シャーロット・アームストロング名言2

2018-07

『殺意』ジム・トンプスン - 2018.06.24 Sun

トンプスン,ジム
殺意(ジム・トンプスン)
『殺意』ジム・トンプスン(文遊社)

悪意渦巻く海辺の町――
トンプスン・ノワール、
鮮烈な傑作(本書あらすじより)

まさかの1日で読み切ってしまいました。
『殺意』、正直言ってそこまで出来が良いわけではないし、12章それぞれ語り手を変えるやり方も100%成功しているかと言うとそうでもないのです。けど、こういうの読みたかったんだぜ感がハンパないし、普通に満足している自分がいます。なぜだ。なぜなんだ。
……というわけで、今回の文遊社トンプスンも大当たりです。いいぞもっとやれ。

出版社のあらすじがあまりにボヤっとしていますが、確かに明確なストーリーラインを書きにくい作品です。海辺の町を舞台に、殺されそうであることを訴える女性から始まり、入り乱れる殺意などが徐々に描かれていき、終盤でついに事件が発生する、という構成です。
最大の特徴は、語り手を(だいたい同じ長さの)毎章で変えることで、様々な視点から事件を描き出そうとしていることでしょう。バンドマン、その経営者、弁護士、検事、そして浮浪者まで……。とはいえ、200ページくらいでようやく事件が発生するところに、緊張感やピークが持っていけているかと言うとそうでもない気がしますし、真相に意外性を出せているかと言うとそうでもありません。言ってしまえば、構成の上手さとしての12章ではなく、ただ町の住人12人が語っているだけなのです。ところが。

各章の語り手による、どこか虚無的な一人称による物語が、それぞれ強烈に立ち現れていく感じがすごいんです。毎章毎章新たな物語が構成され、それが次の章になると別の視点によって崩されます。12の世界は、同じ世界の同じ町の人間たちを描いているのに、全く別の世界のように見えるのです。それがすごい。
しかしそれは当たり前で、なぜなら人間はそれぞれ別の見方で他人や物事を見ているからなわけです。超絶当たり前なことなんですが、それをこんな、小説としてアッサリと見せられるもんなのかよ、というところに感心しかできません。
それぞれの物語は途中で始まり途中で終わるため、話し切れていないストーリーも多いですし、明示されていないことも結構あります。けど、それはそれでこの世界の真実だし、先のことをあまり考えず刹那的に生きる登場人物たちの「いま」が切り取られているようにも見えます。

これまで3冊が紹介された文遊社トンプスン。犯罪小説としての完成度なら『天国の南』の方が好きですし、トンプスンのどうかしてる文体に酔いたいなら『ドクター・マーフィー』の方が向いているでしょう。もし自分が、いま文遊社トンプスンを好きな順に並び替えたら、たぶん出版順通りになって、『殺意』は3番目だと思います。けど、『殺意』を楽しめたのは間違いないのです。トンプスン初読者ではなく、トンプスンが好きな方に、ぜひおすすめしたい作品です。

原 題:The Kill-Off (1957)
書 名:殺意
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:田村義進
出版社:文遊社
出版年:2018.04.01 初版

評価★★★★☆
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『バスク、真夏の死』トレヴェニアン - 2018.05.24 Thu

トレヴェニアン
バスク、真夏の死
『バスク、真夏の死』トレヴェニアン(角川文庫)

全ヨーロッパが異例の上天気を共有したかのような、大戦前のある最後の夏。バスピレネーの温泉町の青年医師、ジャン‐マルクが、町へ静養に来ていた娘、カーチャと知りあったのはそんな夏の1日だった。彼女には双子の弟がいた。弟のポールと彼女は驚くほど似ていながら、印象はまったく異なった。ジャン‐マルクはカーチャに惹かれる一方、ポールの不思議な、悪魔的魅力にも気づいていた。そして美しい夏の終る頃、彼はポールとカーチャを結ぶ奇怪な絆、避けようのない悲劇の訪れを悟るのだが……。『シブミ』の著者の異色スリラー。(本書あらすじより)

こっ、これは……これはいいものだ……。傑作とは言いませんが、実に、実にいいものです(貧困な語彙力)。
トレヴェニアンといえば、1作ごとに大きく作風を変えることで有名な作家。自分がこれまで読んだものだと、『アイガー・サンクション』は冒険小説、『夢果つる街』(最高of最高)は警察小説、『パールストリートのクレイジー女たち』は……自伝的要素の強い私小説、でしょうか。で、このタイトルからして良さしかない『バスク、真夏の死』は、まさしくスリラーであり、そして青春小説なのだと思います。

