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シャーロット・アームストロング名言2

2020-08

『隠れ家の女』ダン・フェスパーマン

 - 2020.07.09 Thu
フェスパーマン,ダン
隠れ家の女
『隠れ家の女』ダン・フェスパーマン(集英社文庫)

末端のCIA女性職員ヘレンは、工作員たちの隠れ家で聞いてはならない極秘の会話を録音してしまう。また、同じ家でレイプの現場を目撃し、上層部への告発を試みるのだが、組織を追われてしまう。その35年後、彼女の身に思わぬ悲運がふりかかる。冷戦下のベルリンと現代アメリカを行き来しながら浮かびあがる、壮大な謎の構図とは。2019バリー賞最優秀スリラー賞受賞! 王道スパイ小説×謎解きミステリ!(本書あらすじより)

いや、実際悪くない作品だと思うのです。最初は670ページという分厚さに慄いたのですが、ほとんど長さは気になりませんでした。地味だけど丁寧に作られたミステリ、という印象を受けます。

1979年と2014年を行ったり来たりしつつ、少しずつ巨悪が明かされていきます。CIAの女性職員ヘレンが、隠れ家(セーフハウス)で聞いてしまった2つの会話が、それぞれ別の形で大きな問題となり、やがて現在の殺人事件につながっていく……という構成。「謎」の軸がはっきり2本あることで飽きにくくなっているのかもしれません。

さて、書評七福神で吉野さんが「スパイものとはいえ、ル・カレともフリーマントルとも異なるタッチ」と紹介していますが、確かにそのとおりで、とにかくエンタメ的に非常に読みやすいです。スパイ小説の要素を借りた謎解き冒険サスペンス、といった方が近いですね(スパイ小説はそもそもそういうものですが)。
ただ、よく練られてはいますが、作者は基本的に読者を驚かせようとはしていない、と考えた方が良いかもしれません(2つの時代の登場人物がもちろんダブっていて、それらがパズルのピースとしてはめられていく、みたいな感じ)。最後のどんでん返しも、全くサプライズ演出をしないし。

でもまぁ、丁寧かつ地味なミステリは好きなんですが、これ!という推しポイントがいまいちなくて、結局74点くらいな気はするんだよな……興味あるなら読んでも、くらいっていうか……すすめにくい……。
これは偏見ですけど、やっぱりスパイ小説はアメリカよりイギリスの方が好みに合っている気がします。細やかな陰謀&丁寧などんでん返し、が見どころじゃないですか。唐突に濡れ場シーンとか入れてきたり、あと映像化するなら俳優は○○で、とか作者が答えていたりするあたりが、「あめりか〜」って感じ(まさに偏見)で、ややイラッと来なくもない……やめましょうか、こういうこと言うの。

原 題:Safe Houses (2018)
書 名:隠れ家の女
著 者:ダン・フェスパーマン Dan Fesperman
訳 者:東野さやか
出版社:集英社
     集英社文庫 フ-36-1
出版年:2020.03.25 1刷

評価★★★★☆
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『探偵コナン・ドイル』ブラッドリー・ハーパー

 - 2020.06.28 Sun
ハーパー,ブラッドリー
探偵コナン・ドイル
『探偵コナン・ドイル』ブラッドリー・ハーパー(ハヤカワ・ミステリ)

1888年ロンドン。『緋色の研究』を発表したばかりの若き医師コナン・ドイルは、前首相から、巷を賑わす連続殺人事件を、シャーロック・ホームズの推理法を用いて解決に導いてほしいと依頼された。ドイルは、ホームズのモデルでもある恩師ベル博士と、現場の下町に詳しい男装の女流作家マーガレット・ハークネスの協力を得て、のちに切り裂きジャックと呼ばれる殺人鬼との知恵比べに挑む。貧しい労働者階級の街イーストエンドで三人が見いだす恐るべき真相とは? 長年軍医を務めた著者のデビューを飾る痛快冒険推理。(本書あらすじより)

…………ご、50点…………かなぁ…………厳しい…………。
『パリ警視庁迷宮捜査班』とか『怪盗紳士モンモランシー』とかもそうなんですけど、こういうミステリを素で楽しめない……というか年々楽しめなくなっているのは、それはそれでなんか老害感があってイヤなんだよなぁ。

舞台は1888年のロンドン。『緋色の研究』を発表した直後のコナン・ドイルのもとに、とある依頼がやってくる。ロンドンの下町で繰り返されている娼婦の連続殺人犯を捕まえてほしいというのだ。困ったドイルは、ホームズのモデルにしたベル博士を呼び寄せる。さらに下町に詳しい女流作家マーガレットの協力を得て、3人は後に切り裂きジャックと呼ばれる連続殺人犯を追うことになるが……。

