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2019-11

『イヴリン嬢は七回殺される』スチュアート・タートン - 2019.10.26 Sat

タートン,スチュアート
イヴリン嬢は七回殺される
『イヴリン嬢は七回殺される』スチュアート・タートン(文藝春秋)

森の中に建つ屋敷“ブラックヒース館”。そこにはハードカースル家に招かれた多くの客が滞在し、夜に行われる仮面舞踏会まで社交に興じていた。そんな館に、わたしはすべての記憶を失ってたどりついた。自分が誰なのか、なぜここにいるのかもわからなかった。だが、何者かによる脅しにショックを受け、意識を失ったわたしは、めざめると時間が同じ日の朝に巻き戻っており、自分の意識が別の人間に宿っていることに気づいた。とまどうわたしに、禍々しい仮面をかぶった人物がささやく――今夜、令嬢イヴリンが殺される。その謎を解かないかぎり、おまえはこの日を延々とくりかえすことになる。タイムループから逃れるには真犯人を見つけるしかないと……。悪評ふんぷんの銀行家、麻薬密売人、一族と縁の深い医師、卑劣な女たらしとその母親、怪しい動きをするメイド、そして十六年前に起きた殺人事件……不穏な空気の漂う屋敷を泳ぎまわり、客や使用人の人格を転々としながら、わたしは謎を追う。だが、人格転移をくりかえしながら真犯人を追う人物が、わたしのほかにもいるという――英国調の正統派ミステリの舞台に、タイムループと人格転移というSF要素を組み込んで、強烈な謎とサスペンスで読者を離さぬ超絶SFミステリ。イギリスの本読みたちを唸らせて、フィナンシャルタイムズ選ベスト・ミステリ、コスタ賞最優秀新人賞受賞。多数のミステリ賞、文学賞の最終候補となった衝撃のデビュー作!(本書あらすじより)

まず、上記の長いあらすじを読んでもらっても良いですか。読みましたか。すごくないですか。フーダニット&英国館ミステリ&タイムループ&人格転移&SFですよ。しかも2段組み400ページ。強すぎじゃないですか。
事前に読みにくい、分かりにくい、と聞いていたのでやや身構えていましたが、読みにくさ、分かりにくさは特に気にならず(この長さと内容なら許容範囲)。正直長いんですが、それもまぁ設定上仕方ないし、めちゃくちゃややこしい設定の中で有象無象の情報がきちんと組み立てられていく様は見事、ではあると思います。ただ、手放しでは褒められないんだよなぁ。80点ではないけど60点でもないという作品。

偶然や都合のいい要素で色々解決しているとはいえ、主人公が解き明かす屋敷の謎、ハードカースル家にまつわる様々な秘密などの部分は、クラシック田園ミステリとして王道的な真相が用意されていますし、それをタイムループの中で解き明かす、という趣向自体はかなり成功しています。主人公の人格(宿主)が変わるたびに、それまでの主人公視点では説明できなかった様々な出来事が、そして、それはもうあり得ないくらい緻密に組み立てられた一日の全ての流れが、徐々に読者に伝わっていくという快感は、なかなか他の作品で味わえるものではないと思います。
タイムループに閉じ込められた主人公が競争相手と争い真相を探ったり、ゲームマスターがありとあらゆる場所で登場したりと、いわゆるデスゲーム物っぽい雰囲気もあります。この点でも、個人的に結構面白いと思った騙しがひとつありました。そういうところもあったりするので、やっぱり嫌いではないんだよなぁ。

じゃあどこに引っ掛かるのかと言いますと……この舞台そのものを作るSF設定自体の不自然さとかは、割とどうでも良いんです。うーん、ネタバレせずに説明するのがすごく難しいんですが、極論、犯人が誰なのかに興味を持てないことにあるのかなぁ(それはもう色々な意味でですが)。良いとか悪いとかではなく。犯人を突き止めることが主人公の一番の目的であるにもかかわらず、他がゴチャゴチャしているせいで、読者がそこに興味を持てなくなってしまっているんです。もにょる……。

なんかこう、上手く感想を書けないので、とりあえずここで終わりにしておきます。小説としてのスゴさと、面白さは、別、ってこと……なのかもしれません。

原 題:The Seven Deaths of Evelyn Hardcastle (2018)
書 名:イヴリン嬢は七回殺される
著 者:スチュアート・タートン Stuart Turton
訳 者:三角和代
出版社:文藝春秋
出版年:2019.08.10 1刷

評価★★★☆☆
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『ひとり旅立つ少年よ』ボストン・テラン - 2019.10.23 Wed

テラン,ボストン
ひとり旅立つ少年よ
『ひとり旅立つ少年よ』ボストン・テラン(文春文庫)