一人の若き医師と、双子の男女をめぐる、ひと夏の悲劇。最後以外ほぼ何にも起きないという、淡々とした物語なのに、ひたすらに感傷的な文章で読ませます。要は青春小説っぽいストーリーに精神分析を織り交ぜたサスペンスなんですが、登場人物の様々な痛々しさがとにかく読者にくるのです。
なんといっても、一人称小説で、中年になった医師が若き頃の悲劇的な結末を迎えた恋を語る、という構成が抜群にうまいんですよね。若さゆえ痛々しいモンジャン医師のふるまいが、回想という形によって中和されている上に、ラストに迫る悲劇を常に予感させているので、こんなに何も起きなくても読めるのです。

語り手であるモンジャン医師と関わることになる双子のうち、最初はカーチャの凛とした美しさが良いんです。けど、途中から皮肉で武装したポールがどんどん良くなってくるのが面白いんですよね。モンジャン医師をさりげなく諌め導く、ドクター・グローの存在も上手いし。というか、登場人物、あと双子の父親を加えて、5人しかいないっていう。すげぇ。

というわけで、これはオススメです。全然似てはいませんが、例えばパトリック・レドモンドを好きな人なんかが読めば良さそうですよね。『バスク~』、あらすじだけ見ればBLだし……いや実際読んでみたら全然BLじゃなかったけど……。
トレヴェニアン、これで4冊読みましたが、読んでみるまでどう出るか全くわかりませんね。というか、『夢果つる街』『バスク、真夏の死』『パールストリートのクレイジー女たち』と比べて、『アイガー・サンクション』の安っぽさがすごくない?
ところで、『バスク、真夏の死』の角川文庫の表紙って、4パターンもあったんですね。最近も復刊してたのか……。

原 題:The Summer of Katya (1983)
書 名:バスク、真夏の死
著 者:トレヴェニアン Trevanian
訳 者:町田康子
出版社:角川書店
     角川文庫 ト-5-1
出版年:1986.11.10 初版
     1990.01.30 3版

評価★★★★☆

『世界名探偵倶楽部』パブロ・デ・サンティス - 2018.04.18 Wed

デ・サンティス,パブロ
世界名探偵倶楽部
『世界名探偵倶楽部』パブロ・デ・サンティス(ハヤカワ・ミステリ文庫)

1889年、世界の名探偵からなる“十二人の名探偵”クラブの総会がパリの万国博覧会に合わせて開かれることになった。名だたる探偵たちが一堂に会し、自慢の小道具や独自の探偵論を披露するのだ。しかしその矢先、フランス代表が、建設中のエッフェル塔から不審な転落死を遂げ、各国の探偵は得意の推理力を発揮せんと色めき立つ……これぞ、探偵小説の醍醐味! 古き良き黄金時代への限りないオマージュを込めた、本格ミステリ。(本書あらすじより)

『アルテミス』『くじ』と、本棚にあるトールサイズを順調に消化しているので、じゃあ全部読んじまおうぜ!と抜いてきたものです。名付けて「積ん読棚のトールサイズぜんぶ抜く」作戦。これで終わりですけど。
結構楽しみな本だったのですが……もしかして、南米系ミステリは肌に合わないのかな。アルゼンチンもチリもブラジルも合わなかったんだけど……。

時は19世紀末。探偵に憧れ、アルゼンチンの名探偵クライグに弟子入りした青年サルバトリオ。しかしある事件をきっかけに、探偵という存在そのものを理解できなくなってしまう。その頃パリでは、万博会場において、〈十二人の名探偵〉と呼ばれる世界の主要な名探偵12人が会合を行おうとしていた。クライグの代役としてパリに向かったサルバトリオは、そこでエッフェル塔建設を背景とした、「探偵」と「助手」の役割が問われる連続殺人事件に巻き込まれてしまう。

というあらすじで伝わるのか不安ですが、要するにこれはアンチミステリとか、探偵論だとか、そういったテーマのミステリなのです。19世紀末のアルゼンチン、およびパリを舞台に、「名探偵」と「助手」の役割を描き、探偵という存在に大きな疑問符を投げかける、という方向性の作品。
ですから、日本の新本格好きにはめっちゃウケそうですが、個人的には最初から最後まで淡々と物語っただけ、みたいな印象です。面白くは、ない、んだよなぁ……。〈十二人の名探偵〉というクラブに世界各地の探偵が所属している、という設定とか、探偵と助手という職業が憧れの対象であり様々な雑誌で世界の探偵が紹介されている、みたいな世界観だとか、1889年のパリ万博を舞台にしたエッフェル塔絡みの見立て連続殺人とか、めちゃくちゃ面白そうな題材は出そろっているのです(日本人探偵サカワと助手のオカノは、考えていることが後期クイーン問題丸出し、みたいな感じでちょっと笑っちゃいました)。けど、あんまり生かせてないような……。
でも、これはたぶん生かせなかったんじゃないんです。ぼんやりとしたストーリーですが、作者はこういう作品を書きたかったんだと思いますし、それはそれとして成功しているようにも思います。だからもう、しょうがねぇな、という気分ですよ、こっちは。本格ミステリに興味がある人、というより、新本格や探偵論に興味がある人だけ、読んでみれば良いのではないでしょうか。