ホームズのネタ元であるベル博士が全然(ホームズみたいな)推理をしない、読みやすいけど緩急がないので盛り上がらないクライマックス、犯人の設定が安直、視点人物であるドイルが一番魅力的ではない、などなど、なんかこう、ひたすらに薄っぺらい内容なのです。あ、切り裂きジャックの正体はどうでもよかったです。
「娼婦」という職業に偏見のあり、割と自立心のある女性が苦手なドイルが、マーガレットやベル博士らの指摘を受けて見方を改め、ロンドンの下町の人々との交流を持って行く……みたいな展開を、作者が描きたかったってのは、まぁ分かるんですよ。けど、だったらベル博士かマーガレットが主人公の話の方が読みたかった気もするし。コナン・ドイルファンとか、こういう話を読んでどういう感想を持つんでしょうね。

というわけで、正直これといって良かった点がないんですよね……。感想終わり。すみません。

原 題:A Knife in the Fog: A Mystery Featuring Margaret Harkness and Arthur Conan Doyle (2018)
書 名:探偵コナン・ドイル
著 者:ブラッドリー・ハーパー Bradley Harper
訳 者:府川由美恵
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1953
出版年:2020.03.15 初版

評価★★☆☆☆

『はなれわざ』クリスチアナ・ブランド

 - 2020.06.14 Sun
ブランド,クリスチアナ
はなれわざ
『はなれわざ』クリスチアナ・ブランド(ハヤカワ・ミステリ文庫)

休暇をすごすため、イタリア周遊ツアーに参加したスコットランド・ヤードの名警部コックリル。だが、事件が彼を放っておかなかった。景勝で知られる孤島で一行のひとりが何者かに殺された。地元警察の捜査に不安を感じたコックリルは自ら調査に乗り出すが、容疑者であるツアーの面々は、女性推理作家やデザイナー、隻腕の元ピアニストなど一癖ある連中ばかり……ミステリ史上に輝く大胆なトリックで名高い、著者の代表作。(本書あらすじより)

黄金時代強化月間、次はクリスチアナ・ブランドです。これまた5年ぶりくらいかも。『ジェゼベルの死』は読んでいるのに、もう一つの代表作である『はなれわざ』は未着手だったんですよね、なぜか。
500ページ、登場人物たちがお互いに犯人だと言い合い、自白し合いまくっているだけなのに、なんでこんなにちゃんとどんでん返しが仕込め、そして面白いんでしょうか。まさしく「はなれわざ」としか言いようのない、ブランド“らしい”見事な作品です。

休暇でツアー旅行に参加し、イタリアのサン・ホアン島にやってきたコックリル警部。しかし海水浴中、ホテルの中に留まっていたツアー客の一人が殺されてしまう。彼女は他のツアー客の秘密を探り、脅迫をしていたようだ。しかし、殺人事件が起きたと思われる時間、全ての容疑者はコックリル警部の視界の中にいたのである! サン・ホアン島の警察がきちんとした捜査を行おうとせず、適当に犯人を逮捕しようとしている中で、コックリルはいかにして正義と向き合うのか……?

クリスチアナ・ブランド風『ナイルに死す』というか。殺人に向けて高まる緊張感、どろっどろの登場人物の関係、一見不可能犯罪、無能な外国の島の警察署長、次々と出てくる推理と自白……物語はすごく読みやすいのですが、内容はめっちゃ濃いのです。殺人事件が起きるまでの100ページくらい、ひたすら登場人物間に漂う緊張感を描写し、まず読者をつかんでいきます。

そして、容疑者同士の推理・自白を中心に、500ページ続けられている、というのがまずブランドの上手いところ。殺人の後は取り立てて追加の事件が起きるわけでもなく(ないとは言わないけど)、舞台が変わるわけでもなく、ただただ登場人物たちが疑心暗鬼になり、推理を披露しあっているだけ。なのにちゃんと引っ張れているし、読者の興味を「謎解き」にがっつりひきつけているのです。
犯人を誰か示さないと、イタリアの島の大公が海外旅行団体ツアー中の彼らをイギリスに返してくなれない、という部分が後半サスペンスを高めさせるのに機能していて、いわば脱出物みたいな雰囲気もあります。脱出のための「自白」、なんてものも出てくるわけで……舞台設定がうますぎるんだよなぁ。

一通りの人物が犯人である可能性が示されると、どうしても真相はパワーダウンしがちですが、そこはトリッキーさと、何より明かし方の上手さ(ぱしっ!と犯人が分かってからの突如の回想がめちゃ強い)でごりっごり驚かせてきます。トリックは間違いなく「はなれわざ」で、こんなん無理だろ……と下手したら読者が思ってしまいそうなところを、ワンステップ置くことで、これは行けるんだぜ!とねじ込んでくるブランドが普通に性格悪いし上手いんだよなぁ。

いやぁ堪能しました。『ジェゼベル』よりこっち派です。私的ブランドベストはまだ『緑は危険』なんですが、いま猛烈に『緑は危険』も再読したくなっています。ブランドは1作1作が比較的ヘヴィーなので、どんどんは読めませんが、着実に読み進めたい作家ではありますよね。

原 題:Tour de Force (1955)
書 名:はなれわざ
著 者:クリスチアナ・ブランド Christianna Brand
訳 者:宇野利泰
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 57-3
出版年:2003.06.30 1刷