父が殺された。父は詐欺師だった。奴隷解放運動の資金の名目で大金を巻き上げ、それを狙う悪党に殺された。12歳の少年チャーリーは金を約束どおり届けようと決意する。時は19世紀。父の贖罪のため、少年は遙か南へと旅立つ。だがそのあとを父を殺した男たちが追う……。『音もなく少女は』『その犬の歩むところ』の名匠の新たなる感動作。(本書あらすじより)

これは大真面目に、真剣に言うんですが、『ひとり旅立つ少年よ』、まーーーーーーじで良かったです。好き。めっちゃ好き。
書く部分と書かない部分のバランス、塩梅が本当に上手いのです。何が起きたかを後で説明したり、しなかったり。登場人物のいわば「良い人」側の人たちは、主人公と関わり大変な目には合う……んですが、そこで現れる気高さ、高潔さに、そして彼らの強さが示される一瞬一瞬に、どうしようもなく心を奪われてしまうのです。

12歳の少年チャーリーは、父親と共に詐欺師としての人生を送っていた。しかし父親が詐欺で巻き上げた大金を狙われ殺されてしまったことをきっかけに、チャーリーは、その大金を善行のために届けることにする。一方、父親を殺した二人組も、金を求めて少年を追いかけていた。19世紀、黒人と白人の対立が深まる中で、チャーリーの孤独な旅が始まる……。

主人公である12歳の少年チャーリーは、特に序盤、出会う人たちから必ず何かしら「物」をもらっていきます。その経験から作られていく「チャーリー」の造形が、もう見事と言う他ないのです。全て無駄にならず、血となり肉となる……それが読者にはっきりと伝わるのは、やっぱりそこまでのエピソードの積み重ねの上手さなんでしょうねぇ。
そして、ロードノベルとしての完成度。白人の世界が主な前半→黒人と白人が混ざりあう病院以降という流れを、19世紀のニューヨーク→ミズーリの移動で表すの、まーじでロードノベルのアイデアとして天才的だと思います。チャーリーにとってもつらい道のりですが、追ってくる殺し屋二人組だって黒人なので、簡単な旅にはならないわけです。それを描けるというこのどんぴしゃな時代と舞台設定。

最初から大人びていて、度胸と勇気と罪悪感と恥じらいと、そして詐欺師の才能を持っているチャーリーは、時として異様なまでに巧みな安定感を見せ、時としてただの「少年」になります。チャーリーは詐欺師としての天才的な頭脳・演技力を持ちつつも、その詐欺師として様々な罪を犯してきた過去に苦しむのです。だって、12歳なんですよ、彼は。どうしたって、小説にいるような、タフで強い大人にはなれないんです。それでも、彼はもがきながら、そして殺し屋二人組から命を狙われながら、贖罪の旅へと出かけていくわけで。
この危なっかしい様子を違和感なく読者が見て取れるというのが良いんです。ファンタジックさとリアルさの絶妙なバランス。
だって、ラストのゴールシーンなんて、もうある種の奇跡じゃないですか。聖書の世界じゃないですか。でも、それがチャーリーという少年の全てだし、彼は出会いによりそうなったし、そして彼は出会った人間たちに影響を与えていったわけですよ。やっばくないですか、ねぇ。

というわけで、ガチめに傑作でした。新刊ベスト3は確実に入ります。これまで読んだテランの中でも、比べりゃいいってもんじゃないですが、『暴力の教義』『その犬の歩むところ』『神は銃弾』(読んだ順)よりも好き。
暴力描写(1850年代のアメリカの描き方がまた良いんだよ……)がありつつも、グロくないくらいのまた絶妙な描き方なので、とりあえず初テランだろうが何だろうが読んでみてください。超おすすめです。

原 題:A Child Went Forth (2018)
書 名:ひとり旅立つ少年よ
著 者:ボストン・テラン Boston Teran
訳 者:田口俊樹
出版社:文藝春秋
     文春文庫 テ-12-6
出版年:2019.08.10 1刷

評価★★★★★

『バッドボーイ』ジム・トンプスン - 2019.10.13 Sun

トンプスン,ジム
バッドボーイ
『バッドボーイ』ジム・トンプスン(文遊社)

豪放な“爺”の人生訓(レッスン)、詐欺師の友人、喧噪のベルボーイ生活――ノワールの鬼才が若き日々を綴った、抱腹絶倒の自伝的小説。
従兄弟と仕掛けた壮大ないたずら、ネブラスカの“爺”の型破りな教育、独学で博識の父が辿った転落……ユニークな家族に囲まれて育った幼少期から、新聞社の雑用係、喜劇俳優、ベルボーイ、油井労働者など、職を転々とする青年期までの波乱万丈の日々。 トンプスンの創作の原点であり必読の書。(本書あらすじより)

