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シャーロット・アームストロング名言2

2019-09

『サムシング・ブルー』シャーロット・アームストロング - 2019.07.25 Thu

アームストロング,シャーロット
サムシング・ブルー
『サムシング・ブルー』シャーロット・アームストロング(創元推理文庫)

娘は、自分に巨額の財産があることも、両親は事故死したのではないということも知らなかった。ましてや、婚約者の狙いがその財産であることも、彼が自分の母親を殺害し、父にその罪をなすりつけた真犯人だということもまたわかってはいなかった。真相を知った青年は、彼女を救うため十七年前の殺人事件の証拠をつかもうとするのだが……。(本書あらすじより)

シャーロット・アームストロングの『毒薬の小壜』があまりに好きすぎて(好きなミステリトップ10に入るレベル)、以来シャーロット・アームストロングの作品は超大事に取っておいたのでした……読まずに。ところが2年前にようやく『魔女の館』を読んだらこちらもどえらい傑作で、もうこれどんどん読みてぇな、となりまして。というわけで、今年から年に1冊、シャーロット・アームストロングを読んでいくことにしました。よっしゃ、傑作どんどん来い。
今年は『サムシング・ブルー』を手に取ってみたのですが、サスペンスと言うよりは、まさかの王道謎解きミステリ的展開で、正直意外でした。というか、何なのこのシャーロット・アームストロングとかいう作家は……傑作を生み出す化け物なの……?

3作読みましたが、シャーロット・アームストロングの作品はあらすじを説明しても本当に面白さが伝わらないなぁと思います。今作の主人公ジョニーは、生物学の講師をしている好青年。幼馴染であるナンは、過去に男性に恋したことすらない初心な女性。ところがそんなナンに突然結婚話が舞い降り、ジョニーはショックを受けつつもそれを受け入れます。しかしナンの叔母が、相手の男の名前を聞いた途端、ショックを受けて倒してしまったのです。どうやらナンの相手の男は、過去に殺人を犯したと思われるのですが……。

結婚を防ぐため、結婚式までに犯罪を証明しよう、という話。ウールリッチっぽい、男女のタイムリミット謎解き&サスペンスです。事件を暴き、証拠を見つけ、殺人を証明する、というしっかりした捜査物であり、かつ舞台が親族関係が複雑なお屋敷ということもあり、かなり黄金時代のミステリらしい雰囲気を持った作品だと思います。
とはいえ、これはいわゆる王道の謎解きミステリではありません。というのも、序盤である人物がある犯罪をしでかすところをはっきり描写しているため、どんでん返しや意外性はなく、ただただ悪人を追い詰めるだけの話となっているのです。こういったストーリーの中できちんとトリックを仕込んでいるあたりが、サスペンス作家としてのアームストロングのすごいところなんですけども。

このある種ベタなサスペンスに、アームストロングの描く生き生きとした登場人物が放り込まれるだけで、こんなにも心が締め付けられ、そして予想していない動き方をする物語になるんですよね。この作者の描く登場人物には、希望が見えるんです。なんとかなってほしい、間に合ってほしい、と読者が思わされるような。そういったキャラクターたちの最後が……うわぁ、これ、すごく良い終わり方なんだよなぁ。
そのキャラクターの中でも特に秀逸なのが、主人公の幼馴染であり、結婚を夢見て、ただただ純真無垢なナンです。たぶん、『毒薬の小壜』のギブソン氏の妻ローズマリーと同系統のキャラクターではないでしょうか(似てないけど似ています)。こういう、無垢な人間の無垢故の無自覚な罪深さを描かせたら、シャーロット・アームストロングは断トツで上手いですね……めっちゃつらいけど……。

というわけで、やっぱり年1アームストロングはやらなくてはいけません。やりましょう。超楽しみ。そして、時代をこえて読めるサスペンス作家だと思うので、頼むから東京創元社さんあたりで頑張ってシャーロット・アームストロングの未訳作品出してもらえませんかね……マジで。
ちなみに、ド傑作『毒薬の小壜』は善と悪の対立構図が苦手(特に悪を悪として断じすぎ)みたいな意見があるのですが、正直うなずける意見だと思います。というわけで、もしかしたら『サムシング・ブルー』の紛れもない悪の方がおすすめしやすいかもしれません(最後の追いつめがむしろぬるいあたりが、この作者らしいというか)。個人的には『毒薬の小壜』『魔女の館』のような突き抜けた傑作っぷりではないものの、広く読んでもらいたい良作だと思います。