評価★★★★☆

『ドーヴァー⑨/楽勝』ジョイス・ポーター

 - 2020.05.24 Sun
ポーター,ジョイス
ドーヴァー⑨/楽勝
『ドーヴァー⑨/楽勝』ジョイス・ポーター(ハヤカワ・ミステリ)

ドーヴァー警部が退職を決意! マグレガー部長刑事は自分の耳を疑った。フレンチー・ボサムで起きた殺人事件の捜査に向かう列車の中で、ドーヴァーが意気揚々と転職を宣言したのである。――これからは実業界だ、いつまでも警官などやっていられるか。得意気に笑って、彼はポメライ化学会社の保安主任募集の申し込み用紙を見せびらかし、今度の事件を見事に解決すれば、就職は決まったようなものだという。マグレガーは期待に打ちふるえた。ドーヴァーとのくされ縁が切れるなら、たとえどんな危険のなかでも、よろこんで飛び込んでいく価値があるというものだ……。
高級住宅地の一画で発見された死体の主は、年のころ18か19のヒッピー風の女。どうみても、この土地柄には不似合いだった。前日にふらりと町に現われ、グローヴ街の場所を尋ねていったことが分かっているだけで、素性は一切分からなかった。
は、グローヴ街のどの家を訪ねたのか? 案の定、最初の張りきりぶりが消えてしまったドーヴァーをせき立てて、マグレガーはグローヴ街の一軒一軒の聞込みを始めた。やがて、娘が妊娠していた事実が明らかになると事件は意外な方向へと展開していく……。 久々のドーヴァー式推理法が冴えを発揮。現代ユーモア本格ミステリの最高峰、シリーズ第9弾。(本書あらすじより)

ここ最近、またブログの更新が週1ペースに落ちちゃってすみません。3、4月の仕事が落ち着いた時期にかなりブログの感想は書き進めたんですけど、また忙しくなってきちゃいましたね……どうにか今読んでいる作品にまで追いつきたいものです。

さて、毎年4-5月に行っている年一ドーヴァーも、ついに9作目です。前作『人質』が冒頭以外かなりしょっぱい出来だったので、うぅんやっぱり後期作はダメなのかなぁと思って読んでみたら、かなり初期っぽい作風の当たり作品でした。謎解き面はもはや無に近いですが(もともとそんなだった気もする)、それを上回るユーモアの良さと笑っちゃう解決。3作ぶりにラストがキレキレなドーヴァーを読んだ気がします。これはいいぞー。

地方にある高級住宅地グローヴ街で、身元不明の20に満たないヒッピー風の女性の死体が見つかった。明らかにこの地域にそぐわないと思われる彼女は、なんの目的でここを訪ねて来たのか? 化学会社の保安主任に申し込み警察を堂々と退職しようともくろむドーヴァーは、自身の有能さを再就職先にアピールすべく、1日で解決してやるといつになくやる気に満ちていたが……。

超特急で事件を解決してやると息巻くドーヴァーが、高級住宅地に住む面々を順番に訪ねていく最初の聞き込みからかなり面白いです。クセの強い容疑者(多数)と図々しいドーヴァーの夢の対決五番勝負。振り回される現地の警部。それが一通り終わると、今度は被害者の女性の身元を調べるため彼女の足跡をたどることになり、イギリス中をマグレガーにいやいや連れ回されるドーヴァー。うぅん、これぞドーヴァーシリーズの捜査ってなもんですよ。
ドーヴァーは引退を目論み、マグレガーはそれを喜んではいますが、次作がある以上、もちろんそう上手くはいかないわけで。再就職先に提出する書類を握りしめるドーヴァーが、いかにして転職を諦めるか……?という中盤の展開があまりに雑すぎて笑っちゃいました。今作では慢性的な下痢に悩まされるドーヴァーが常にトイレを求めているというのが、ザ・下ネタなのに話の要所要所で良い働きをしています。

そしていつもの謎解き面。まぁ手がかりを追って色々な人に聞いて回るだけなんですが、先ほども書いたように今作のユーモアはキレキレで、その聞き込み捜査がちゃんとユーモラスに仕上がっているので普通に楽しめます。
極めつけは、真犯人確定後のブラックなひとひねり(というかふたひねり)。ドーヴァーシリーズのラストシーンは、常々ミステリの常道をおちょくっているような恐るべき終わり方が多いわけですが、最近不発だったこの部分、今回は久々にやってくれました。ドーヴァーもマグレガーもやっぱりダメだなと思わせる絶妙な終わり方だと思います。真犯人こえぇな……。

というわけで、イレギュラーな8作目とは違い、9作目にして王道、読者がこのシリーズに求める要素がちゃんと詰め込まれている良作でした。これであと1作とは信じられないなぁ。もっとやれたかもしれないのに。
ちなみにドーヴァーシリーズの短編は、海外では Dover: The Collected Short Stories としてまとめられていますが、日本ではミスマガとEQに散らばっており、短編集として刊行されていません。これが痛い。光文社の英米短編ミステリー名人選集がな……あと一息頑張って欲しかったんだよな……。