なお、スペイン語圏ミステリというくくりで考えるなら、スペイン・ミステリとは陰鬱な雰囲気が似ているかもしれません。あと、南米系ミステリは、いずれも「探偵小説」「推理小説」という枠組みそのものをパロディ化するような作品が多い気もします(そういうのばっかり訳されているだけかも)。とはいえ、いまのところアルゼンチン・ミステリもチリ・ミステリもブラジル・ミステリも全然合わなかったので、スペイン語圏とか関係なく、単純に南米系ミステリが肌に合わないんじゃないかという気がするぞ……(メキシコは中米だから面白かったのかしらん)。

ところで、登場人物一覧の名前が間違っているのですが、こういう新本格みたいなミステリだと何らかのトリックを疑ってしまいますね。こわいこわい。

原 題:El enigma de París (2007)
書 名:世界名探偵倶楽部
著 者:パブロ・デ・サンティス Pablo De Santis
訳 者:宮﨑真紀
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 366-1
出版年:2009.10.15 1刷

評価★★☆☆☆

『聖者ニューヨークに現わる』レスリイ・チャータリス - 2018.03.21 Wed

チャータリス,レスリイ
聖者ニューヨークに現わる
『聖者ニューヨークに現わる』レスリイ・チャータリス(ハヤカワ・ミステリ)

「ロンドン発/ニューヨーク市警警視総監宛─現在、サイモン・テンプラーがアメリカ合衆国にいると信ずべき理由あり。彼の動きにご注意ください。その特徴は、身長6フィート・2インチ、体重175ポンド、31歳、眼はあい色、髪は黒くうしろへ撫でつけ、顔は日焼けしている。左肩上に貫通銃創、右の二の腕に8インチの傷。常に完全な服装で火器を携帯し、ナイフ投げの名手でもある。犯罪現場に、頭のまわりに後光をもった人間の線画を書き残しておく癖があり、そのことから、〈聖者〉(セイント)の名で呼ばれている……」
セイントことサイモン・テンプラーが二ューヨークへやってきたのは、直接には富豪ヴァルクロスの頼みからだった。三年前、息子のビリーを誘拐して殺し、証拠不十分で釈放された五人のギャングを始末してくれたら百万ドルの報酬を支払うというのである。悪漢相手の仕事なら、セイントにとっても依存はなかった。
だが、セイントの前に立ちふさがる悪党たちはなまやさしいものではなかった。判事や警察内部の人間も配下に置く巨大な組織がニューヨークの暗黒街を支配しているのだ。だが、セイントはひるまなかった。悪の組織に敢然と挑戦状を叩きつけ、さっそく行動を開始した!
世紀の義賊セイントの手に汗握る大活躍! ルパンと並び、世界中に愛読者を持つ人気シリーズの最高作。(本書あらすじより)

イギリス児の義賊「聖者(セイント)」が、ニューヨークでギャングを相手に戦うという、まさに町の大掃除的な話。義賊は義賊なんですが、当初から目的が「ギャングの幹部6人殺す」というものなので、結構過激。どちらかというとハメット的というか、ノワール的ですよね。警察からも民衆からも人気らしいんだけど……聖者、どえらい犯罪者だな……。
基本的に、殺してさらわれて抜け出して殺して、みたいな話で、なんの捻りもないんですが、その中で、ギャングの大ボス「大将」の正体は?という一応のどんでん返しもあります(けど、分かる)。終盤は、命知らずってよりただの無計画な行動が目立ったのも気になるなぁ……あ、、ギャングに属する謎の美女、ヒロインのフェイは良かったかな。

要するに、義賊ものってよりも、1935 年のニューヨークの暗黒街を相手に、イギリスの義賊聖者が暴れまくるという冒険活劇なんですが、やっぱ色々古いんですよね。アメリカを舞台にして作者が張り切っていただけかもしれませんが。っていうか、誘拐された女の子の目の前で賊をバンバン撃ち倒して、血しぶき飛ばしながら、彼女も明日には全部忘れているだろう、じゃないんだよ、トラウマ物だよ、いい加減にしろ。

つまり、あれですね、ルパンはすごいんですね……。聖者はルパンには勝てません。聖者シリーズはあと2冊積んでいるので、まぁいずれ読みますが、モーリス・ルブランのエンタメ力のすごさを再確認することにもなりました。

原 題:Leslie Charteris(1935)
書 名:聖者ニューヨークに現わる
著 者:レスリイ・チャータリス
訳 者:中桐雅夫
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 293
出版年:1957.01.31 1刷
     1984.02.15 2刷