原 題:Something Blue (1962)
書 名:サムシング・ブルー
著 者:シャーロット・アームストロング Charlotte Armstrong
訳 者:森茂里
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mア-6-3
出版年:1998.03.27 初版

評価★★★★☆
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『蛾』ロザリンド・アッシュ - 2019.07.16 Tue

アッシュ,ロザリンド
蛾
『蛾』ロザリンド・アッシュ(サンリオSF文庫)

美しく顧みられることのないダワー・ハウスの広告を見たヘンリーは不思議な情熱にとらわれる。彼は毎日、仕事が終わると背後に森を擁したこの家を見にやってきた。競売の結果、新しい持ち主となった同僚の大学教授の妻ネモに彼は、その家ごと心を奪われていくのだが、やがて説明のつかないことが起きはじめる。森の静止間からオルゴールの音が聞こえてきたり、地下室で見つけた鏡に奇妙なものが映ったり、リストの曲を録音したテープに不気味な語りが混じったりした。新年のパーティでは明滅するライトと音楽の喧騒のあいまにサラ・ムーアの亡霊が一瞬現われ、ネモに近づいて消えたのだ。サラは前世紀の女優で、この家に滞在したこともあり、同じ役で二度舞台に立つことはせず、蛾のように群がる男どもと一度精を交わすと殺害してしまったという。サラはネモの生身を利用して果せぬ欲望を満たそうというのであろうか。そして身の毛もよだつ惨劇の幕が開いていく……。(本書あらすじより)

なぜかツイッターで流行っていたので、これは読むチャンスだと思い手に取りました。巻末の作品紹介に「川本三郎=誤訳」とあるなど多数の誤植があることで有名な本書ですが、そんなところばかり注目されるのがもったいないくらい面白かったです。というか、読み始めに予想していたよりもはるかに面白かったのです。翻訳ものにありがちな家つき幽霊物ホラーかと思いきやそうでもなく、というかほぼホラーではなく(幽霊要素はありますが、これがなくてもストーリー上何の問題もないですよね)、ごりごりのサスペンスとして読むのが良いのではないでしょうか。まさに「火」と「蛾」の話でした。

主人公のヘンリーは独身の大学教授。売り出し中のある屋敷に関心を抱いていたヘンリーは、やがてその屋敷を購入した夫婦と仲良くなっていく。次第にその夫婦の妻ネモに片想いをしていくヘンリーだが、一方でその屋敷にはかつての住人である女優サラ・ムーアの幽霊が出てくるようなこないような様子。そしてついに屋敷の周辺で死体が次々と出てくるようになり……。

とにかく序盤、何をしたいのかが分かりません。正直読みにくいなぁ……と思って読んでいたのですが、徐々にミステリ要素が明らかになり、そこからは急転直下で物語が進みます。
最初は何が起きているのか分からないものの、あぁあれやこれやはこういうことだったのね、と明らかになってからは、主人公の偏執的な片思いが暴走することも相まってとにかく面白くなります。結構ど真ん中のミステリであり、サスペンスであり、連続殺人ものなんですよ。後半、主人公が窮地に追い込まれるという展開で、これはしんどくなるかな……と思いきや、主人公が遠慮なくヤバい状況に突っ込んでいくので、案外読者はストレスフリーなまま読めるのも好き。
また、サスペンスと同様物語の軸となるのが、主人公によるネモに対する片想いです。ど真ん中の不倫、すなわちドロドロ恋愛要素。ドロドロ恋愛物にしては心情描写が意外とダラダラしていなかったり、多めの会話でテキパキ話を進めたりするなど、かなり読みやすくなっています。ミステリと恋愛がもつれ合うラストの終わり方は、印象的ではあるもののあっけないかなぁ……と思いきや、エピローグでちょいと味を足す、みたいのも良いですよね。いやー、面白いな、これ。