原 題:Dead Easy for Dover (1978)
書 名:ドーヴァー⑨/楽勝
著 者:ジョイス・ポーター Joyce Porter
訳 者:小倉多加志
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 1336
出版年:1979.09.15 初版
     1989.05.31 2版

評価★★★★☆

『ガラスの虎たち』トニ・ヒル

 - 2020.05.17 Sun
ヒル,トニ
ガラスの虎たち
『ガラスの虎たち』トニ・ヒル(小学館文庫)

1978年12月、バルセロナの貧困地区で一人の少年が殺された。それから37年後、二人の男は偶然再会した。一人は人生の成功者として、一人は人生の落伍者として。彼らは幼い頃に親友として同じ団地で過ごし、12歳の時に罪を犯して、まわりの大人の思惑で離ればなれとなっていた。そしてその再会から、全ての歯車が狂い始めた……。『死んだ人形たちの季節』『よき自殺』のベストセラー作家が、友情とは? 贖罪とは? 家族とは? を問う、ノスタルジックでやるせない、スペイン発傑作ミステリー。(本書あらすじより)

数年前に集英社文庫から出た、『死んだ人形たちの季節』『よき自殺』が共にめっちゃ良かったので、よっしゃ久々のトニ・ヒルだぁぁと手に取ったはいいんですが……うーん、これは評価が難しい……。
良く出来てるんですよ。本当に良く出来てるし、そういう意味では良い作品なんですが、好みから言ってエグすぎるんです。読書メーターに「読後は決して苦いだけではないので良かった」と書いている人がいるんですが、いやいや苦さしかないでしょうよこれ。前向きに生きてる人が最後いればいいって問題じゃねぇぞ、おい。
でも、読み終わって2週間も経つのに、まだ心に残っているんです。簡単に「好みじゃない」で済ませられるような作品ではないことも確か。

舞台は2010年代のバルセロナの貧しい地区。1970年代にこの地区に住み、いじめっ子だった同級生を殺した二人の男の子は、それぞれ全く異なる道を歩む大人になっていた。一方は金持ちに、そして一方は社会の底辺に。完全に関係を断っていた二人が再会し、当時何が起きていたのか二人は振り返るようになる。そして現代のバルセロナでも、子供たちの間ではいじめが起きていた……。

正直嫌いな話ですし(いじめの部分とか)、全く好んで読みたくもないし、読み終わっても気分が落ち込んでます。が、1970年代と2010年代のそれぞれのいじめの構図の結びつけ方とか、エピローグ直前の落とし方とか、とにかくストーリーの作り方が抜群に上手いんです。
脇役がいないというか、全キャラクターが何かしらの形で話に関わってくるんですよね。全員が自分中心で、全てを把握しているわけでもないのに独善的で、かつ解説にもあるように加害者であり被害者でもある、というスタンスで600ページみちみちに描かれているこの圧迫感。それが最後一つの事件に収束してしまうという、破滅の物語なのにこの綺麗さ。
(ただ、ラスト5ページで発覚する、あれだけは本当に好きになれません。蛇足の極み)

書き方も地味にちょうどよくて、いじめの描写とかもきっついのに、短めの章でつないでいくので長々ダラダラしていません(短いページで効果的にきっついわけですが……現代の少女、アレナの章が来るのが本当に嫌でした)。600ページは長いし、たぶんもっと絞れる内容だとは思いますが、この本にとっては必要な長さかも、という気もします。
※ちなみに、個人的にきっついとは思いましたが、たぶん世間一般の基準から言えばそこまできつくないです。いわゆるイヤミスの方が百倍きついんじゃないでしょうか。

というわけで……うーん、やっぱり良い作品だとは思うんです。感想も、あんまり内容には踏み込まずこれくらいにしておきます。あらすじを見て気になる方は、ぜひ読んで判断していただきたいと思います。

原 題:Tigres de cristal (2018)
書 名:ガラスの虎たち
著 者:トニ・ヒル Toni Hill
訳 者:村岡直子
出版社:小学館
     小学館文庫 ヒ-5-1
出版年:2020.04.12 初版

評価★★★☆☆

『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』ヨルン・リーエル・ホルスト

 - 2020.05.09 Sat
ホルスト,ヨルン・リーエル
警部ヴィスティング カタリーナ・コード
『警部ヴィスティング カタリーナ・コード』ヨルン・リーエル・ホルスト(小学館文庫)

ラルヴィク警察の警部ヴィリアム・ヴィスティングが、失踪したカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて二十四年がたっていた。事件が起きた十月十日、今年もヴィスティングは夫のマッティン・ハウゲンを訪ねたが、彼は不在だった。異例のことだった。翌日、国家犯罪捜査局のアドリアン・スティレルが来訪する。スティレルはカタリーナ事件の二年前に起きたナディア・クローグ誘拐事件を殺人事件と見なして再捜査を始めていた。そしてその被疑者としてマッティンの名をあげた。英訳された北欧ミステリに与えられる最高賞「ペトローナ賞」二〇一九年受賞作!(本書あらすじより)