本作はミステリではありません。トンプスンの自伝的小説なのです……が、あまりにその人生が波乱万丈すぎて、小説より面白いというヤバさ。事実は小説より奇なり、とはよく言ったもんですね。
作家というのは別に経験していないことでも小説に書けるわけですが、経験の幅が広ければそれだけ書けるものは変わるわけで、そしてトンプスンの小説はトンプスンにしか書けないんだと言うことがよく分かりました。小説そのもののようなトンプスンの前半生が題材となっています。

ただの人生のエピソード集なのに、とにかくりありとあらゆるキャラクター(尖った爺から陽気な詐欺師まで)、事件(従兄弟との発明から犯罪まで)、職業(20世紀前半のアメリカ見本市)が描かれるのです。これがたかだか20数年間分の自伝だってのが信じられない……。
比較的純朴だったジェイムズ少年がひねくれていく様を見る、という教養小説として読んでももちろん面白いのですが、アメリカの発展の歴史をたどる風俗小説として読んでも面白いんですよね。ベルボーイ時代のエピソードが異様に楽しいので、はやく『深夜のベルボーイ』を読んでみたいなぁ。

文遊社トンプスンはこれで6冊目なわけですが、これまでの5冊の集大成的なところもある一冊。トンプスン好きならもちろん楽しめるでしょうが、おそらく誰が読んでも楽しめる自伝小説なのではないでしょうか。ぜひ続編の翻訳をお願いしたい……めっちゃ良いところで終わるんですよこの『バッドボーイ』って本は……トンプスンらしいけれどもさぁ。
ちなみに装丁も最高。表紙がいつもの文遊社トンプスンとまたパターンを変えています。カバーを外した写真もよく、個人的には表紙めくったあとの青い紙も好きです。

原 題:Bad Boy (1953)
書 名:バッドボーイ
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:土屋晃
出版社:文遊社
出版年:2019.08.01 初版

評価★★★★☆

『国語教師』ユーディト・W・タシュラー - 2019.09.29 Sun

タシュラー,ユーディト・W
国語教師
『国語教師』ユーディト・W・タシュラー(集英社)

女は国語教師。男は有名作家。再会したふたりが紡ぐ〈物語〉は、あの忌まわしい過去に辿り着く――。16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。作家のクサヴァーは、自らの祖父をモデルにした一代記を語った。国語教師のマティルダは、若い男を軟禁する女の話を語った。しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へとふたりをいざなってゆく……。物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ推理作家協会賞)受賞作。(本書あらすじより)

こういう傑作に突如として出会ってしまうことがあるため、我々は新刊を読み続けるわけですよ。『国語教師』、面白いとは聞いていたのに、読むのを先送りにしていて、ようやく手に取ってみたら……めっっっちゃくちゃ良かった……良さしかない……。
序盤、元カノに対してしっつこいメールを送りまくる男うわこれきんもっ、みたいな感じで読み始めたはずなのに、なんで読み終わったらめちゃくちゃ味わい深い物語になっているんですかね。これは「物語」なのです。それも極上の。

16年間同棲した挙げ句、勝手に出ていき別の女と結婚した作家と、出ていかれた国語教師が、別れてから16年後、再び会う話。メール、会話文、回想、そして創作された「物語」という多彩な形式で、様々な時系列の出来事がバラバラに語られていくのがまず面白いです。
そのバラバラの中で、過去、現在に何があったか、その物語がゆっくりと紡がれていく様がもう見事という他ありません。何しろ「物語」なので、事実かどうか分からないことも混ざっているのですが、その絶妙なあぶり出し方が本当に上手いのです(近年の、単に時系列バラバラにしたら面白いでしょ、みたいなサスペンスとは違い、マジで上手いですし、この形式で語られる必然性も感じます)。

次第に浮かび上がってくるストーリーの中で、とある犯罪が結構がっつりめに絡むため、しっかりとミステリでもあります。そしてそれ以上に、主人公である二人の男女の気持ちが、考えが、やったことが、かみ合い方とすれ違い方が、徐々に見えてくるのはまさしくミステリの面白さ・楽しさであり、そして趣深すぎる恋愛小説なのであります。なんですかこの予想外なんだかベッタベタなんだか分からない感動させる気満々のラストは。好き。

間違いなく今年の新刊のベスト級。エモさの塊のような小説であるため、この良さは読んでもらわないとなかなか分からないと思いますので、気になった方、とりあえず手に取って数ページ読んでみてください。メールのやり取りから始まるので、すらすらっと入り込めるはず。
読んで一番近いなと思った作品は、内容は全然は違いますが、『日の名残り』かもしれません。いや違うんだけども。あとは、もっと似てもいないしストーリーもまったく異なるし共通点はないんですが、なぜか『HHhH』なんかも思い出します(なぜかは分かりません。聞かないでください)。

