背負いこまされる貧しい者、弱い者たちの姿を鋭い観察眼で描いた『リトル・ドリット』を全4冊で刊行する。(本書1巻あらすじより)

毎年恒例、年越しディケンズ。『大いなる遺産』『二都物語』『バーナビー・ラッジ』と来て、今年は『リトル・ドリット』に挑戦です。4巻もある……『荒涼館』並みに長い……。
と思ったら、序盤が手こずりやすいディケンズにしては最初から最後までかなりスラスラと読めました。『荒涼館』には及ばないとは言え、読んでいてずっと面白かったという点では、『荒涼館』(1巻前半がややきつい)を上回るかもしれません。やったぞ、今年は当たりだ。

あらすじは、ざっくり言えば、中流階級であるスーパー鈍感中年アーサー・クレナムと、父親が債務者監獄に閉じ込められている貧しくも若き天使リトル・ドリットの恋物語、なんでしょう。第1部である1、2巻と、第2部である3、4巻で、状況は大きく変わるのですが、それは読んでのお楽しみ、ということで。
その中で、とある悪人の行動が一貫した謎を提示しており、これがラストで登場人物間の意外な関係と共に明かされる……というのはまさにディケンズらしい推理小説。それ以外にも、いくらか死人が(事件性はないとは言え)出てきたり、色々壊れたりするので、この長さですがなかなか飽きさせません。

というか、マジで全4巻ずっと面白かったのです。キャラクター製造名人ディケンズによってえげつないほどクセのある個性を与えられた登場人物が、縦横無尽に物語の中で動き回るため、むしろこの分量でも足りないくらいです(読んでいてイライラするほど人間性に問題がある人がぞろぞろ出てくるのもいつものディケンズ)。最初は無関係だった50人くらいのキャラクターたちが、次第に様々なところで関係を持つことで、ちょっとしたサプライズのあるエンディングへと話が動いていきます。アーサー・クレナムとリトル・ドリットの関係が、ベタながらも1巻と4巻で見事に対比を見せており、このへん連載作家としてのディケンズの本領発揮と言えるのではないでしょうか。あとは訳者解説が懇切丁寧この上ないので、そちらもぜひご参照ください。

登場人物の関係が複雑に張り巡らされ、作者の掌の上で読者が楽しく踊らされるという点では、ガッツリ殺人という推理小説要素もある『荒涼館』の方が圧倒的に傑作だしオススメです。ですが、『リトル・ドリット』は分かりやすく面白いエンタメとして評価したいですね。『荒涼館』のように、登場人物大量のがっつり長編タイプのディケンズを読みたい方には大いにおすすめです。来年のディケンズも楽しみ。
今まで読んだもので順位をつけるなら……『荒涼館』>『大いなる遺産』>『リトル・ドリット』>『二都物語』>>『バーナビー・ラッジ』、でどうでしょう。


ところで、こちらのサイトで、ディケンズ長編の語句数がまとめられています。以下はそれをコピー&ペーストしたもの。

1. David Copperfield: 357,489
2. Dombey and Son: 357,484
3. Bleak House: 355,936
4. Little Dorrit: 339,870
5. Martin Chuzzlewit: 338,077
6. Our Mutual Friend: 327,727
7. Nicholas Nickleby: 323,722
8. The Pickwick Papers: 302,190
9. Barnaby Rudge: 255,229
10. The Old Curiosity Shop: 218,538
11. Great Expectations: 186,339
12. Oliver Twist: 158,631
13. A Tale of Two Cities: 137,000
14. Hard Times: 104,821
15. The Mystery of Edwin Drood: 96,178 (first 6 of 12 parts only)

このうち、3、4、9、11、13を倒したわけなので、もう怖いものはないぞ。『ドンビー父子』と『ニコラス・ニクルビー』を買える日は来るのかなぁ。

原 題:Little Dorrit(1855~1857)
書 名:リトル・ドリット
著 者:チャールズ・ディケンズ Charles Dickens
訳 者:小池滋
出版社:筑摩書房
     ちくま文庫 て-2-12,13,14,15
出版年:(1巻)1991.01.29 1刷
     (2巻)1991.02.26 1刷
     (3巻)1991.03.26 1刷, 2002.08.20 2刷
     (4巻)1991.04.25 1刷