というわけで、これはオススメです。いいぞー、マジで。翻訳が工藤政司氏という、サンリオSF文庫なのにミステリ寄り翻訳家、というのもナイスチョイス。ロザリンド・アッシュのもう一つの邦訳作品、『嵐の通夜』もぜひ探して読んでみます。

原 題:Moths (1976)
書 名:蛾
著 者:ロザリンド・アッシュ Rosalind Ashe
訳 者:工藤政司
出版社:サンリオ
     サンリオSF文庫 30-A
出版年:1979.10.25 初版

評価★★★★☆

『絶版殺人事件』ピエール・ヴェリー - 2019.06.09 Sun

ヴェリー,ピエール
絶版殺人事件
『絶版殺人事件』ピエール・ヴェリー(論創海外ミステリ)

遺された一通の手紙と一冊の本。停泊中のクルーザーで起きる殺人事件。事件は謎を深め、徐々に真相に近付いてゆく! 第一回フランス冒険小説大賞受賞作。(本書あらすじより)

ピエール・ヴェリーと言えば『サンタクロース殺人事件』の人。ヴェリーの戦前訳しかなかった作品が、論創から復刊です。っていうか、この『絶版殺人事件』というタイトル、内容とも原題ともずれている気がするので、この際直してしまえば良かったのに……『絶版殺人事件』のタイトルのままの方が通りが良いので、仕方ないのでしょうが。
ただ、本書、単純につまらなすぎるのです。いくつかの事件がどう繋がるのかとか、タイトルの本がどう絡むのかとか、毒殺のトリックは何なのかとか、とにかく読んでいる途中に生じるであろうありとあらゆる期待に一切答えてくれないまま終わってしまいました。つ、つれぇ。

スコットランドの港町に停泊していた船の中で、毒殺事件が発生。毒殺のトリックを解き明かすべく、優秀な警察官であるビッグス警部が登場。その捜査線上に、自称謎マニアである、うさんくさいフランス人トランキル氏が浮かび上がってきたが……。

英米のミステリ作家から色々な影響を受けているヴェリーのデビュー作であり、舞台がスコットランドであるのもイギリス勢への挑戦、的なところがあるのかもしれません。実質的に探偵役はフランス人であるわけですし。
さて、本書はスタンダードなクリスティー流謎解きミステリではなく、アリンガムなどのちょっとひねった展開で話が進みます。そもそも事件の発端は、小説と手紙を謎めいた方法で処分する男なのです。冒険小説風捜査ミステリ的なところもありあすし、純粋な王道本格を志向しているわけではないことは何となく読み取れます。
そして、フランス人謎マニア・トランキル氏に対抗しようと奮闘するビッグス警部の後半のスライディングっぷりを見ての通り、要はユーモアミステリ的なもの、カーみたいなファルスっぽさを取り入れたかったようなんですよね。やたらとクセのある動機や犯人判明後の全員のゆるゆる感なんかも、その一部かも。毒殺トリックにせよ、フーダニットにせよ、いわゆるきちんとした本格ミステリを期待して読むのはどうかなというようなクオリティですが、やりたいことが分からないわけではありません。

とはいえ、謎解きのクオリティが低いのは1930年のフランス・ミステリということでおまけできるにしても、ストーリーのとっちらかり方、冒険小説っぽさとの結びつきの下手さを見るに、ただただ出来の悪いデビュー作になってしまっている感は否めないのではないでしょうか。『サンタクロース殺人事件』は実際評判が良いわけですし、まだ作者の持ち味であるファンタスティックさが確立していなかったが故の出来かなぁと思います。なるべく早く『サンタクロース殺人事件』を読んで評価を出したいところです。

原 題:Le Testament de Basil Crookes (1930)
書 名:絶版殺人事件
著 者:ピエール・ヴェリー Pierre Véry
訳 者:佐藤絵里
出版社:論創社
     論創海外ミステリ 227
出版年:2019.02.28 初版

評価★★☆☆☆

『論理は右手に』フレッド・ヴァルガス - 2019.03.16 Sat

ヴァルガス,フレッド
論理は右手に
『論理は右手に』フレッド・ヴァルガス(創元推理文庫)