原 題:Die Deutschlehrerin (2013)
書 名:国語教師
著 者:ユーディト・W・タシュラー Judith W. Taschler
訳 者:浅井晶子
出版社:集英社
出版年:2019.05.30 1刷

評価★★★★★

『ディオゲネス変奏曲』陳浩基 - 2019.07.04 Thu

陳浩基
ディオゲネス変奏曲
『ディオゲネス変奏曲』陳浩基(ハヤカワ・ミステリ)

雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物「X」を探す推理合戦のスリリングな顛末を描いた「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス「藍を見つめる藍」など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品(本書あらすじより)

年号は、原則初出年を、未発表作品は2019としています。

Var.I Prélude: Largo 「藍を見つめる藍」(窺伺藍色的藍、2009)
Var.II Allegro e lusinghiero 「サンタクロース殺し」(聖誕老人謀殺案、2012)
Var.III Inquieto 「頭頂」(頭頂、2018)
Var.IV Tempo di valse 「時は金なり」(時間就是金錢、2011)
Étude.1 「習作 一」(習作・一、2019)
Var.V Lento lugubre 「作家デビュー殺人事件」(作家出道殺人事件、2011)
Var.VI Allegro patetico 「沈黙は必要だ」(必要的沉默、2014)
Var.VII Andante cantabile 「今年の大晦日は、ひときわ寒かった」(今年的跨年夜,特別冷、2011)
Var.VIII Scherzo 「カーラ星第九号事件」(加拉星第九號事件、2012)
Var.IX Allegretto poco moderato 「いとしのエリー」(Ellie, My Love、2012)
Étude.2 「習作 二」(習作・二、2019)
Var.X Presto misterioso 「珈琲と煙草」(咖啡與香煙、2019)
Var.XI Allegretto malincolico 「姉妹」(姊妹、2015)
Var.XII Allegretto giocoso 「悪魔団殺(怪)人事件」(惡魔黨殺(怪)人事件、2009)
Var.XIII Allegro molto moderato 「霊視」(靈視、2018)
Étude.3 「習作 三」(習作・三、2019)
Var.XIV Finale: Allegro moderato ma rubato 「見えないX」(隱身的X、2011)

空前の名作『13・67』を出した陳浩基による、ごったまぜな短編集。帯に「本格×推理×恐怖×奇想×密室」とあるように、ジャンルもばらばら、長さもショートショートから中編までとばらばら。それらを、各短編にクラシック風の副題がつけられているように、「変奏曲」としてまとめたものです。
いやー、良かったです! そうですよ、俺はこういう短編集を読みたかったんですよ。

ジャンル的にはミステリ・SFを中心に、がっつりパズラーから奇妙な味、バカっぽい話にホラーっぽいやつまでと幅広い(というかさっきも言ったけどごったまぜ)。やや長めの短編がむしろ読みすやすく完成度も高めで、各短編の長さもちょうどよく、読みやすいです。
作者は、例えばシリアスで重厚な『13・67』とか、サスペンス風味の『世界を売った男』などを書ける人なわけですが、良い意味で気の抜けた作品集が出たというのが喜ばしいですよね。ミステリ作家がデビューをするため編集者に言われるがまま殺人を犯す、騙し方よりもむしろ暴き方が面白い「作家デビュー殺人事件」(2011)、自分の人生の時間を売る、というよくあるネタなのに使い方がが面白く、オチがなぜか気持ちの良い「時は金なり」(2011)、ヒーローと敵対する悪の組織の中での殺(怪)人事件という、バカっぽさ全開の「悪魔団殺(怪)人事件」(2009)あたりが好きです。
代表作とされる「見えないX」(2011)は、大学の講義室の中で、仮にこの集団の中に犯人役がいるとすれば誰?という問題を考えるという、実際の事件がない中での究極の論理パズルフーダニット。これぞゴリゴリ論理だぜ!な感じが読んでいる間すごく楽しかったのですが、なんかこう、微妙に釈然としないというか……。たぶん作者は、ここ数年の中で、本格ミステリの見せ方がどんどん上手くなったんだろうなぁ。

というわけで、現代ミステリを読みたい方、本格ミステリを読みたい方、異色作家短篇集を読みたい方、などなどに幅広くおすすめできる短編集です。華文ミステリの入り口として、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

原 題:第歐根尼變奏曲 (2019)
書 名:ディオゲネス変奏曲
著 者:陳浩基
訳 者:稲村文吾
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1942
出版年:2019.04.15 1刷