評価★★★★☆
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『ドクター・マーフィー』ジム・トンプスン - 2017.11.27 Mon

トンプスン,ジム
ドクター・マーフィー
『ドクター・マーフィー』ジム・トンプスン(文遊社)

アルコール専門療養所の長い一日。"酒浸り(ウェット)"な患者と危険なナース。マーフィーの治療のゆくえは――。本邦初訳。(本書あらすじより)

文遊社のジム・トンプスン、第二弾。文遊社は、トンプスンの中でも、ちょっと変化球かな?というタイプのノワールど真ん中ではない作品を紹介していく、という方針なのでしょうか。とりあえず言えることは、『天国の南』という、王道の面白さを持った、それでいてトンプスンらしい作品の後に、『ドクター・マーフィー』という異色にも程があるよく分かんない話を投入してくる文遊社はね、やばいです(褒めてる)。

アルコール依存症患者のための療養所を舞台にした普通小説。資金繰りの厳しい、閉所寸前のある一日を描いており、色々発生する割には何にも起きないので、群像劇、あるいは言うなればシチュエーションコメディに近いのだろうと思います。設定は精神病院ものに近く、これでもかと変人奇人が登場し、文字通り勝手に暴れまわるので、序盤はマジで何がやりたいのか分かりません。

ただ読み進めていくうちに、一見気難しくてむちゃくちゃに見えるドクター・マーフィーが、超絶良い人であることが分かってくるのです……っていうか良い人すぎません? トンプスンがトンプスンらしく、理想の医者を描くならこうなのかな、という。『ドクター・マーフィーの一番長い日』な話だった、というイメージ。
ラストの方で登場する別の医者との対比が実に良いんですよね。このエンディングは、めちゃくちゃかりそめの幸せっぽいし、とりあえずね!な感じはありますが(『天国の南』もそうだった)、とはいえ気苦労の多く口の悪いドクター・マーフィーにふさわしい終わり方と言えるのではないでしょうか。
……ところで、『天国の南』の時にも思ったのですが、どんなにノワールっぽくなくてもいかんせんトンプスンなので、良い話になりそうで残り5ページしかなくても、急転直下でみんな死ぬんじゃないか、みたいな不安を感じながら読むことになりません? 自分はなります。

という、なんだかふわふわした感想になってしまいましたが、やっぱりこうやってトンプスンが定期供給されるのはたまんねえな!ということは間違いないので、今後の翻訳にさらに期待しちゃいましょう。

原 題:The Alcoholics(1953)
書 名:ドクター・マーフィー
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:高山真由美
出版社:文遊社
出版年:2017.11.10 初版

評価★★★☆☆

『13・67』陳浩基 - 2017.11.16 Thu

陳浩基
13・67
『13・67』陳浩基(文藝春秋)

華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。
本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデェンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
2015年の台北国際ブックフェア賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化件はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。(本書あらすじより)

なんですか、このどえらい気合いの入った力作は。最高ではないですか。これが今年のミステリランキングに食い込まなかったら、もうあれですね、やばいですね……。
陳浩基といえば『世界を売った男』で島田荘司推理小説賞を受賞した作家ですが、ゴリゴリ新本格味の強かった『世界~』とは完全に切り離して読んで欲しい傑作です。分厚いし、時代背景を飲み込むのに時間がかかるのでスラスラとは行きませんが、間違いなく今年のベストに食い込むべき作品でしょう。香港の歴史、香港警察の歴史と合わせながら、ひとりの警察官であり名探偵であるクワンの人生を遡ることが出来る、至高の物語でした。これは超おすすめ!