評価★★★☆☆

『ワニの町へ来たスパイ』ジャナ・デリオン - 2018.03.05 Mon

デリオン,ジャナ
ワニの町へ来たスパイ
『ワニの町へ来たスパイ』ジャナ・デリオン(創元推理文庫)

潜入任務で暴れすぎたために、敵から狙われる身となった超凄腕CIA秘密工作員のわたし。ルイジアナの小さな町で、自分と正反対の女性になりすまし潜伏するつもりが、到着するなり保安官助手に目をつけられ、住む家の裏の川で人骨を発見してしまう。そのうえ町を牛耳る老婦人たちに焚きつけられ、しかたなく人骨事件の真相を追うことに……。型破りなミステリ・シリーズ第一弾。(本書あらすじより)

読んでいる途中、「これはドーヴァー警部シリーズ好きは絶対読むべき案件だ!」と叫んだのですが、正直ドーヴァーは言い過ぎでした。けど、良いユーモアミステリであるのは間違いないありません。表紙からゆるふわコージーと侮るなかれ、近頃珍しい、頭のおかしい展開続出のがっつりドタバタ系ユーモア・ミステリです。

喧嘩っ早いスパイが、賞金首となったことから、身分を隠して生活を始めることに。潜伏先は、ど田舎ルールがまかり通るルイジアナ州のワニの町。到着早々白骨死体を見つけ、彼女は強烈なおばあちゃん二人組と死体の謎に挑むことに……。

という冒頭から、いきなりてんこ盛りすぎてすごいのです。何曜日にはこういう服を着てはダメだとか、町内のカトリックとプロテスタントの壮絶な争いだとか、異常な悪臭から誰も近寄らない島だとか、唯一日曜日に営業が許されているカフェだとか、その店の座席取りをめぐる毎週のかけっこ競争だとか、そこらにワニがいるだとか、おばあちゃんズによる自治組織だとか、襲い掛かるワニの眉間を一発で射貫くおばあちゃんだとか、とにかく町がカオス中のカオス。ここに一番ドーヴァー主任警部っぽさを感じる……。コージーっぽいけっちゃコージーっぽいですが、はっきり言ってやることなすこと展開がむちゃくちゃなので、たぶんコージーではありません。
一方、内容は意外と地に足がついています。数年前に失踪した横暴な夫、殺人犯と疑われた妻、死体発見により彼女にかけられた疑いを晴らそうと奔走するおばあちゃんズとそれに巻き込まれる女スパイの主人公、優秀な保安官との駆け引き、と、ミステリとしての展開や情報収集の流れは普通に読んでいて面白いです。主人公のスパイ設定が、色々なところでむちゃを可能にしており、それが結構マトモなストーリーの骨組みと程よく調和しているんですよね……捜査のやり方は強引だけど。作者のバランス感覚が良いんだろうなぁ。

まぁ、謎解きとしての面白さを期待して読むよりも、ユーモアと、ドタバタアクションと、ユーモアと、あとユーモアを求めて読むべき作品でしょう。発砲おばあちゃんが好きな人なら間違いなし。安定して楽しめそうなシリーズっぽいので、2作目も出たら読みます。

原 題:Louisiana Longshot(2012)
書 名:ワニの町へ来たスパイ
著 者:ジャナ・デリオン Jana DeLeon
訳 者:島村浩子
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mテ-17-1
出版年:2017.12.15 初版

評価★★★★☆

『リトル・ドリット』チャールズ・ディケンズ - 2018.01.21 Sun

ディケンズ,チャールズ
リトル・ドリット1 リトル・ドリット2 リトル・ドリット3 リトル・ドリット4
『リトル・ドリット』チャールズ・ディケンズ(ちくま文庫)

中国帰りの資産家アーサーは、母親の家でお針子として働いている、か細い身体つきでひどく怯えた顔をした若き女性リトル・ドリットに会った。興味を持ったアーサーは、ある夜尾行し、マーシャルシー監獄へ入って行く彼女の姿を見た……。19世紀、華やかなロンドンの裏にひそむ悲惨な生活、社会の矛盾や不正のしわ寄せを背負いこまされる貧しい者、弱い者たちの姿を鋭い観察眼で描いた『リトル・ドリット』を全4冊で刊行する。(本書1巻あらすじより)

毎年恒例、年越しディケンズ。『大いなる遺産』『二都物語』『バーナビー・ラッジ』と来て、今年は『リトル・ドリット』に挑戦です。4巻もある……『荒涼館』並みに長い……。
と思ったら、序盤が手こずりやすいディケンズにしては最初から最後までかなりスラスラと読めました。『荒涼館』には及ばないとは言え、読んでいてずっと面白かったという点では、『荒涼館』(1巻前半がややきつい)を上回るかもしれません。やったぞ、今年は当たりだ。