評価★★★★☆

『荒涼館』ディケンズ - 2019.06.29 Sat

ディケンズ,チャールズ
荒涼館岩波1 荒涼館岩波2 荒涼館岩波3 荒涼館岩波4
『荒涼館 1~4』ディケンズ(岩波文庫)

「おまえはおかあさんの恥でした」──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと、あまたの人を破滅させてなお継続する「ジャーンダイス訴訟」。この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し、呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に、貴族から孤児まで、19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作。(本書1巻あらすじより)

かれこれ8年ぶりに、読書会のために『荒涼館』の再読をしました。やはり傑作だと思いますし、自分はこの作品がめっちゃ好きです。視点人物を次々と入れ替えながら、ディケンズらしい多様な登場人物を複雑に動き回らせることで、謎解きミステリとしても一級の出来栄えにしているという、この奇跡の一品。4巻もの長さがありますが、そこに必然性があるという点も重要です。まぁ、1巻はつまらないんだけど……。

ストーリー……は色々な話が絡んで、だんだんと1つになる、みたいなものですが、メインはエスターの話でしょう。生まれがよく分からず、代母に育てられたエスターは、ある時からジョン・ジャーンダイスによって保護されます。そこで出会ったのは、ジャーンダイス家の遠い親戚である若者、エイダとリチャードでした。ジャーンダイス家の人々が遺産相続をめぐって世代を超えて争い続けているジャーンダイス対ジャーンダイス訴訟とは一体? そして訴訟とエスターの関係とは?

過去に読んで感想も書いているので、再読での気付きをいくつかまとめてみました。

再読気付き①50人近い登場人物を、連載という発表形式の中で、かなりハイレベルな使い方をしていること。全く無駄な人物がいません。1、2巻が実質登場人物紹介なので、まぁタルいのですが、それも仕方ないと思わせる怒涛の3巻以降のキャラの生かしっぷり。意味のある長さと、それを支える登場人物たちが非常に魅力的です。

再読気付き②ミステリとしても悪くありません。19世紀の長編ミステリとしてこれ以上のものを求められようか……というレベル。「名探偵」(もめごと処理人)という役割をはっきり与えられているバケット警部の活躍もそうですし、明らかにミステリを書ける人であるディケンズによる読者を騙そうという話の作り方も上手いです。

再読気付き③最近の岩波文庫って、すごいんですね……今回一番驚いた点がこれかも。訳もすごいし注釈もすごい。読みやすいし分かりやすい。登場人物一覧もきれいにまとまっているし、各巻のあらすじのまとまりっぷりもすごい。何より訳者の佐々木徹さんがすごい。
とにかく訳が読みやすいですし、必要最小限度な(でも必要な)訳注が物語を邪魔しない程度に出てくるので非常に分かりやすいのです。皆さん、岩波で読みましょう。ちくまはとりあえずいいから岩波で読むのです。

というわけで、名作は何度読んでも名作。『荒涼館』を2度読んだ人、として、今後は胸を張って生きていきます。

参考までに。
『荒涼館』>>『大いなる遺産』>『リトル・ドリット』>『オリヴァー・ツイスト』≧『二都物語』>『骨董屋』>>『バーナビー・ラッジ』

原 題:Bleak House (1852~1853)
書 名:荒涼館 1~4
著 者:ディケンズ Charles Dickens
訳 者:佐々木徹
出版社:岩波書店
     岩波文庫 赤229-11, 12, 13, 14
出版年:【1巻】2017.06.16 1刷
     【2巻】2017.08.18 1刷
     【3巻】2017.10.17 1刷
     【4巻】2017.12.15 1刷

評価★★★★★

『脱落者』ジム・トンプスン - 2019.06.23 Sun

トンプスン,ジム
脱落者
『脱落者』ジム・トンプスン(文遊社)

テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町。原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、未亡人と保安官補のもうひとつの顔――本邦初訳。(本書あらすじより)

すごくトンプスンっぽいノワールだなぁ、と思って読み始めるも、なんか違うぞ、なんでそうなるんだ?と絶妙なすかしっぷりに戸惑いつつ楽しく読み続け、最後まさかのエンディング。ある意味すごく「文遊社トンプスン」っぽい作品でした。それがいい……。

テキサスの保安官補トム・ロード。かつては大学の医学部に通っていたが、諸事情から中退し、保安官補になったという過去を持つ。娼婦と付き合い、わざと粗野な言葉遣いや態度を取るトムだが、常に嘘の自分を装っており、空虚な人生を送っていた。やがて石油採掘場で、とある死体を抱え込んでしまうのだが……。