目次
「黑與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実)」
「囚徒道義 (任侠のジレンマ)」
「最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)」
「泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤)」
「Borrowed Place (借りた場所に)」
「Borrowed Time (借りた時間に)」

以上、連作短編集形式で全6話なのですが、1話は2013年、2話は2003年、3話は1997年、4話は1989年、5話は1977年、6話は1967年が舞台となっており、次第に年代を遡るように構成されています。その全ての話で中心となる人物が、名探偵と名高い香港警察のクワン刑事なのです。

まず読者にインパクトを与えるであろうと思われるのが1話「黒と白のあいだの真実」。昏睡状態に陥った瀕死の名探偵が、脳波測定でYes/Noだけを伝えることで事件を解き明かそうとする安楽椅子探偵ものです。極端に本格ミステリっぽさがあり、純粋に証言を聞くだけの小説で、そんな上手くいくかいなーなんて思っていたら、ラストに強烈なパンチが飛んできたので一気に好きになりました。うーむ、良い。
作品が書かれた経緯を見たら理由が分かりますが、この短編集の中ではやや異色です(『世界を売った男』などの、ゴリゴリ本格系)。とはいえ、その切れ味は抜群。なるほど、この作家の短編は何かひとひねりあって、一筋縄では行かないんだな、と気付かされます。

しかし、作者の本領が発揮されているのは3話以降でしょう。激しい動きがあり(3話の脱獄、4話の銃撃戦、5話の誘拐、6話の爆弾騒ぎなど)、警察が事件を解決しようと奔走するストーリーの果てに、どんでん返しが炸裂するとともに、それまでばらまかれていた伏線が一気に回収されるのです。この鮮やかさったらないですよ。
さらに、逆年代順に遡る構造の中で、一警官であるクワンの生涯と香港の歴史がつぶさに語られ、名探偵として完璧すぎる推理力と行動力と判断力を持つクワンの存在が作品全体の中で一気に浮かび上がります。警察小説とか、社会派とか、そういった要素が見事に本格の仕掛けの中で結びついており、もう面白くないわけがないのです。ラストの連作短編集としてのオチも素晴らしいよね……。
ちなみに、3話から6話までの犯人像なんかを見ると、作者のやりたいことや、それこそ香港警察の歴史が見事に描かれているようで興味深いです。読んでいる間は、3~6話はストーリーに振り回されているので、全然気付きもしなかったけど。

ご都合主義的だったり予想できたりする展開がないとは言いませんが(ちなみに2話だけ、ちょっと好みに合わなかったというか、それは無理では……と感じました)、作者が仕掛けたいトリックのために用意された圧倒的な量の伏線に、ぐうの音も出ません。ひたすら理詰めで犯人を追及するクワンがかっこいいんですよ。いやもう、隅々まで堪能できる、大変な力作でした。
というわけで、ぜひぜひ手に取ってみることをオススメします。これまで紹介されてきた華文ミステリって、いかにもな新本格フォロワータイプの作品が多かったじゃないですか(犯罪小説っぽいやつもあるか)。それはそれで面白いんですが、『13・67』に関しては、そういうエッセンスを取り入れつつも、とにかく本格好きからサスペンス好きまで、全海外ミステリ好きへの訴求力を持った作品だと思います。
ある意味、『13・67』って、自分の今年の1位にはならない作品だと思うんです(あくまで、自分のただただ好みの作品とかと比べてみると)。ただ、『13・67』が個々人の好みに合うかはともかく、これは読まずにいるのはもったいない、とにかく一読の価値のある作品だと、それだけは強く語っておきます。

原 題:13・67(2014)
書 名:13・67
著 者:陳浩基
訳 者:陳浩基
出版社:文藝春秋
出版年:2017.09.30 1刷

評価★★★★★

『天国の南』ジム・トンプスン - 2017.11.06 Mon

トンプスン,ジム
天国の南
『天国の南』ジム・トンプスン(文遊社)

'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった――パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者…… トンプスン、待望の本邦初訳!(本書あらすじより)

自分はそれほど熱心なジム・トンプスンの読者でもなければ、ジム・トンプスンの熱烈なファンというわけでもないんですが、ジム・トンプスンという作者は不思議なことに、ほんの2、3冊読んだだけで好きになってしまう何かがあります。他の、いわゆる「ノワール作家」とは別物だと思うのです。という話はいずれまたするとして。
はい、ついにジム・トンプスンの翻訳が再スタートしたのです! 版元は、まさかの文遊社。超絶おしゃれな装丁に身を包み、初訳トンプスンがお目見えしました。ちなみに、11月頭に第2弾『ドクター・マーフィー』も刊行されています。いいぞ、もっとやれ(『ドクター・マーフィー』も、もう買って読んだ人は叫ぶ)。
ジム・トンプスンを読んだことのある人が思う「ジム・トンプスンに期待する何か」ってのがあると思うのですが、本書はそれのど真ん中の作品、というわけではありません。そう、これは、1920年代のパイプライン工事の労働者たちの様子をめっちゃ力強く描き(何しろ作者の実体験なんだから迫真さがすごい)、初恋物の青春小説を交え、21歳のイキった若造の成長小説としてもスマートに仕上げた、謎解き要素もしっかりな、至高のクライム・ノヴェルなのです。もう最高なんだぜ。