パリの街路樹の根元に落ちていた犬の糞からなぜ人骨が出たのか? カエルをペットにする変わり者の元内務省調査員・ケルヴェレールが捜査を開始した。若き歴史学者マルク=通称聖マルコを助手に彼が探り当てたのは、ブルターニュの村で起きた老女の事故死だった。骨は彼女のものなのか? ケルヴェレールが、聖マルコ、聖マタイとともに老女の死の意外な真相に迫る。CWA賞受賞作『死者を起こせ』に続く〈三聖人シリーズ〉第2弾!(本書あらすじより)

フランス・ミステリにハマったきっかけ、いくつかあるんですが、その一つが間違いなくフレッド・ヴァルガス『青チョークの男』なのです。変な雰囲気の変なミステリ、最高!みたいな。『ウサギ料理は殺しの味』系統の。
というわけでフレッド・ヴァルガスは大好きな作家なのですが、一向に翻訳が出なくなってしまい、アダムスベルグ署長シリーズ第3作『ネプチューンの爪痕』は7年連続刊行が予告されるも気配すらない、という状態が続いていました。そんな理由から、三聖人シリーズ2作目である『論理は右手に』を読まずに大切に取っておいたのですが……なんと! 2月の新刊ラインナップ説明会で、ついに『ネプチューンの爪痕』の刊行が正式に予告されたそうなのです。やったぜ! そして、残していた本作を読む日が来たのです。

さて、フレッド・ヴァルガスの邦訳は、どちらかと言えばシリアス風変態ミステリのアダムスベルグ警視シリーズと、歴史家3人組が事件に巻き込まれるユーモラス要素の強い三聖人シリーズの2種類があります。本書は三聖人シリーズの2作目。
超久々のフレッド・ヴァルガスでしたが、やっぱりこの独特の奇人変人ワールドと空気感が大好きです。今作は、2作目、3作目で実質的に主人公となる元内務省調査官ルイ・ケルヴェレール初登場作。2作目でここまで方向性変えるのもすごい……というか急な話ではあります。

相変わらず事件の発端の不可思議性が面白いんですよね。特に今回は、街路樹に落ちていた犬の糞からケルヴェレールが殺人に気付く、というもので、クセが強いことこの上ありません。前半は新キャラ・ケルヴェレールの紹介兼殺人(というか死体)探し、後半は事件の起きた村での犯人探し、という流れです。

……で、読んでいて思ったのですが、現代風に味付けされているし、変人てんこ盛りではあるけど、これってかなりメグレ警視シリーズっぽいな、ということなのです。というかケルヴェレールがメグレ警視っぽいのです。地方を舞台に捜査しているのでますますそれっぽいし、容疑者との会話なんかシムノンに超影響されているんじゃないか?
三聖人とケルヴェレールの絡ませ方なんかは、3作目『彼の個人的な運命』の方が上。というか本書は、どんでん返し面でもストーリー面でも、邦訳作品の中では結構下だと思います。どんでん返しは実質的にそんなに大きなものはありませんし、後半の村捜査パートもやや展開に面白みが欠けます。ヴァルガス未読の方は、初手はこれじゃない方が良いかもしれません。

個人的にはアダムスベルグ署長シリーズの方が断然好きですし、今回三聖人シリーズなのに第一次世界大戦専門家のリュシアンはほぼ空気だったじゃんとか色々気になるところもありますが、とはいえ、やっぱり読んでいてヴァルガスはべらぼうに楽しいのです。お願いだから、今年こそ『ネプチューンの爪痕』出てくれ〜頼む〜。

原 題:Un peu plus loin sur la droite (1996)
書 名:論理は右手に
著 者:フレッド・ヴァルガス Fred Vargas
訳 者:藤田真利子
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mウ-12-3
出版年:2008.04.25 初版

評価★★★★☆

『学長の死』マイケル・イネス - 2019.02.13 Wed

イネス,マイクル
学長の死
『学長の死』マイケル・イネス(世界推理小説全集)