田舎テキサスを舞台に、保安官補トム・ロードが、内に抱え込む二面性、時折現れる暴力性をもてあましつつ、油井をめぐる抗争に巻き込まれる話……という内容ですが、おそらく読者の想像とは違う方向に話は進みます。どこか見たことある主人公設定にもかかわらず、主人公に絶対的「悪」を全く感じないのが珍しいですね(どうしようもない破滅的傾向はあるけど)。
さらに、三人称で様々な人物に視点があてられることにより、主人公含めたくさんの登場人物が非常に丁寧に描かれるのですが、これが良いのです。どいつもこいつも一筋縄ではいかないキャラクターばかりなので、先が読めなすぎます。

死体を見つけ、やったことややっていないことで罪に問われたトム・ロードが、最終的に敵対するのは巨大な組織がバックに着いた石油会社。果たして彼の明日はどっちだ?……というように、こんな不安定な主人公のくせに、ある意味真っ当なストーリーに向かっていきます。死体が意味不明なほど出まくるし、章の切り替えによる時間の進行もむちゃくちゃ。トンプスンらしさも維持しつつ、それでもすごく丁寧な小説、という(良い意味で)絶妙な完成度の作品なのだと思います。

最後のちょっとした種明かしも気が利いていますし、何より本作のエンディングはこの丁寧な小説にふさわしいのではないでしょうか。『おれの中の殺し屋』みたいなものを期待されると困るのですが、王道の犯罪小説(トンプスン風味)としては最高。面白かったです。

原 題:The Transgressors (1961)
書 名:脱落者
著 者:ジム・トンプスン Jim Thompson
訳 者:田村義進
出版社:文遊社
出版年:2019.03.20 初版

評価★★★★☆

『オリヴァー・ツイスト』チャールズ・ディケンズ - 2019.06.03 Mon

ディケンズ,チャールズ
オリヴァー・ツイスト
『オリヴァー・ツイスト』チャールズ・ディケンズ(新潮文庫)

孤児オリヴァー・ツイストは薄粥のお代わりを求めたために救貧院を追い出され、ユダヤ人フェイギンを頭領とする少年たちの窃盗団に引きずり込まれた。裕福で心優しい紳士ブラウンローに保護され、その純粋な心を励まされたが、ふたたびフェイギンやその仲間のサイクスの元に戻されてしまう。どんな運命がオリヴァーを待ち受けるのか、そして彼の出生の秘密とは――。ディケンズ初期の代表作。(本書あらすじより)

ディケンズを読むのは年末年始の年越しディケンズのみ、というかなりしっかり続いている伝統があるのです。が、6月にディケンズ読書会が催され、「ディケンズ好きな人」という謎枠で呼ばれているのですが、ちょっと待て俺代表作の『オリヴァー・ツイスト』俺読んでないじゃん!ということで、今回だけ例外、年越し以外でディケンズを読んでみました。
映画を観たことがあるので大まかなストーリーは知っていましたが、読んでみると結構王道の犯罪(者)小説でした。主人公のオリヴァーが犯罪者フェイギンのもとで犯罪に染まっている時間が意外と短くて、基本的にはひたすらオリヴァーが虐げられる話。つらっ。

主人公の孤児オリヴァーは、救貧院を追い出され、単身ロンドンに迷い込んだところ、ユダヤ人フェイギンに保護される。ようやく居場所を見つけたと思ったオリヴァーだったが、なんとフェイギンとその仲間たちは窃盗団だったのである。たまらず逃げ出したオリヴァーは、様々な陰謀に巻き込まれてしまうのだが……。

ディケンズにしては登場人物がかなり絞られており、その中で後期作品のように陰鬱な展開が続きます。次から次へとオリヴァーに降りかかる不幸&幸福な展開で読ませるリーダビリティはなかなかのもの。また、登場人物の意外なつながりを示す最後の謎解きなどは、2作目にしてまさにディケンズならではです。基本的にディケンズはミステリの人だ、という考えは間違っていないと思います。
とはいえ、『オリヴァー・ツイスト』一番の魅力は、正直なところオリヴァー本人ではないよな……と感じました。映画だとオリヴァーがザ・主人公でしたが、なんかこう、違うんですよ。むしろ、ロンドンを根城に幅広い犯罪活動を行うユダヤ人フェイギンと犯罪者ビル・サイクスこそが話の中心であり、彼らのえげつなさと壮絶な最後が見どころなのかなと思うのです。だからこそ、犯罪小説色も強く感じられますし。ビル・サイクスなんてモリアーティ教授並に悪人だし。
ぶっちゃけ、孤児オリヴァーの出自と行く末にあんまり興味が持てないんですよね。だから、ディケンズお得意の孤児物でありながら、なんとなく異色っぽいのです。