1920年代、テキサス。もともと大学にも通えるほどの知識もありながら、諸事情により流れの労働者となっている21歳のトミー。パイプライン工事の現場で旧知の間柄である年上のフォア・トレイと再会したトミーは、つらい労働作業を始めた。そこで出会った美少女、キャロルを心の支えに、日々を乗り切ろうとするトミー。しかし初日から事故死が発生するなど、何やら工事現場には陰謀めいたものがあり……?

「プロレタリアン、トンプスンを今こそ」なんて文句から、これはてっきりミステリではないんじゃないか、なんて気持ちで読み始めてすみませんでした。めっちゃミステリでした。というか、普通のトンプスンよりむしろ謎解き要素が強いのではないでしょうか。
パイプライン工事で起きる不可解な事故死、陰で企てられる陰謀、主人公トミーの年上相棒フォア・トレイの行動の理由、などなど、ホワイダニットとホワットダニットを作者が前面に出してくるので、ミステリとして先が気になって読み進めてしまいます。決してリアルな労働者の現場云々だけの本ではないのです。

作者がそのまんま投影されているっぽいトミー(後日この話を書くときに編集者にあーだこーだ言われた、みたいな楽屋話も出てくる)の一人称が、トラブルを呼び込みつつ何が起きているのか知ろうとする渦中の人物として効果的で、物語を上手く進められているのも最高です。所詮は若造であるトミーが、もがき、衝突しながらも、成長していく様が、この一人称の中で実に説得力を持って語られているんですよね。
ここで登場するのが、悪女っぽさもあったのに、結局ただのボーイ・ミーツ・ガールに落ち着くヒロイン、キャロル。彼女の存在がまたもう完璧で、初恋、初体験、初裏切り、と全部経験しつつ、大団円へと突き進みます(そう、この小説は大団円を迎えるのです)。ファム・ファタルのようで、そうではない、みんな待望のヒロイン像がここにはある!……違うか。
「少しまえまで、おれはすべてのことをすべて知らなければならないと感じていた。そして知らないことを認めるのがこわかった。だがいまは、それはたいした問題ではなかった。無知であることは、愚かであることと同じではない。時期がくれば学べることを、おれは知った。」
うーん、このセリフ最高。

というわけで、やべぇ主人公がひたすらやべぇことをしていくトンプスンのノワール代表作とは異なり、むしろ非常に読みやすく分かりやすく完成度の高いクライム・ノヴェルと言った方が良いかもしれません。ある意味、トンプスンの入り口としても向いているのかも。文遊社の単行本だからと構えることなく、気軽に手に取ってぜひ読んで欲しい傑作です。

原 題:South of Heaven(1967)
書 名:天国の南
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:小林宏明
出版社:文遊社
出版年:2017.8.10 初版

評価★★★★★

『その犬の歩むところ』ボストン・テラン - 2017.09.09 Sat

テラン,ボストン
その犬の歩むところ
『その犬の歩むところ』ボストン・テラン(文春文庫)

ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻を食い破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか…。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。(本書あらすじより)

こんなんもうあれですよ、そりゃあ泣きますよ……。

ギヴという、犬種も見た目も描かれていない、一匹の犬。この犬と行動を共にすることになった人々の人生が、ひとつ、またひとつと語られていきます。

最初、ギヴという犬を用いた連作短編集的なものなのかなと思っていました。いや実際、そうなのです。孤独に犬と暮らすモーテルの女主人、ミュージシャンを目指しながらも悪さをしでかす兄弟、傷ついた心を抱えて軍隊から戻ってきたばかりの青年。彼らがギヴと送った日々がね……明るいのも暗いのも、希望があるものもないものも、とにかく良いんですよ……。
そして最後にギヴと出会った軍隊帰りの青年が、これまでのギヴの人生を遡ろうとすることで、小説全体をまとめ上げているのが非常に上手いと思います。当然読者からすれば、全て知っているし、既に見てきた物語のはずなのですが、要所要所に明かされていないストーリーがあるせいで、遡りによる感動や感慨が効果的に読者を殴ってくるのです。