めちゃくちゃレアな本作、Twitterを介していただいたのですが(ありがとうございます!)……うーん、非常にもったいない……。
イネスのデビュー作で、基本的にはクイーンスタイルの超堅実なミステリ。見取り図、アリバイ、分刻みのタイムテーブル、容疑者ぞろぞろと、割と油断できないタイプの、そもそもがじっくり系の本格ミステリではあります。ありますが……ぜひとも読まれて欲しいのに、オススメしにくいんだよなぁ。

セントアントニー大学のアンプレビー学長が殺された。死体が発見されたのは学長の部屋だが、現場に近付くには中庭へ通じる鍵を持っていなければならない。スコットランドヤードから派遣されてきたアプルビー警視は、鍵を持つ教授たちから話を聞いていくのだが……。

問題は、ヴァン・ダインなんて目じゃないペダンティックさにあります。アプルビー警視もペダンティックなら、容疑者の大学教授たちが輪をかけてペダンティック、そこにイネスの地の文のペダンティックさが合わさって最強、っていう。
イネスの原文自体もおそらく読みにくいのでしょうが、一応英国らしいユーモアはあります。ところがユーモアゼロの木々高太郎訳がぶっこわしているせいで、結果的に破壊力抜群のカチコチ文章となってしまっています。きっつ。

真相の凝りっぷりと、その明かし方・見せ方が面白い(本当に面白い)だけに、論創あたりからもうちょい読みやすく出せば評価はかなり上がるはずです。限られた容疑者を扱ったポスト黄金時代のフーダニットとしては、レベルが高い方なのではないでしょうか。
ただ、伏線の不足感や、(凝っているだけに)真相をどう導き出したのかの説明不足が気になるのはもったいないところ。というか、まだミステリを書きなれていないデビュー作でこのネタを使っちゃったのが一番もったいないんだよなぁ。すごく良いネタなのに……。最初から最後まで全部目撃していたという容疑者が終盤出てきたときのテンションの上がる感じを、誰かと共有したいぞ(マジですごく良い)。

というわけで、これはぜひとも新訳で出して欲しい作品です。たぶん読みにくさで断念しちゃった人、多いと思うので。

原 題:Death at the President's Lodging (1936)
書 名:学長の死
著 者:マイケル・イネス Michael Innes
訳 者:木々高太郎
出版社:東京創元社
     世界推理小説全集 70
出版年:1959.01.30 初版

評価★★★☆☆

『カブト虫殺人事件』ヴァン・ダイン - 2019.02.03 Sun

ヴァン・ダイン,S・S
カブト虫殺人事件
『カブト虫殺人事件』ヴァン・ダイン(創元推理文庫)

完全であることを唯一の弱点とする完全犯罪を描いて、第一人者が贈る第5作。エジプト博物館内で復讐の神を前にして殺されていた死体は、あまりにも明確に犯人を指摘しすぎていた。法律的には正義の鉄槌を下しえない犯人に対し、エジプトの復讐の神は、いかなる神罰を用意していたか? 神を信じない名探偵ファイロ・ヴァンスの知性は苦悶する。(本書あらすじより)

くっ……そこそこ面白い……(ヴァン・ダインの面白さに納得のいかない悔し顔をしながら)。
『ベンスン』『カナリヤ』の酷すぎるクソパズル時代(本当に酷かった)、『グリーン家』『僧正』の連続殺人ものがあり、その間にエラリイ・クイーンがデビューしています。そしてファイロ・ヴァンスシリーズは、『カブト虫』で5作目になるわけですが、ついに殺人犯との頭脳対決がここまで来たのか、という感慨があります。クイーンが何十年もかけてたどった道を全力で駆け抜けている感がすごいぞ。

ファイロ・ヴァンスのもとに、友人がエジプト博物館内で死体を発見したと駆け込んできた。殺されたのはエジプト学者で、残された証拠から判断して犯人は明らかに博物館主のカイル博士であった。すぐさまカイル博士を逮捕しようとする警察に対し、ファイロ・ヴァンスは異を唱えるが……。