と、ざっくり目の感想を書きましたが、ぶっちゃけそんなに面白くはないっていう……。いや、つまらなくはないんですが、単純にストーリーもキャラクターも、他のディケンズ作品と比べると弱いのです。代表作扱いされること自体は、前半の圧倒的スピード感などで納得できるんですが、じっくり読ませる面白さや多様なキャラクターの魅力という点では、どうしても劣ると思うのです。

というわけで現在のランキングですが、
『荒涼館』>>『大いなる遺産』>『リトル・ドリット』>『オリヴァー・ツイスト』≧『二都物語』>『骨董屋』>>『バーナビー・ラッジ』
かな。手っ取り早くディケンズをおすすめするなら、『大いなる遺産』で間違いないのではないでしょうか。
ちなみに今度の年越しですが、さすがにディケンズはいったんお休み……の代わりに、とある19世紀のミステリを読もうかなと検討中です。お楽しみに。

原 題:Oliver Twist (1837~1839)
書 名:オリヴァー・ツイスト
著 者:チャールズ・ディケンズ Charles Dickens
訳 者:加賀山卓朗
出版社:新潮社
     新潮文庫 テ-3-10
出版年:2017.05.01 初版

評価★★★☆☆

『骨董屋』チャールズ・ディケンズ - 2019.01.20 Sun

ディケンズ,チャールズ
骨董屋 上 骨董屋 下
『骨董屋』チャールズ・ディケンズ(ちくま文庫)

19世紀、イギリス産業革命の激動の時代を背景に、祖父に引きとられた純情無垢な少女ネルの辿る薄幸の生涯を描く大作。祖父は骨董屋を経営していたが、ネル可愛さの余り一獲千金を夢見て賭博に手を出し、破産してしまう。骨董屋は高利貸クウィルプに差し押えられ、ネルは老人とロンドンをあとに、あてどない旅に出る。美と醜、善と悪、さまざまな対立を描きながら、波瀾万丈の物語の幕が上がる。(本書上巻あらすじより)

毎年恒例、年越しディケンズ。『大いなる遺産』『二都物語』『バーナビー・ラッジ』『リトル・ドリット』と来ましたが、今年は短め、『骨董屋』です。
どこかでこの作品のオチを聞いたことがある気がするのです。が、何となく分かっていても結構な衝撃でした。実質的にトリプル主人公の物語としては、かなり上手く終わらせたのかなと思います。ただ、全体的な面白さで言うと、ディケンズの中では下の方に位置するかな、というのが残念。

ひたすら不幸な、健気で優しい少女ネル、ネルを慕う正直な少年キット、いい加減な青年スウィヴェラーの3人全員が主人公とも言える作品。ネルとその祖父である骨董屋の放浪の旅と、ネルたちを追い詰める悪党たちに振り回されるロンドンの関係者たちを描いています。

ネルや、その他善人たちをひらすら追い詰める悪党クウィルプが、もうどうかと思うくらいの徹底した悪人。ひたすら周りの人間を陥れ、最後まで暗躍しまくるというエグい人物です。さらに、クウィルプに協力させられる悪徳弁護士ブラース兄妹など、全体的に意地悪な人物が非常に多いのが特徴です。
また、主人公ネルの祖父である骨董屋の老人が、もう何とは言わないけどとにかく酷いのです。本質的な悪人ではありませんが、存在そのものがネルを追い詰めているに近いので、はやく死んでほしいのですが、これがまた全然死にません。なんて迷惑なやつなんだ……。

という、とにかく暗〜いメンバーとストーリーの中にあって、善人魂の塊のような少女ネルと少年キットが、本当に健気に頑張るのですよ。クウィルプから逃れ続けるネル、母親のために出世しようともがくキットを、読者はひたすら応援をし続けるしかないのです(けどなかなか報われないのがつらいところ)。
ディケンズ長編の中でも最も筋を考えずに思いつくまま書いたと言われるだけあって、色々と生かされていない登場人物が多かったり、ストーリーがまとまらなかったり、単純に話がそこまででもなかったり(一応謎の紳士の正体などで引っ張るけど弱い)と、他作品と比べるとどうしてもつまらないとは思います。ただ、ロードノベル風の逃避行の中で登場する一期一会の善人たち、最後のショッキングな、しかし妙に神々しさすらあるエンディングなど、かなり個性的な魅力のある小説ではないでしょうか。
ネルと祖父が旅の途中で出会う、芸人たち、蝋人形屋、優しい教師、そして何と言っても、火からずっと目を離さない人付き合いの苦手そうな男(彼、いいよね!!)などなど、ロードノベルという形式上、ディケンズお得意の尖ったキャラクターたちを出しやすかったのも大きいと思います。