この物語の主人公であるギヴですが、めちゃくちゃ人間に寄り添うこと、人間の気持ちを察してくれることは分かるのですが、案外、実に普通の「犬」なのですよね。後半、ややギヴの神格化というか、ギヴのヒーロー的なエピソードが増えますが、それでも中盤にギヴが猫のブレットにやられるシーンがあるじゃないですか。ああいう場面のおかげで犬らしさが保てているというか。そのへんの塩梅の上手さに、さすが感傷的な話を書かせれば超一流のボストン・テランを感じます(いや、テラン読むのこれで2冊目ですが……)。

というわけで、訳者あとがきにある通り、実にもう「いい話」としか言えない小説です。本当にいいです。
これまで『暴力の教義』以外テランは読んでいなかったのですが、こうなるとちゃんと代表作も読みたいなぁ。『神は銃弾』『音もなく少女は』をまずは読んでみることにします。

原 題:Giv - The Story of a Dog and America(2009)
書 名:その犬の歩むところ
著 者:ボストン・テラン Boston Teran
訳 者:田口俊樹
出版社:文藝春秋
     文春文庫 テ-12-5
出版年:2017.06.10 1刷

評価★★★★☆

『泥棒成金』デヴィッド・ドッヂ - 2017.08.11 Fri

ドッヂ,デヴィッド
泥棒成金
『泥棒成金』デヴィッド・ドッヂ(ハヤカワ・ミステリ)

ロビーは二階の寝室から、闇に沈んだ庭を見下ろした。いつもと変わらぬ静かなニースの夜だ。が、彼の鋭い眼は、じっと息をひそめているいくつかの影を見逃さなかった。警察がついに彼を捕まえにやってきたのだ! しかし、今捕まるわけにはいかない─意を決したロビーは、テラスから一気に跳躍し、信じられない身軽さで木を伝うと、闇の中に姿を消した……。
かつて、その手口から“猫”とあだ名された宝石泥棒ジョン・ロビー。彼は一度捕えられたものの、戦時中のレジスタンス活動を認められて特赦となり、その後は足を洗って悠々自適の生活を送っていた。だが、今、彼は再び警察に追われていた。最近、”猫”とそっくり同じ手口の宝石盗難事件が相次ぎ、その嫌疑が彼にかけられたのだ。身に覚えはないものの、警察が彼の言葉を信じるはずがない。ロビーは、無実を証明するため、自分の手でにせ”猫”を捕えることを決意した。ちょうどカンヌには、アメリカの大金持、スティーヴンス夫人が滞在中だった。彼女の有名な宝石を狙って、にせ”猫”は必ず姿を現すに違いない――かくして、アメリカ人観光客に変装したロビーは、日増しに厳しくなる警察の追求の眼を逃れ、真夏のカンヌに乗り込んだ!
華やかな高級リゾート地カンヌに展開される息詰まる追跡劇。ヒッチコック映画化の傑作サスペンス。(本書あらすじより)

面白いらしいとは聞いていたのですが……こ、このやろう、マジで面白いじゃねーか……。
『地下室のメロディー』みたいな(それより10年は前だけど)、フランス(作者アメリカ人だけど)泥棒物(主人公は盗もうとしてないけど)シャレオツ犯罪小説という感じで、いやー面白かった! 昔のポケミスはこれだから侮れません。

第二次世界大戦前のフランスにおいて伝説的な泥棒『猫』であった主人公ジョン・ロビー。レジスタンス活動を経て、今ではすっかりフランスで悠悠自適の足を洗った生活を送っています。ところが再び『猫』と思われる泥棒が活動を再開。ジョンは自らの安寧な生活を守るため、偽物の『猫』を追い始めます。
かつての泥棒仲間と共に偽『猫』を追うジョン。しかしジョンの親友であった貴族や警察署長も、『猫』の活動再開を見てジョンが再び泥棒に戻ってしまったのかと勘違いし、ジョンと敵対してしまいます。果たしてジョンは『猫』を捕まえられるのか、そして偽『猫』の正体は……?というのが大まかなあらすじ。