あらすじは、ざっくり言えば、中流階級であるスーパー鈍感中年アーサー・クレナムと、父親が債務者監獄に閉じ込められている貧しくも若き天使リトル・ドリットの恋物語、なんでしょう。第1部である1、2巻と、第2部である3、4巻で、状況は大きく変わるのですが、それは読んでのお楽しみ、ということで。
その中で、とある悪人の行動が一貫した謎を提示しており、これがラストで登場人物間の意外な関係と共に明かされる……というのはまさにディケンズらしい推理小説。それ以外にも、いくらか死人が(事件性はないとは言え)出てきたり、色々壊れたりするので、この長さですがなかなか飽きさせません。

というか、マジで全4巻ずっと面白かったのです。キャラクター製造名人ディケンズによってえげつないほどクセのある個性を与えられた登場人物が、縦横無尽に物語の中で動き回るため、むしろこの分量でも足りないくらいです(読んでいてイライラするほど人間性に問題がある人がぞろぞろ出てくるのもいつものディケンズ)。最初は無関係だった50人くらいのキャラクターたちが、次第に様々なところで関係を持つことで、ちょっとしたサプライズのあるエンディングへと話が動いていきます。アーサー・クレナムとリトル・ドリットの関係が、ベタながらも1巻と4巻で見事に対比を見せており、このへん連載作家としてのディケンズの本領発揮と言えるのではないでしょうか。あとは訳者解説が懇切丁寧この上ないので、そちらもぜひご参照ください。

登場人物の関係が複雑に張り巡らされ、作者の掌の上で読者が楽しく踊らされるという点では、ガッツリ殺人という推理小説要素もある『荒涼館』の方が圧倒的に傑作だしオススメです。ですが、『リトル・ドリット』は分かりやすく面白いエンタメとして評価したいですね。『荒涼館』のように、登場人物大量のがっつり長編タイプのディケンズを読みたい方には大いにおすすめです。来年のディケンズも楽しみ。
今まで読んだもので順位をつけるなら……『荒涼館』>『大いなる遺産』>『リトル・ドリット』>『二都物語』>>『バーナビー・ラッジ』、でどうでしょう。


ところで、こちらのサイトで、ディケンズ長編の語句数がまとめられています。以下はそれをコピー&ペーストしたもの。

1. David Copperfield: 357,489
2. Dombey and Son: 357,484
3. Bleak House: 355,936
4. Little Dorrit: 339,870
5. Martin Chuzzlewit: 338,077
6. Our Mutual Friend: 327,727
7. Nicholas Nickleby: 323,722
8. The Pickwick Papers: 302,190
9. Barnaby Rudge: 255,229
10. The Old Curiosity Shop: 218,538
11. Great Expectations: 186,339
12. Oliver Twist: 158,631
13. A Tale of Two Cities: 137,000
14. Hard Times: 104,821
15. The Mystery of Edwin Drood: 96,178 (first 6 of 12 parts only)

このうち、3、4、9、11、13を倒したわけなので、もう怖いものはないぞ。『ドンビー父子』と『ニコラス・ニクルビー』を買える日は来るのかなぁ。

原 題:Little Dorrit(1855~1857)
書 名:リトル・ドリット
著 者:チャールズ・ディケンズ Charles Dickens
訳 者:小池滋
出版社:筑摩書房
     ちくま文庫 て-2-12,13,14,15
出版年:(1巻)1991.01.29 1刷
     (2巻)1991.02.26 1刷
     (3巻)1991.03.26 1刷, 2002.08.20 2刷
     (4巻)1991.04.25 1刷

評価★★★★☆

『ドクター・マーフィー』ジム・トンプスン - 2017.11.27 Mon

トンプスン,ジム
ドクター・マーフィー
『ドクター・マーフィー』ジム・トンプスン(文遊社)

アルコール専門療養所の長い一日。"酒浸り(ウェット)"な患者と危険なナース。マーフィーの治療のゆくえは――。本邦初訳。(本書あらすじより)

文遊社のジム・トンプスン、第二弾。文遊社は、トンプスンの中でも、ちょっと変化球かな?というタイプのノワールど真ん中ではない作品を紹介していく、という方針なのでしょうか。とりあえず言えることは、『天国の南』という、王道の面白さを持った、それでいてトンプスンらしい作品の後に、『ドクター・マーフィー』という異色にも程があるよく分かんない話を投入してくる文遊社はね、やばいです(褒めてる)。