上下1000ページなので比較的短いですし(ディケンズにしては)、ディケンズ好き向けではありますが、今なら集英社文庫のポケットマスターピースで抄訳版も読めるので、気になる方はぜひ。確かにこれは抄訳向きだよなぁ。

さて、ディケンズ長編ランキング、最新版です。
『荒涼館』〉〉『大いなる遺産』〉『リトル・ドリット』〉『二都物語』〉『骨董屋』〉〉『バーナビー・ラッジ』
来年は何を読もうかなぁ。今年は短かったので、長いやつかな、『デイヴィッド・コパフィールド』(最長)とか……。

原 題:The Old Curiosity Shop (1840~1841)
書 名:骨董屋
著 者:チャールズ・ディケンズ Charles Dickens
訳 者:北川悌二
出版社:筑摩書房
     ちくま文庫 て-2-5,6
出版年:(上)1989.09.26 1刷
     (下)1989.10.31 1刷

評価★★★☆☆

『クラシックな殺し屋たち』ロス・トーマス - 2019.01.16 Wed

トーマス,ロス
クラシックな殺し屋たち
『クラシックな殺し屋たち』ロス・トーマス(立風書房)

不況風が身にしみる殺し屋の世界。冷酷な殺し屋とやさしい殺し屋が、引退をかけての大立ち回り。追いつ追われつのイタチごっこの果てに大金をせしめるのは………。ウィットとユーモアに富んだ都会派ミステリー。(本書あらすじより)

マケプレオーバー2000月間、9冊目は、レアしかない立風書房のロス・トーマスです。ぶっちゃけ『冷戦交換ゲーム』が合わなかった上に、シリーズ的には『暗殺のジャムセッション』を飛ばしちゃってるので、大丈夫なんだろうか、と超不安だったのですが……えっ、すげぇ面白かったんだけど。『冷戦交換ゲーム』の合わなさは何だったんだ。
ロス・トーマスは基本的に複雑すぎるプロットで有名な作家ですが、本書はかなり分かりやすい部類だそうです。実際その分かりやすさがきれいにキマっていて、スパイ小説として、アクション小説として、非常に良い出来になっています。

ただの一般人マックと、元プロのスパイ&殺し屋であるパディロのバディ物第3弾。中東の小国の次期国王が、石油会社との取引までに暗殺されないよう護衛をするという依頼を、ほぼ引退状態のパディロは受けることになります。殺し屋 vs 殺し屋のシビアな戦いが勃発。そんな中、ど天然出しゃばり一般人野郎マックは、ひたすら一人称視点で陽気に語る!

さて、もはや中年、第一線を退いたかつての伝説のスパイ、パディロの前に立ちふさがるのが、同じく中年のピーク時は過ぎた殺し屋クラークシュタインと、若き凄腕ギットナー。パディロもクラークシュタインも歴戦のツワモノですが、もはや腕力より頭、謀略戦の方が得意なのであります。
一方、パディロの協力者(というか依頼人)は、殺し屋ゴタール三きょうだいの双子の弟・妹。かつてパディロはゴタール家長男ポール(故人)と色々関係があったため、双子を助けることに協力するのであります。

ロス・トーマスは語り口はユーモラスでも展開はシビアなので、殺し屋バトルの中でも結構容赦なく登場人物が死んでいきます。マックもパディロもあまり心情を語らないわけで、つまりこれはハードボイルド風謀略小説なわけですよ(たぶん)。そんな中で、殺し屋同士の騙し合いが炸裂! うーん、良い……。
ところで、普通こういうのって、プロの争いに一般人が否応なく巻き込まれる……みたいなのが王道だと思うんですが、本作の語り手である一般人マックはやたらと出しゃばり&ピンチ大好き人間なので、自分から殺し屋戦争に入っていくんですよね(『冷戦交換ゲーム』と違って、パディロを助けたい、みたいな動機すらありません)。この主人公二人の絶妙な関係が面白いのです。ふたりのバディ物としては、これ以上ない仕上がりだと思います。

単純に殺し屋バトルとしての面白さ、どんでん返しの巧みさ、きちんと張られた伏線、気のきいたオチと、いや本当に隙がありません。大変満足です。『黄昏にマックの店で』も、いずれ読むつもり。

原 題:The Backup Men (1971)
書 名:クラシックな殺し屋たち
著 者:ロス・トーマス Ross Thomas
訳 者:筒井正明
出版社:立風書房
出版年:1976.02.05 1刷
     1976.04.05 2刷

評価★★★★☆

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Author:ヨッシー
クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の社会人3年目が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から9年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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