主人公ジョン・ロビーは超良いやつなのですが、ラブコメの主人公並のにぶちんで、かつ「どうせ自分のことを説明しても理解されないし」と説明を放棄して親友と敵対してしまうという、どうしようもなく人付き合いが苦手な人です。『泥棒成金』は、泥棒の生き様と共に、友情を描いた物語でもあるんですよね。
登場人物それぞれの「存在の理由(レエゾン・デエトル)」が裏テーマとなっていて、金持ちの夫人の娘、妻を亡くした融通のきかない貴族、何より泥棒の世界と堅気の世界の狭間で生き方に悩む主人公が、ラスト各々の「存在の理由」を見出すことになります。もう、実にかっくいいのです。言っていいと思いますが、これぞ大団円!というエンディング。

そして元泥棒が泥棒を追うというメインのストーリーもなかなかの出来栄え。はっきり言って内容自体はかなりシンプルな中で、いろいろと出来事を重ねることによって長編としてしっかり作り上げているのは上手いなぁ。最後の登場人物を総動員した結末は見事という他ありません。

意外、とまではいかないけど偽『猫』の正体などもしっかり作ってあり、とにかくエンタメとして隙のない良作だと思います。HPB1500番の時に復刊されたようですが、これは文庫化するべきだたかも。映画も評判が良いですし(実際、映画化向きの内容だと思います)、機会があればそちらもぜひ観てみます。

原 題:To Catch a Thief(1952)
書 名:泥棒成金
著 者:デヴィッド・ドッヂ David Dodge
訳 者:田中融二
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 223
出版年:1995.11.30 1刷
     1987.12.31 4刷

評価★★★★☆

『死はわが隣人』コリン・デクスター - 2017.04.09 Sun

デクスター,コリン
死はわが隣人
『死はわが隣人』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)

オックスフォード大学学寮長選挙のさなか、住宅地で殺人事件が発生。テムズ・バレイ警察のモーズ主任警部は、血の海に横たわる女の死の謎を追い始めた。一癖も二癖もある隣人たちの錯綜する証言から、やがて殺人事件と学寮長選挙との意外な関係が明らかに。だが、その矢先、モースは病に倒れた。苦痛に耐えながらたどり着いた、混迷の事件の真相とは? 現代本格ミステリの最高峰、モース主任警部シリーズついに佳境へ。(本書あらすじより)

デクスター追悼再読。最後は、デクスターで一番好きな作品で、マイ再読欲求度ナンバーワンの『死はわが隣人』です。これも高1以来なので9年以上ぶり。
もうね、この作品を楽しく再読できてしまうあたり、自分はモースの妄想推理とかどうでもいいんだなということがよく分かりました。キャラ萌えと言われようが何だろうが、『死はわが隣人』は最高なのです。

学寮長選挙をめぐる殺人事件自体は、中盤の転換が面白いとは言え全体的には薄味。モースの推理も大胆な仮設が登場するわけでもなく、結構いきあったりばったりに解決しているに近いです。トリックもまぁこんなもんだろうと。つまり本格としては並か、下手するとそれ以下かもしれません。少なくとも中期までのデクスターに及ばないことは確か。
ただ、コリン・デクスターといえば不倫によって事件が起きるわけですが(そのせいでイギリス人は基本的に浮気しているという理解が高校生の頃の自分の中に爆誕した)、まぁその頂点のような話なんですよね。学寮長候補2名とその妻の描き方がすごく好き。これも初期の頃には見られないキャラクターだと思います。

さらにモースとルイスという、実は今までその仲をきちんと描いていなかった2人の関係が、『死はわが隣人』でようやく示されるのです。モースとルイスのお互いに関する気持ちについて、内面に踏み込んだ描写がされたことがこれまであまりないんですよね。ところが今作、モースが糖尿病でガタガタになる中で、秘書(この人のエピソード好き)や上司であるストレンジ警視、シスター・マックイーンといった脇役の活躍によって、モースという人間がようやく描かれたという感じ。
だから何回読んでもラストには感動してしまいます。モースの身勝手さとルイスの人の良さが、知り合って15年くらいを経たシリーズの中でようやく噛み合うんですよ。モースのツンデレっぷりがやっと発揮されるわけですよ。だから、この作品が、シリーズの中で、一番好きなんです。