アルコール依存症患者のための療養所を舞台にした普通小説。資金繰りの厳しい、閉所寸前のある一日を描いており、色々発生する割には何にも起きないので、群像劇、あるいは言うなればシチュエーションコメディに近いのだろうと思います。設定は精神病院ものに近く、これでもかと変人奇人が登場し、文字通り勝手に暴れまわるので、序盤はマジで何がやりたいのか分かりません。

ただ読み進めていくうちに、一見気難しくてむちゃくちゃに見えるドクター・マーフィーが、超絶良い人であることが分かってくるのです……っていうか良い人すぎません? トンプスンがトンプスンらしく、理想の医者を描くならこうなのかな、という。『ドクター・マーフィーの一番長い日』な話だった、というイメージ。
ラストの方で登場する別の医者との対比が実に良いんですよね。このエンディングは、めちゃくちゃかりそめの幸せっぽいし、とりあえずね!な感じはありますが(『天国の南』もそうだった)、とはいえ気苦労の多く口の悪いドクター・マーフィーにふさわしい終わり方と言えるのではないでしょうか。
……ところで、『天国の南』の時にも思ったのですが、どんなにノワールっぽくなくてもいかんせんトンプスンなので、良い話になりそうで残り5ページしかなくても、急転直下でみんな死ぬんじゃないか、みたいな不安を感じながら読むことになりません? 自分はなります。

という、なんだかふわふわした感想になってしまいましたが、やっぱりこうやってトンプスンが定期供給されるのはたまんねえな!ということは間違いないので、今後の翻訳にさらに期待しちゃいましょう。

原 題:The Alcoholics(1953)
書 名:ドクター・マーフィー
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:高山真由美
出版社:文遊社
出版年:2017.11.10 初版

評価★★★☆☆

『13・67』陳浩基 - 2017.11.16 Thu

陳浩基
13・67
『13・67』陳浩基(文藝春秋)

華文(中国語)ミステリーの到達点を示す記念碑的傑作が、ついに日本上陸! 現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。
本格ミステリーとしても傑作だが、雨傘革命(14年)を経た今、67年の左派勢力(中国側)による反英暴動から中国返還など、香港社会の節目ごとに物語を配する構成により、市民と権力のあいだで揺れ動く香港警察のアイデェンティティを問う社会派ミステリーとしても読み応え十分。
2015年の台北国際ブックフェア賞など複数の文学賞を受賞。世界12カ国から翻訳オファーを受け、各国で刊行中。映画化件はウォン・カーウァイが取得した。著者は第2回島田荘司推理小説賞を受賞。本書は島田荘司賞受賞第1作でもある。(本書あらすじより)

なんですか、このどえらい気合いの入った力作は。最高ではないですか。これが今年のミステリランキングに食い込まなかったら、もうあれですね、やばいですね……。
陳浩基といえば『世界を売った男』で島田荘司推理小説賞を受賞した作家ですが、ゴリゴリ新本格味の強かった『世界~』とは完全に切り離して読んで欲しい傑作です。分厚いし、時代背景を飲み込むのに時間がかかるのでスラスラとは行きませんが、間違いなく今年のベストに食い込むべき作品でしょう。香港の歴史、香港警察の歴史と合わせながら、ひとりの警察官であり名探偵であるクワンの人生を遡ることが出来る、至高の物語でした。これは超おすすめ!

目次
「黑與白之間的真實 (黒と白のあいだの真実)」
「囚徒道義 (任侠のジレンマ)」
「最長的一日 The Longest Day (クワンのいちばん長い日)」
「泰美斯的天秤 The Balance of Themis (テミスの天秤)」
「Borrowed Place (借りた場所に)」
「Borrowed Time (借りた時間に)」

以上、連作短編集形式で全6話なのですが、1話は2013年、2話は2003年、3話は1997年、4話は1989年、5話は1977年、6話は1967年が舞台となっており、次第に年代を遡るように構成されています。その全ての話で中心となる人物が、名探偵と名高い香港警察のクワン刑事なのです。

まず読者にインパクトを与えるであろうと思われるのが1話「黒と白のあいだの真実」。昏睡状態に陥った瀕死の名探偵が、脳波測定でYes/Noだけを伝えることで事件を解き明かそうとする安楽椅子探偵ものです。極端に本格ミステリっぽさがあり、純粋に証言を聞くだけの小説で、そんな上手くいくかいなーなんて思っていたら、ラストに強烈なパンチが飛んできたので一気に好きになりました。うーむ、良い。
作品が書かれた経緯を見たら理由が分かりますが、この短編集の中ではやや異色です(『世界を売った男』などの、ゴリゴリ本格系)。とはいえ、その切れ味は抜群。なるほど、この作家の短編は何かひとひねりあって、一筋縄では行かないんだな、と気付かされます。