作者の狙いのクセが強いため、どうしてもドヤ顔ファイロ・ヴァンスが現場にまかれたニセ証拠をドヤ顔解説するのに耐え忍ぶだけの前半300ページが生じてしまいます(ここにキャラ・ストーリー的面白さを入れられないのがヴァン・ダインの限界なんでしょう)。ただ、言ったもん勝ちではあるとはいえ、やりたいことは分かりますし、やや分かりやすすぎるとは言え成功しているのではないでしょうか。
また、『カブト虫』は推理の試行錯誤、手探り感があり、ファイロ・ヴァンスの想定の範囲外のことがちょいちょい起こるせいでドヤヴァンスも耐えられるレベルなので、割と読めるんですよね。『ベンスン』『カナリヤ』のしんどさはさすがに卒業しています。自分の過去作でもやったネタをまたしてもやっているのはどうかと思うけど……。

とか書いていると、なんかヴァン・ダインがすごいんじゃないかって気がしてきましたが、ヴァン・ダインは致命的に「つまらない」という弱点を抱えているので、やっぱり無理でした。次は『ケンネル殺人事件』か……ら、来年の宿題にしておこう。
ちなみに、シリーズ順にヴァン・ダインを読んでいくこの企画、『グリーン家』『僧正』は中学の頃に読んだので飛ばしています。ぶっちゃけ『グリーン家』『僧正』がどれだけ面白かったのか、あんまり自信ないんですよねー。当時は結構ハラハラ読んでいたし楽しかったんですが、今読んだらさすがに感想変わるかも。まぁ、当分再読する気もないんですが。

ところで、ファイロ・ヴァンスが、マーカム地方検事、ヒース部長刑事、語り手ヴァン・ダインの4人で部屋にいるときに、「我々三人が」と言い出すシーンがあってですね。ヴァン・ダインの存在感がなさ過ぎて、もはや逆一人称隠しトリックみたいになってるんですけど。こわっ。

原 題:The Scarab Murder Case (1930)
書 名:カブト虫殺人事件
著 者:ヴァン・ダイン S. S. Van Dine
訳 者:井上勇
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mウ-1-5
出版年:1960.04.01 初版
     1995.06.30 36版

評価★★★☆☆

『病める巨犬たちの夜』A・D・G - 2019.01.06 Sun

A・D・G
病める巨犬たちの夜
『病める巨犬たちの夜』A・D・G(ハヤカワ・ミステリ)

パリからやってきたヒッピーの一団が休閑地にキャンプをはった日から、サン・ヴァンサンの村は一変した。モーパの酒場に群れつどう村人――田園監視人ジルガスウ、墓掘り人のアルセーヌ、羊飼いマンションたちは、自由でおとなしいヒッピーたちとなぜかうまがあった。だが、平和な村にヒッピーの存在が投じた一石は、たちまち波紋となってひろがってゆく――。
次の朝、村のオールドミス、セビイェ婆さんが自宅で絞め殺されているのが発見された。しっかり戸じまりされた扉の鍵は、婆さんと家政婦しかもっていないはずだったし、人嫌いだが害のない婆さんもを殺す動機も見当たらない。警察の捜査はいっこうに進まなかった。
そして、異様な事件は続いた。墓掘り人アルセーヌを先頭に、物見遊山気分でセビイェ家の墓室のかたづけにくりだした村人たちが大変なものを掘り出したのだ。先代のセビイェの棺を開けると、当のセビイェの骨は跡かたもなく消え失せ、かわりに十歳ばかりの少女の白骨死体が飛びだしてきたのである。のどかな村には突然血なまぐさい空気が流れはじめ、暴力と謎に満ちた闇のなかに吸いこまれていくようだった……!
方言と俗語を縦横に駆使して、残酷な味と奇妙なユーモアが交錯するフランス異色クライム・ノヴェル。『おれたちは暗黒小説だ』につづく、新鋭覆面作家の第二弾!(本書あらすじより)

マケプレオーバー2000月間、6冊目は、『おれは暗黒小説だ』で知られるA・D・Gのフランス・ミステリ。
最初から最後までずっと頭がおかしくて最高です。方言や、とりとめない語り口のせいでめちゃくちゃ読みにくいのですが、これもまた変な雰囲気を醸し出していて嫌いになれません。で、絶対アレ絡みで何か仕掛けてくるだろうなと思ってたら……案の定やっちゃっていて笑えます。おぉ、これぞ俺の読みたいフランス・ミステリだよ!