『死はわが隣人』という当初のシリーズ完結作が、このあと読者の要望によって『悔恨の日』という完結編へとつながっていくわけですが、『死はわが隣人』でモースとルイスの関係がきちんと描かれた後でないと『悔恨の日』は成り立たないんですよねぇ。とにかく、このシリーズの集大成のような作品なのは間違いないです。うーん大好きだ。追悼再読はこれで終わりにしますが、近いうちに『悔恨の日』も再読しましょう。

原 題:Death is My Neighbour(1996)
書 名:死はわが隣人
著 者:コリン・デクスター Colin Dexter
訳 者:大庭忠男
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 148-13
出版年:2001.12.15 1刷

評価★★★★★

『ジェリコ街の女』コリン・デクスター - 2017.04.05 Wed

デクスター,コリン
ジェリコ街の女
『ジェリコ街の女』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)

モース警部がジェリコ街に住む女アンに出会ったのは、あるパーティの席上だった。すっかり意気投合した二人は再会を約すが、数ヵ月後、彼女は自宅で首吊り自殺を遂げた。はたして本当に自殺なのか? モースにはどうしても納得がいかなかった。やがてアンの家の近所で殺人事件が起こるにおよび、モースの頭脳はめまぐるしく動き始めた。前作に続き英国推理作家協会賞シルヴァー・ダガー賞を連続受賞した傑作本格ミステリ。(本書あらすじより)

コリン・デクスター追悼再読第2弾。前回は初期の代表作だったので、今回は(デクスター好きにはおなじみ)中期の代表作『ジェリコ街の女』です。高1の冬以来なので9年ぶりですが、記憶通りめちゃくちゃ良い作品でした。うーん、実に素晴らしい。

まず『キドリントンから消えた娘』から続けて読んで感じたのですが、圧倒的に文章が上手くなっていますね。プロローグだけでも分かりますし、章頭の引用文のセンスも増しています。ちょっと突き放したような、皮肉とユーモアたっぷりの余裕のある文章となっていて、いかにもなデクスターっぽい雰囲気が完成したのかなと。
また、ミステリとしての作風も変化しています。『ウッドストック』から『死者たちの礼拝』までは、とにかく推理をこねくり回すタイプの試行錯誤推理が大きな特徴でした。ただその後の数作は、妄想推理をやや減らして、その分大ネタを仕込むようになっているのです。だからきっちりまとまっていてすごく程よく楽しめるんですよね。『ウッドストック』や『キドリントン』なんかよりよっぽどスタンダードでおすすめしやすい英国ミステリなのかなと思います。『ジェリコ街の女』とか、『謎まで三マイル』とか、『別館三号室の男』(これも再読したい)とか。
いやーしかし、トリックを忘れていたこともあり、今回も素で楽しめました。『ジェリコ街の女』のトリック自体は綱渡りすぎるから絶対上手く行かないだろうなとは思うのですが、それでも初読時はかなり驚いた記憶があります。この綱渡りっぷりをごまかすのがモースの妄想推理でもあるわけで、さらに押し進めると『謎まで三マイル』になるのかな。ニクい作風だぜ。

ちなみにこれは後期の作品に関わることですが、この頃からモースは事件の中でトリッキーな役回りを演じ始めるんですね。要するに客観的に捜査するだけではなく、事件をややこしくさせるのにモース自身が一役買い始めるのです。この要素が、『森を抜ける道』とか『悔恨の日』あたりで爆発するようになるのかなと。

というわけで大満足の再読となりました。非常に初デクスター向きの作品だと思います。モースとルイスのキャラが関係が出来上がってくる、なんて要素もあるのですが、この2人については次の『死はわが隣人』の感想でまとめることにします。

原 題:The Dead of Jerich(1981)
書 名:ジェリコ街の女
著 者:コリン・デクスター Colin Dexter
訳 者:大庭忠男
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 148-5
出版年:1993.03.31 1刷
     1994.12.31 4刷