しかし、作者の本領が発揮されているのは3話以降でしょう。激しい動きがあり(3話の脱獄、4話の銃撃戦、5話の誘拐、6話の爆弾騒ぎなど)、警察が事件を解決しようと奔走するストーリーの果てに、どんでん返しが炸裂するとともに、それまでばらまかれていた伏線が一気に回収されるのです。この鮮やかさったらないですよ。
さらに、逆年代順に遡る構造の中で、一警官であるクワンの生涯と香港の歴史がつぶさに語られ、名探偵として完璧すぎる推理力と行動力と判断力を持つクワンの存在が作品全体の中で一気に浮かび上がります。警察小説とか、社会派とか、そういった要素が見事に本格の仕掛けの中で結びついており、もう面白くないわけがないのです。ラストの連作短編集としてのオチも素晴らしいよね……。
ちなみに、3話から6話までの犯人像なんかを見ると、作者のやりたいことや、それこそ香港警察の歴史が見事に描かれているようで興味深いです。読んでいる間は、3~6話はストーリーに振り回されているので、全然気付きもしなかったけど。

ご都合主義的だったり予想できたりする展開がないとは言いませんが(ちなみに2話だけ、ちょっと好みに合わなかったというか、それは無理では……と感じました)、作者が仕掛けたいトリックのために用意された圧倒的な量の伏線に、ぐうの音も出ません。ひたすら理詰めで犯人を追及するクワンがかっこいいんですよ。いやもう、隅々まで堪能できる、大変な力作でした。
というわけで、ぜひぜひ手に取ってみることをオススメします。これまで紹介されてきた華文ミステリって、いかにもな新本格フォロワータイプの作品が多かったじゃないですか(犯罪小説っぽいやつもあるか)。それはそれで面白いんですが、『13・67』に関しては、そういうエッセンスを取り入れつつも、とにかく本格好きからサスペンス好きまで、全海外ミステリ好きへの訴求力を持った作品だと思います。
ある意味、『13・67』って、自分の今年の1位にはならない作品だと思うんです(あくまで、自分のただただ好みの作品とかと比べてみると)。ただ、『13・67』が個々人の好みに合うかはともかく、これは読まずにいるのはもったいない、とにかく一読の価値のある作品だと、それだけは強く語っておきます。

原 題:13・67(2014)
書 名:13・67
著 者:陳浩基
訳 者:陳浩基
出版社:文藝春秋
出版年:2017.09.30 1刷

評価★★★★★

『天国の南』ジム・トンプスン - 2017.11.06 Mon

トンプスン,ジム
天国の南
『天国の南』ジム・トンプスン(文遊社)

'20年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった――パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者…… トンプスン、待望の本邦初訳!(本書あらすじより)

自分はそれほど熱心なジム・トンプスンの読者でもなければ、ジム・トンプスンの熱烈なファンというわけでもないんですが、ジム・トンプスンという作者は不思議なことに、ほんの2、3冊読んだだけで好きになってしまう何かがあります。他の、いわゆる「ノワール作家」とは別物だと思うのです。という話はいずれまたするとして。
はい、ついにジム・トンプスンの翻訳が再スタートしたのです! 版元は、まさかの文遊社。超絶おしゃれな装丁に身を包み、初訳トンプスンがお目見えしました。ちなみに、11月頭に第2弾『ドクター・マーフィー』も刊行されています。いいぞ、もっとやれ(『ドクター・マーフィー』も、もう買って読んだ人は叫ぶ)。
ジム・トンプスンを読んだことのある人が思う「ジム・トンプスンに期待する何か」ってのがあると思うのですが、本書はそれのど真ん中の作品、というわけではありません。そう、これは、1920年代のパイプライン工事の労働者たちの様子をめっちゃ力強く描き(何しろ作者の実体験なんだから迫真さがすごい)、初恋物の青春小説を交え、21歳のイキった若造の成長小説としてもスマートに仕上げた、謎解き要素もしっかりな、至高のクライム・ノヴェルなのです。もう最高なんだぜ。

1920年代、テキサス。もともと大学にも通えるほどの知識もありながら、諸事情により流れの労働者となっている21歳のトミー。パイプライン工事の現場で旧知の間柄である年上のフォア・トレイと再会したトミーは、つらい労働作業を始めた。そこで出会った美少女、キャロルを心の支えに、日々を乗り切ろうとするトミー。しかし初日から事故死が発生するなど、何やら工事現場には陰謀めいたものがあり……?