皆さん覚えておいてください、吉井さんが『カタリーナ・コード』を面白いと言う確率は、翻訳ミステリー大賞シンジケートの書評七福神と解説の組み合わせからして2%くらいしかなかったんですが、今回は珍しくその2%だったということです。すごいことですよ、マジで。
さて、今年の新刊です。なぜこんなにも地味で、何も起きない、ひねりもない、盛り上がりもない作品が好きなのか、自分でも全然分からないんですけど、めっっっちゃ良かったのです。本当に良い作品です、『カタリーナ・コード』。こういう小説って、年に何回も出会えるようなもんじゃないと思うんですよ。いやもう、ほんと素晴らしい……。

24年前に起きた失踪事件。ヴィスティング警部は、捜査が打ち切られた後も資料を読み込み、また行方不明となったカタリーナの夫マッティンとの友好関係を続けていた。そんな中で、マッティンが別の事件への関与を疑われる。このことをきっかけに、ヴィスティングはカタリーナ失踪の真相についてマッティンから探り出そうとするが……。

小説的に、「こういう関係なら盛り上がりそう」「こういうことが起きたら面白そう」みたいなことが一切発生しません。悪人も、嫌な人も、不快な人も、何もいないのです。登場人物は主人公含めて皆すごくドライで、淡々とやるべきことをやっていくだけ。地味です。地味としか言いようがありません。
何と言うんでしょうか、例えばリアリティがあるとか、人間が描けているとかってよく読書の感想で言われますが、そういう感想でもなくって。こう、上手く言えないけど、一人ひとりがすごく熱心に生きている、みたいな印象を受けるんです。
24年間疑いつつ友人関係を続ける主人公、っていうズルすぎる設定に加えて、とにかく人と人との関係の描き方が上手いんですよね。描きすぎていないし、むしろ淡白なくらいなのに、感情が、関係が、とにかく読者に迫ってくるんです。そう、迫ってくるんです。それをおかずに、謎解きというご飯を食べる話なのです(意味不明)。

ミステリとしても、地味すぎる捜査パートがすごく好きです。二つの事件が掘り起こされ、警察、記者、容疑者がしかるべき行動を取り、謎解きもきちんとなされ、そしてあるべきところに落ち着いた、みたいな展開。作者が作り上げたい絵があり、そこにピースが着実にはめこまれていったかのような気持ちよさがあります。
そして、その謎解きを経てここで終わるの?!という驚きと、いやでもここで終わるからいいんだよ、という感慨でぐちゃぐちゃになりました。どんだけ盛り上げる気がないんだよ(そしてそれが良いんだなぁ)。最初から最後まで、主人公である警部ヴィスティングと、容疑者であるマッティン・ハウゲンの2人の物語なのでした。

何かが起きることを期待せず(でも起きるんですよねー、これが)、ただただ読みながら自分の中の感情のうねりを楽しんでほしい、みたいな小説。本当に素晴らしかったです。ちなみに500ページありますが、めちゃくちゃ読みやすいです。誰にどうすすめりゃいいのかは分かりませんが……。
このシリーズ、あと1作ポケミスから『猟犬』が翻訳されています。あらすじ的には全然ハマりそうもないんですが……こうなると読んでみたくなるよなぁ。

原 題:Katharina-koden (2017)
書 名:警部ヴィスティング カタリーナ・コード
著 者:ヨルン・リーエル・ホルスト Jørn Lier Horst
訳 者:中谷友紀子
出版社:小学館
     小学館文庫 ホ-2-1
出版年:2020.02.11 初版

評価★★★★★

『過去、現在、そして殺人』ヒュウ・ペンティコースト

 - 2020.05.04 Mon
ペンティコースト,ヒュウ
過去、現在、そして殺人
『過去、現在、そして殺人』ヒュウ・ペンティコースト(ハヤカワ・ミステリ)

ジュリアン・クィストが、テレビのトップ・インタヴュアー、ジェリ・ウィンスロウの死を知ったのは、ジェリの恋人ダン・ガーヴェイからの電話でだった。「ジェリが死んだ。俺は必ず犯人を見つけ出して殺してやる」ダンはそう言ったきり、行方をくらませてしまった。友人のダンが、殺人という取り返しのつかない行動に出る前に、犯人かダンのどちらかを見つけ出さねばならない。ジュリアンは、早速、友人の警部に連絡をとり、捜査に加えてもらうことにした。
ジェリの死の状況は無残なものだった。彼女は殴られ、切り刻まれ、暴行され、額には大口径弾による二つの黒い穴があいていた。そして、かろうじて人間の形をとどめている死体のかたわらには、顔の部分をずたずたに切り裂かれた肖像画があった。現在第一線で活躍中の肖像画家の手で描かれたその絵は、少女時代のジェリをモデルにしたもので、二十三年前、完成直後に盗まれたきり発見されずじまいになっていたものだった。犯人は何故偏執的なまでにジェリを、その肖像画をいためつけたのか? 事件の鍵をジェリの少女時代に求めて彼女の故郷を訪れたクィストは、そこで意外な事実を知った……!
異色の名探偵、PRマン、ジュリアン・クィスト登場。三つのペンネームを使い分け、百篇以上の作品を発表しているベテラン作家の本格推理。ネロ・ウルフ賞受賞作。(本書あらすじより)