評価★★★★★

『キドリントンから消えた娘』コリン・デクスター - 2017.04.02 Sun

デクスター,コリン
キドリントンから消えた娘
『キドリントンから消えた娘』コリン・デクスター(ハヤカワ・ミステリ文庫)

二年前に失踪して以来、行方の知れなかった娘バレリーから両親に無事を知らせる手紙が届いた。彼女は生きているのか、としたら今はどこでどうしているのか。だが捜査を引き継いだモース主任警部は、ある直感を抱いていた。「バレリーは死んでいる」……幾重にも張りめぐらされた論理の罠をかいくぐり、試行錯誤の末にモースが到達した結論とは? アクロバティックな推理が未曾有の興奮を巻き起こす現代本格の最高峰。(本書あらすじより)

引っ越しが終わりまして、先ほどインターネットもようやく開通したので、ブログを再開します。
さて、デクスター追悼のための再読、1冊目は初読時に全く楽しめなかったシリーズ2作目『キドリントンから消えた娘』です。『ウッドストック行最終バス』に次いで日本では評価が高い作品です。
読み終わってから見事に思い出しましたが、そうだそうだ、8年前はこのモヤっとする終わり方がイヤであんまり印象が良くなかったんでした。とはいえ、今読むと別にそれほどイヤな終わり方でもないですね……っていうか記憶の中ではもっとイヤな終わり方だと思っていたんですけど、もっとマシなやつでした。

二年前に失踪した少女から手紙が届き、彼女の再捜索が始まります。殺人以外にそもそもあまり興味がないモースですが、彼女は既に死んでいる、という謎の確信を振りかざしながらルイスと共に事件に乗り出します。

この登場人物数と失踪少女の生死不明事件だけで400ページのややこしいミステリを作れてしまうところがデクスターなんだよなぁ。デクスターの有名な作風と言えば、特に初期作に顕著な、試行錯誤の推理と二転三転する推理と仮説を激しくスクラップアンドビルドする推理(全部同じ)なわけですが、その良さが十二分に発揮されているのが『キドリントン』なのだと思います。だいたい謎からして「失踪少女は生きている/死んでいる」という、「自殺/殺人」と並ぶ試行錯誤向きのテーマなわけです。普通こういう二択ミステリって、結局途中で立てられた仮説が真相に及ばず、ラスト失速することが多いのですが、かなり上手くどんでん返しを仕掛けているなと感心しました。

まぁ、再読向きの作品ですよねー。初読より確実に楽しめるミステリだと思います。二転三転をやり過ぎで、個人的にはもっとしゅっとしていたり遊びがあったりするデクスター(何だそれは)の方が好きなのですが、これはこれで悪くありません。悪くないっていうか良いです。
と、初期のデクスターの良さを再確認したところで、次は中期作、『ジェリコ街の女』を読みます。

原 題:Last Seen Wearing(1976)
書 名:キドリントンから消えた娘
著 者:コリン・デクスター Colin Dexter
訳 者:大庭忠男
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 148-2
出版年:1989.12.31 1刷
     2001.05.31 10刷

評価★★★★☆

追悼コリン・デクスター - 2017.03.23 Thu

デクスター,コリン
2017年3月21日、イギリスのミステリ作家、コリン・デクスターがお亡くなりになりました。86歳でした。

……いやもう、ほんと、ショックでして。レジナルド・ヒル、P・D・ジェイムズ、ルース・レンデルが亡くなった頃から既に覚悟していましたし、そもそも新作を出すこともなさそうでしたから、そんなに悲しくはならないだろうと思っていたんですが、全然そんなことなかったです。超悲しいです。たぶんこのブログをご覧になっている皆さんの想像の3倍くらいはショック受けています。
自分の一番好きな作家はアガサ・クリスティーなのですが、その次に好きなのがデクスターなんです。存命の作家の中で一番好きなのがデクスターだったのです。小学生、中学生とひたすらクリスティーを読み続け、あらかた読み終わり、次に何を読めばいいのか……と迷っていた高校生の自分にぱっと英国ミステリの新たな楽しさを教えてくれたデクスター。それがついに……。心から、ご冥福をお祈りいたします。

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クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の新社会人が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から7年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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