「プロレタリアン、トンプスンを今こそ」なんて文句から、これはてっきりミステリではないんじゃないか、なんて気持ちで読み始めてすみませんでした。めっちゃミステリでした。というか、普通のトンプスンよりむしろ謎解き要素が強いのではないでしょうか。
パイプライン工事で起きる不可解な事故死、陰で企てられる陰謀、主人公トミーの年上相棒フォア・トレイの行動の理由、などなど、ホワイダニットとホワットダニットを作者が前面に出してくるので、ミステリとして先が気になって読み進めてしまいます。決してリアルな労働者の現場云々だけの本ではないのです。

作者がそのまんま投影されているっぽいトミー(後日この話を書くときに編集者にあーだこーだ言われた、みたいな楽屋話も出てくる)の一人称が、トラブルを呼び込みつつ何が起きているのか知ろうとする渦中の人物として効果的で、物語を上手く進められているのも最高です。所詮は若造であるトミーが、もがき、衝突しながらも、成長していく様が、この一人称の中で実に説得力を持って語られているんですよね。
ここで登場するのが、悪女っぽさもあったのに、結局ただのボーイ・ミーツ・ガールに落ち着くヒロイン、キャロル。彼女の存在がまたもう完璧で、初恋、初体験、初裏切り、と全部経験しつつ、大団円へと突き進みます(そう、この小説は大団円を迎えるのです)。ファム・ファタルのようで、そうではない、みんな待望のヒロイン像がここにはある!……違うか。
「少しまえまで、おれはすべてのことをすべて知らなければならないと感じていた。そして知らないことを認めるのがこわかった。だがいまは、それはたいした問題ではなかった。無知であることは、愚かであることと同じではない。時期がくれば学べることを、おれは知った。」
うーん、このセリフ最高。

というわけで、やべぇ主人公がひたすらやべぇことをしていくトンプスンのノワール代表作とは異なり、むしろ非常に読みやすく分かりやすく完成度の高いクライム・ノヴェルと言った方が良いかもしれません。ある意味、トンプスンの入り口としても向いているのかも。文遊社の単行本だからと構えることなく、気軽に手に取ってぜひ読んで欲しい傑作です。

原 題:South of Heaven(1967)
書 名:天国の南
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:小林宏明
出版社:文遊社
出版年:2017.8.10 初版

評価★★★★★

『その犬の歩むところ』ボストン・テラン - 2017.09.09 Sat

テラン,ボストン
その犬の歩むところ
『その犬の歩むところ』ボストン・テラン(文春文庫)

ギヴ。それがその犬の名だ。彼は檻を食い破り、傷だらけで、たったひとり山道を歩いていた。彼はどこから来たのか。何を見てきたのか…。この世界の罪と悲しみに立ち向かった男たち女たちと、そこに静かに寄り添っていた気高い犬の物語。『音もなく少女は』『神は銃弾』の名匠が犬への愛をこめて描く唯一無二の長編小説。(本書あらすじより)

こんなんもうあれですよ、そりゃあ泣きますよ……。

ギヴという、犬種も見た目も描かれていない、一匹の犬。この犬と行動を共にすることになった人々の人生が、ひとつ、またひとつと語られていきます。

最初、ギヴという犬を用いた連作短編集的なものなのかなと思っていました。いや実際、そうなのです。孤独に犬と暮らすモーテルの女主人、ミュージシャンを目指しながらも悪さをしでかす兄弟、傷ついた心を抱えて軍隊から戻ってきたばかりの青年。彼らがギヴと送った日々がね……明るいのも暗いのも、希望があるものもないものも、とにかく良いんですよ……。
そして最後にギヴと出会った軍隊帰りの青年が、これまでのギヴの人生を遡ろうとすることで、小説全体をまとめ上げているのが非常に上手いと思います。当然読者からすれば、全て知っているし、既に見てきた物語のはずなのですが、要所要所に明かされていないストーリーがあるせいで、遡りによる感動や感慨が効果的に読者を殴ってくるのです。

この物語の主人公であるギヴですが、めちゃくちゃ人間に寄り添うこと、人間の気持ちを察してくれることは分かるのですが、案外、実に普通の「犬」なのですよね。後半、ややギヴの神格化というか、ギヴのヒーロー的なエピソードが増えますが、それでも中盤にギヴが猫のブレットにやられるシーンがあるじゃないですか。ああいう場面のおかげで犬らしさが保てているというか。そのへんの塩梅の上手さに、さすが感傷的な話を書かせれば超一流のボストン・テランを感じます(いや、テラン読むのこれで2冊目ですが……)。

というわけで、訳者あとがきにある通り、実にもう「いい話」としか言えない小説です。本当にいいです。
これまで『暴力の教義』以外テランは読んでいなかったのですが、こうなるとちゃんと代表作も読みたいなぁ。『神は銃弾』『音もなく少女は』をまずは読んでみることにします。

原 題:Giv - The Story of a Dog and America(2009)
書 名:その犬の歩むところ
著 者:ボストン・テラン Boston Teran
訳 者:田口俊樹
出版社:文藝春秋
     文春文庫 テ-12-5
出版年:2017.06.10 1刷

評価★★★★☆

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Author:ヨッシー
クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の新社会人が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から7年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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