パンプルムース氏の秘密任務
『パンプルムース氏の秘密任務』マイケル・ボンド(東京創元社)

グルメ・ガイドブック『ル・ギード』の覆面調査員で元パリ警視庁刑事のパンプルムース氏は、編集長に呼び出され、ある秘密任務につくことになった。靴屋が喜びそうな肉や、キツツキも歯がたたないようなコチコチのパイを出す(実は編集長の親戚が経営)レストランの、たてなおしに協力せよというもの。元警察犬で、味にはしごくうるさい愛犬ポムフリットとともに、彼の地に乗り込んだパンプルムース氏であったが、レストランは、なるほどひどい……。そして、それどこか、彼らは(ポムフリットまでもが)、媚薬のからんだとてつもなく奇っ怪な事件に巻き込まれる運命にあった! グルメ探偵と犬という、パリ警視庁出身珍コンビが、またまたあなたを幸せにしてくれるドタバタ・ミステリ。(本書あらすじより)

マイケル・ボンドと言えばくまのパディントンの作者ですが(今度映画が公開されますね)、その一方で大人向けに出しているのがこちら、グルメ・ガイドブックの覆面調査員パンプルムース氏と、その相棒犬ポムフリットの活躍を描いたシリーズです。大人向けというのは文字通りの意味で、たいていややエロめの事件が扱われているのです。単なるコージーとかとは違うのです。1作目なんてダッチワイフが重要だったし。
『パンプルムース氏の秘密任務』はその2作目。食事をした人が性欲マシマシになるという怪しげなホテルの極秘調査にパンプルムース氏が向かいます。相変わらずネタが面白いし、微妙に意外な犯人も出できたりしちゃうのですが、ただちょっと話にまとまりがなく、全体的な出来は1作目の方が上かなと思います。

さて、とにかくドタバタエロコメディミステリを読みたいならおすすめのシリーズ。本作の白眉は、40人以上の鼓笛隊の娘たち(6~17歳)が一斉に発情しパンプルムース氏を襲うシーンなのであります(なんちゅうアイデアなんだ……)。コメディ的な伏線の組み方はやや雑めで、もう少し頑張れたかも。
今作ではどちらかというとパンプルムース氏の相棒犬、ポンフリットの活躍が目立ちました。発情して町中の犬を襲いまくったりとか(笑) 終盤では集まってきた新聞記者を蹴散らす大活躍で、オチまで担当。いやーなんだかんだやっぱり面白いな、このシリーズ……。

というわけで、1作目を読んだのがかれこれ6年以上前だったんですが、思ったより好きですね、このシリーズ。3作目以降もさっさと文庫見つけて買おう。

原 題:Monsieur Pamplemousse and the Secret Mission(1984)
書 名:パンプルムース氏の秘密任務
著 者:マイケル・ボンド Michael Bond
訳 者:木村博江
出版社:東京創元社
出版年:1999.03.25 初版

評価★★★★☆
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『パンプルムース氏のおすすめ料理』マイケル・ボンド(東京創元社)

権威あるグルメ・ガイドブックの覆面調査員パンプルムース氏は、元パリ警視庁刑事。味にうるさい愛犬ポムフリットは老犬ホーム送り寸前で彼にひきとられた元警察犬。とあるホテル・レストランの味のチェックに来た珍コンビに出された期待の皿には、なんと首が!生命を、おまけに貞操まで狙われながらも、パ氏が怪事件に挑む。(本書あらすじより)

『くまのパディントン』の作者が大人のために書いたユーモアミステリ、というのが一般的な宣伝文句です。確かに子供が読むにはいろっぽすぎるかも(笑)本格ミステリではまったくありません。ミステリを交えたおいしいフランス料理の本という感じです。

しかし、読みながら作者の伏線の張り方に感心していました。コメディ映画なんかもすんごい伏線の張り方をしますが、それと同じようなもんです。詳しくは言いませんが、ようするに義足だとウソをつくわけですよ、主人公のパンプルムース氏が。これが後々物語にたくさん関わってくるわけですね。というか、ここまで引っ張るとは、って感じです。

それからばかばかしい登場人物の多いこと。主人公パンプルムースはグレープフルーツ、ポムフリットはフライドポテトという意味みたいです。この二人がばかばかしい。他に、警察官の人がひたすら馬鹿をやり、ホテルのオーナーの奥さんが馬鹿をやり……うーん、きりがない。

ようするに、お気軽なミステリです。トリックとか、そういったこと考えて読んじゃいけません。犯人探しとかもどうでもよろしい。そういったやつですな。ユーモアミステリといっても、ジョイス・ポーターとは違い、もっとくだけて滑稽な感じですね。

書 名:パンプルムース氏のおすすめ料理
著 者:マイケル・ボンド
出 版:東京創元社
発 行:1998.

評価★★★☆☆