論創海外ミステリの新刊で、ペンティコースト『シャーロック伯父さん』が登場しました。ペンティコーストと言えば、私的「面白いらしいしタイトルが良さげだから買ってはいるけど特に読む理由もなくそのまま積んでいるポケミス作家」1位の作家(そうなの?)。ついに読む時が来たか……というわけで、『過去、現在、そして殺人』を読むことにしました。多作家のペンティコーストの作品の中でも、ジュリアン・クィストを主人公にしたシリーズの1作です。
え、めっちゃ面白いじゃん!という感想を書こうと読書メーターに登録したら、唯一あった感想でボッコボコにけなされていて笑ってしまいました。いやでも、これ、本当に面白かったんですよ。
第4回ネロ・ウルフ賞を受賞した、1982年の作品。本格ミステリではないのですが、いったい誰がこの凶悪な殺人犯なのか?という謎と次々起きる事件というサスペンスで一気に読ませる良作です。っていうか、読んでいて普通にめっちゃ面白いのです。こういうとりあえずスピード感しかない、みたいな作品、好き。

広告会社の社長であるジュリアン・クィストの友人ダン・ガーヴェイの婚約者であった、美人インタビュアーであるジェリが残虐に殺された。殺人犯を見つけ出し、殺すと言い放ち姿をくらましたダンを止めるため、ジュリアンは事件の謎を追うが、その翌日、今度はダンの友人が襲撃されてしまう。
捜査線上に浮かびあがったのは、ダンの婚約者ジェリの父親と母親が襲撃された6年前の事件、そしてジェリの肖像画が盗まれた23年前の事件だった。過去から続くこの連続事件の犯人は何者なのか?

……と、とにかく過去に遡りつつ、現在進行形で起きる殺人を止めようとする、という話です。人がめっちゃ死にます。
「インパクトのある狂人」としか言えない犯人の正体と動機は、うーん1982年だぜ、という感じですが、そこに至るまでのとにかく読ませる調査がすげぇ面白いのです。何が起きているのかを登場人物たちが何度も話し合い、推測し合うのですが、バカが一人もいなくて状況整理が毎回楽しいんですよね(だから本格じゃないのに、本格エッセンスを感じるのかも)。
主人公ジュリアンの友人クリーヴィッチ警部や被害者ジェリの地元の保安官などなど、良心的なキャラクターたちみんなで情報を共有しまくり、話し合いまくるんです。みんなちゃんと襲撃の対応策を考えているし、良い人しかいないし、でもどんどん事件が起きるし、肝心のダンは行方不明。ハラハラさせる良質なサスペンスの中に、事件を解決しようという登場人物の意気込みが感じられます。

サスペンスでありながら、この話し合いタイムが多い作品と言うのをあまり見たことがないですし、何よりテンポの良いこの読み心地は地味に貴重です(汀一弘さんの翻訳がこれまた非常に良いのです)。別にすごいことをやっているわけでもないんですが……なんかこう、普通に面白かったとしか言いようがありません。良い作品でした。
今度論創から出るペンティコーストは本格寄り短編らしいので、そちらも期待。というか、積んでいる他のポケミスもちゃんと読んでみたいですね。ペンティコースト、今後も読むのが楽しみな作家です。

原 題:Past, Present and Murder (1982)
書 名:過去、現在、そして殺人
著 者:ヒュウ・ペンティコースト Hugh Pentecost
訳 者:汀一弘
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1425
出版年:1983.12.31 1刷

評価★★★★☆

『亀は死を招く』エリザベス・フェラーズ

 - 2020.04.24 Fri
フェラーズ,エリザベス
亀は死を招く
『亀は死を招く』エリザベス・フェラーズ(論創海外ミステリ)

失われた富、朽ちた難破船、廃墟ホテル……。戦争で婚約者を失った女性ジャーナリストを見舞う惨禍と逃げ出した亀を繋ぐ“失われた輪(ミッシングリンク)”を探し出せ! 女流本格エリザベス・フェラーズのノン・シリーズ長編“ Hunt the Tortoise”が70年の時を経て初邦訳!(本書あらすじより)

うーん……論創フェラーズも4冊目ですが、正直言ってだんだんつまらなくなってる感は否めないかなぁ。

戦後間もなく、シーリアは以前お世話になったフランスの海沿いのリゾート地のホテルを、9年ぶりに訪れた。しかし経営者は老夫婦からやる気のない息子夫婦に変わっており、嫁姑バトルが客前でも勃発。宿泊客は胡散臭い人ばかり。ホテルの変貌っぷりに気落ちしたシーリアだが、さらに殺人が発生し……。

どう考えてもこんなところ泊まりたくない、という感じの、ギスギスしたいや〜なホテルが舞台のサスペンス。素性を隠した多国籍の人々がうろうろする狭いコミュニティの中で、果たして何が進行しているのか、という話になります。主人公シーリアが隣の部屋から漏れ聞こえた声で不穏な空気を感じる、なんてすごくクリスティーっぽい設定じゃないですか。