あらすじ。気のいい田舎の百姓たちの村、繰り出される田舎口調のセリフと田舎口調の一人称複数の地の文(読みづらいことこの上ない)、ヒッピー達が移住してきて村人と意気投合、突如発生した殺人事件をきっかけに勃発する農民戦争、うなる軽機関銃、謎のバカトリック。
あらすじ見てもよく分からないでしょう。分からなくてよいのです。出来れば、裏表紙のあらすじも見ることなく読むことをおすすめしたいです。フランスの片田舎を舞台にした荒唐無稽さを楽しむミステリだと思うので。

ヒッピー集団が村のはずれに住み始める、という冒頭から、てっきりよそ者を排除する田舎の村のこわさを描く話なのかと思ったら、全然違いました。むしろ、田舎の村の、雑多な、色々な意味でのおかしさを描いた話です。
これは作者の持ち味なんでしょうが、全編妙なユーモアが漂っていて、話の展開はむちゃくちゃなのに何だか面白いのです。何で銃の撃ち合い後、敵がまだうろついているのに、飽きて酒場でダラダラしてるんだ……グータラ百姓たちが、酒場でダラダラ話し合いながら、村の殺人を解決しようと探偵役をつとめるという筋書き、ヤバさしかありません。
一人一人のキャラ立ちがしっかりしているせいで、割と多めの登場人物たちがしっかり生かされているのが、さり気なくすごいんですよね。村の群像劇っぽく仕上がっています。しっかりロマン・ノワールな中で、主要人物たちが意外に死ななく、かつラストがむちゃくちゃなケリの付け方なのも良いです。

というわけで、中身のない感想になってしまいましたが、これ、すごく好きです。『おれは暗黒小説だ』より、こっちの方が断然好き。それにしても、寝落ちして、朝起きてラスト30ページ読むのに1時間かかるような本なのに、なんでこんなに面白かったんだろうな……。

原 題:La Nuit des grands chiens malades (1972)
書 名:病める巨犬たちの夜
著 者:A・D・G A. D. G.
訳 者:日影丈吉
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1337
出版年:1979.09.30 1刷

評価★★★★★

『ウィンブルドンの毒殺魔』ナイジェル・ウィリアムズ - 2018.12.22 Sat

ウィリアムズ,ナイジェル
ウィンブルドンの毒殺魔
『ウィンブルドンの毒殺魔』ナイジェル・ウィリアムズ(ハヤカワ・ミステリ)

妻を殺そう。そう思いたってからというもの、ヘンリーの頭の中は、太った醜悪な妻をどうやったら始末できるかということで、いっぱいだった。絞め殺す。崖からつきおとす? それとも、自動車に細工して事故に見せかける。いや、毒殺がいい。毒殺こそ、わが大英帝国の伝統と誇りにつちかわれてきた、秘めやかで美的な殺人方法だ。これでいくしかない。手段が決まると、ヘンリーはさっそく下調べをはじめ、タリウムという無味無臭の毒薬があるのを知った。これを料理にふりかければ、健康食品しか食べない妻のエリナーも、なんの疑いももたずに口にするだろう。だが、ヘンリーの細やかな気配りと努力にもかかわらず、妻はそう簡単に毒殺させてはくれなかった。のどかな郊外住宅地を舞台に、さえない中年男が妻をこの世から抹殺すべく、あの手この手の大奮闘をくりひろげる、ブラック・ユーモアたっぷりの英国ミステリ。(本書あらすじより)

「ずっと読みたかった本を読む」月間、5冊目です。ちなみに書き忘れていましたが、『さむけ』が4冊目でした。
ザ・英国流ブラックユーモア、みたいな作品。ウィンブルドンという、地方の高級住宅街で、(自分では気付いていないけど)抜けていて冴えない男が妻を毒殺しようと目論み、見事に失敗し、住民が巻き添え食らってバタバタ死んでいく話。確かにすごく面白いのですが、ちょっと長かったです。ぶっちゃけだれた。