というわけで面白くなりそうな要素はいっぱいあったんですが、全体的に盛り上げ方が下手であんまり話が入ってこないし、うようよしている登場人物を上手く使い切れていない感じはあるし、謎解きとしても手がかり不足で期待はずれだしで、読み終わってみての評価はイマイチ。
多種多様な登場人物によって色々な出来事がどんどん起きて、怪しげな謎が散りばめられていくのに、それをまとめ切れていないように感じたのです(だから面白くなりそうだっただけにもったいない)。個別のキャラクターを掘り下げられれば、もう少しフーダニットとしても面白くなったのに。登場数の多い、例えばホテルの旧経営者夫婦とか、シーリアがホテルで出会う素性を隠した胡散臭い旅行者男性とかは良く描けていますし、その男性とのロマサスっぽい関係なんかも結構素敵。だからこそ、ちゃんと隙なく全員描いて、手がかりもちゃんと拾って、謎解きをしっかりやってくれればなぁ……フェラーズなら出来るでしょ絶対……。

気付けばフェラーズも、トビー&ジョージシリーズを3冊しか読んでいないのに、ノンシリーズを4冊も読んでしまいました。間違いなくポスト黄金時代の中でもトップクラスの作家なので、今後も未訳長篇をどんどん出しては欲しいのです。あとは、そう、クオリティを、もっとこういい感じに……。

原 題:Hunt the Tortoise (1950)
書 名:亀は死を招く
著 者:エリザベス・フェラーズ Elizabeth Ferrars
訳 者:稲見佳代子
出版社:論創社
     論創海外ミステリ 246
出版年:2020.01.30 初版

評価★★★☆☆

『魔力』トニイ・ヒラーマン

 - 2020.03.04 Wed
ヒラーマン,トニイ
魔力
『魔力』トニイ・ヒラーマン(ミステリアス・プレス文庫)

インディアン保留地で、3件の殺人と警官殺害未遂事件が連続して起こった。何のつながりも見えない4つの事件を結ぶものはナヴァホ族の呪いなのか? 呪術を嫌悪するリープホーン警部補と呪術師をめざすチー巡査——対照的な生き方をする2人のインディアン警官の活躍を描き、全米の熱い注目を集めるベストセラー作家の人気シリーズ。アンソニー賞受賞作。(本書あらすじより)

ヒラーマンを読むのは3作目ですが、ジム・チー巡査が登場する作品を読むのは初。で、読み終わって思うのですが、やっぱ『魔力』は面白かったなぁとじわじわ感じています。『祟り』はまぁちょっと微妙なところもあるので置いとくにしても、『死者の舞踏場』よりも面白かったんじゃないでしょうか(読んだのが6年以上前なのであやふやですけど)。

リープホーン警部補が今回捜査するのが、連続ナヴァホ殺人事件。明らかに面識のない三人の殺人に繋がりがないかと探っていたところ、今度は警官殺害未遂事件が発生。リープホーンは被害者であるジム・チー巡査に捜査協力を求め、真相を探り出そうとするが……。

ナヴァホ・本格ミステリとしての完成度がエグいんですよ。「魔法使い」「呪い」と言ったナヴァホの文化・風習が違和感なく真相に絡んでいて、かつそこにナヴァホでありながら呪術に否定的なリープホーン警部補(ベテラン)と比較的肯定的なチー巡査(若手)を配置しているため、異文化の説明と展開がめちゃうまいのです。
これまで別シリーズであったリープホーンとチーの初共演……となる作品でもあるのですが、この二人の全く仲良くならなそうな関係もすごく良いですよね。別にバディ物ではないので、二人ともバラバラに捜査し、たまに別部署の上司と部下として会話するくらいの関係。それぞれ優秀な二人が、着実に真相に近付いていく感じが捜査小説としても大変面白いです。

そもそもこのシリーズは「ナヴァホ・インディアン」という親しみのない世界を描いているため、スラスラ読めるものではない……という印象でしたが、今作は警官が銃撃されたり、ダブル主人公であることが上手く生かされていたりするせいで、割と読みやすくなっているのもグッド。ナヴァホと白人の対比、文化の違いなどが、説明臭くなく、小難しくもなく、そして物珍しさを押し付ける感じもなく、自然に説明されていきます。

そしてまた本格ミステリとしても謎解きが超楽しいんです。ミッシング・リンクがとにかくなかなか解けないのですが、真相がバチッとはまった瞬間の気持ちよさが見事。真相のある部分が巧妙なので、真犯人が分かりづらくなっているんですが、仕組みが分かった途端に全貌がちゃんと見えるというこの絶妙さ。
その真相がちゃんとナヴァホ絡みで、しかもそこまでの説明が丁寧だから、複雑な事件で、かつ読者が不案内な文化がベースになっていようが、すっと受け入れられてしまうんですよね。上手い。ただただ上手い。SFミステリ作家は参考にしてほしい……。

全く派手さはありませんが、単純に良い作品なのでおすすめです。そりゃアンソニー賞も取ります。このシリーズ、ちゃんと読み続けていきたいなー。

原 題:Skinwalkers (1986)
書 名:魔力
著 者:トニイ・ヒラーマン Tony Hillerman
訳 者:大庭忠男
出版社:早川書房
     ミステリアス・プレス文庫 22
出版年:1990.03.15 初版
     1992.12.31 3版

評価★★★★☆

『見習い警官殺し(上下)』レイフ・GW・ペーション

 - 2020.03.02 Mon
ペーション,レイフ・GW
見習い警官殺し 上 見習い警官殺し 下
『見習い警官殺し(上下)』レイフ・GW・ペーション(創元推理文庫)

被害者は、母親のマンションの部屋に滞在していた警察大学の女子学生。強姦されたうえ絞殺されていた。県警本部長は腕利き揃いの国家犯罪捜査局の殺人捜査特別班に応援を要請する。そこで派遣されたのは少々規格外のベックストレーム警部率いる捜査チーム。現地に入った彼らは早速捜査を開始する。CWA賞・ガラスの鍵賞など5冠に輝く『許されざる者』の著者の最新シリーズ。(本書上巻あらすじより)

ごめんなさい、今回は悪口多めです。いやもうさぁ、こんなに楽しみにしてたのにさぁ。
2018年に出たレイフ・GW・ペーション『許されざる者』は、それはそれは素晴らしい傑作でした。個人的2018年新刊ベスト1。引退した老元警官ヨハンソンが、怒涛の勢いで仲間を集めて犯人を追い求める、超絶カックイイ作品なのです。
一方今作は、ベックストレーム警部を主人公とする別シリーズ。これがまぁ、めちゃめちゃ歪なミステリなのです。地方で起きた警官見習いの女性殺人事件を解決するため、国家犯罪捜査局からベックストレーム警部をはじめとする一団が派遣され、県警と協力して事件解決を目指す……という話なのですが。

前半は「捜査」の面白さをあえて(?)描かず、ドーヴァーとフロストを混ぜ合わせたかのようなベックストレーム警部の活躍(笑)が描かれます。きちんとした真っ当な捜査を行わず、被害者に残されていた犯人のDNAを見つけ出すべく、ローラー作戦的に地域の全住民のDNAを採取しようと無茶苦茶をやりまくるベックストレーム警部の大活躍、というわけ。実はベックストレームがそこまで超無能というわけでもないのですが、彼の不快さで読ませようとしていることを考えると、まぁコメディとかユーモアミステリと言っていいような作品です。
後半はそのベックストレームの迷活躍のネタも切れ(たわけではないだろうけどこっちもいい加減飽きているので)、それ以外の刑事たちが打って変わって生き生きとし始めます。前半はベックストレーム視点のせいで無能っぽかった人たちも、後半になると急に有能になってきたり、とか。警察小説なのでもちろん色々な刑事が同時並行的に活躍していくわけですが、それにしても後半はベックストレーム視点が大きく減り、あれ主人公変わった?ってなくらい読み味が変わっています(っていうか主人公が変わります)。

後半は後半でこれぞ警察小説!なストーリーなので面白いですし、『許されざる者』の主人公ヨハンソンが思わぬ形で出演してめっちゃ良いところをさらっていくのもやっぱり楽しいは楽しいと思います(だからこそ上下巻の長さがピンと来ないわけですが。こんな長さいる?)。ところが、ラストの展開がどうにも納得がいかなくて……。
内容が良い、悪い、ではないのです。まず、ただのお笑いミステリだったはずのところに急に社会派要素がクローズアップされるラストとか、序盤からずっとどんでん返しがいかにもありそうだっのに全くなかったところとか、そういう雑な構成がすごく気持ち悪いのです。っていうか、まさに「雑なミステリ」ですよ、これは。

ただ、これはこれで、なんなそういう読み味の作品なのかなぁと、まぁ思えなくはないかもしれません(終盤の蛇足感すごかったけども)。でも一番納得がいかないのは、このベックストレーム警部が「シリーズ」になってしまったことなんですよ。そのせいで、前半と後半でベックストレーム警部の扱いに落差がこれだけあるのに、ちゃんと落ちきらないんです。すげぇもやっとします。読者がどれだけベックストレーム警部を嫌おうが、所詮こういう終わり方なんだぜ、と作者が読者にもやっと思わせたいのかな。これが公務員である警察のリアルなんだと言われればそりゃそうでしょうが、DNAを採取しまくる警察のアホ捜査を風刺していた癖に、急にリアルに冷められても……感はあります。

訳者後書きによると次もベックストレーム警部シリーズを訳すとのことですが、悪いけどもうこの警部に興味がわかないんだよなぁ。ヨハンソンシリーズ出してくださいよ……どういう事情かは分からないけどそっちを読みたいんだよ……。

原 題:Linda - som i Lindamordet (2005)
書 名:見習い警官殺し(上下)
著 者:レイフ・GW・ペーション Leif GW Persson
訳 者:久山葉子
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mヘ-19-2, 3
出版年:2020.01.24 初版

評価★★☆☆☆

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プロフィール

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Author:ヨッシー
クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の社会人5年目が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から11年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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