主人公は冴えない中年男性。突如うるさい妻を殺そうと思い立ち、ならば毒殺だと娘の送り迎えついでに薬局でタリウムを買い、どんなタリウム料理がいいかとメニューを考え、その日の夜にはチキンにタリウムを仕込むという驚異の即断殺人を決行しようとします(ここまでで80ページ)。
……という頭の悪そうな急展開で分かるように、主人公がどこからどう見てもアホの塊で、計画性も何にもなく、この妻殺し計画はヤバイ方向に失敗していくのです。

割と横道にそれたり、とりとめのない与太話が続いたり、主人公の妄想劇場が頻繁に挿入されたりしますが、このダラダラ感が魅力のひとつではあります。2回目の毒殺チャレンジのシーンなんかはマジで面白いのですよ。英国人の人殺しに対する感情の死滅っぷりが素晴らしいな……エドガー・ライト監督が『ホット・ファズ』風に映画化してくれないかな。
ただ、第2部に入りガラッと変わってからは、正直ある人物との関係が意味分からなすぎて、急に結構ダルくなりました。バタバタ人は死んでる一方で、結局この作者は何がやりたいのかが見えづらく、最後明かされると、あぁなんか1990年の作品っぽい!(?)……という。もうちょい引き締めて、今なら扶桑社ミステリーとかヴィレッジブックスとかから出れば、すごい面白そうなネタなのに。

全体的にはやや評価が下がってしまったのですが、妻殺しに失敗し続け(ここは珍しくない)、関係ない人がバタバタ巻き込まれていく(ここがすごい)、という悪意の塊みたいなブラックユーモアネタは一読の価値があります。興味ある方はぜひご一読を。

原 題:The Wimbledon Poisoner (1990)
書 名:ウィンブルドンの毒殺魔
著 者:ナイジェル・ウィリアムズ Nigel Williams
訳 者:高儀進
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ 1596
出版年:1993.04.30 1刷

評価★★★☆☆

『IQ』ジョー・イデ - 2018.10.28 Sun

イデ,ジョー
IQ
『IQ』ジョー・イデ(ハヤカワ・ミステリ文庫)

ロサンゼルスに住む黒人青年アイゼイアは“IQ”と呼ばれる探偵だ。ある事情から大金が必要になった彼は腐れ縁の相棒の口利きで大物ラッパーから仕事を請け負うことに。だがそれは「謎の巨犬を使う殺し屋を探し出せ」という異様なものだった! 奇妙な事件の謎を全力で追うIQ。そんな彼が探偵として生きる契機となった凄絶な過去とは――。新たなる“シャーロック・ホームズ”の誕生と活躍を描く、新人賞三冠受賞作!(本書あらすじより)

いや、なるほど、確かにこれは面白いです。話題になっているのも分かります。雰囲気的には数十年前、1970年代や80年代のハードボイルドなのですが、これが2016年にデビューした新人の作品と考えると笑ってしまいます(良い意味で)。ただ、単なる焼き直しではなく、より現代的にアレンジしているところがポイントでしょうか。

主人公であるもぐりの探偵、黒人青年アイゼイア・クィンターベイ(通称IQ)は、読んでいて気持ちの良いほどの推理力を持つ天才。とある大物ラッパーが自宅で襲撃されたため、犯人特定の依頼を引き受けたが、防犯カメラにうつる襲撃者は何と巨大な犬だった。猛犬使いの殺し屋を探すべく、IQは悪友ダッドソンと共に捜査を始めるが……。

IQが神がかった推理力の持ち主であるため、ほぼミスすることなく全てをばったばったと解決していきます。作者がホームズに影響を受けたようですが、終盤の電話越しに場所を特定するところとかそのまんま『シャーロック』を観ているみたいです。

そう、この作品は、例えばネオ・ハードボイルドらしい展開だとか、黒人の住むマイノリティコミュニティという舞台(ただしあまりそれを強く感じさせない)だとか、カットバックで語られる主人公の過去の犯罪小説っぽいところとか、いずれも単体で読者を引き寄せるくらいのそこそこのクオリティはあると思うのです。巨犬を買う殺し屋、みたいな面白ネタもちょこちょこクセが強いし。
ただ、それだけでは既視感を超えてこないんですよね。最初の楽しすぎるロリコン追跡事件(オープニングに過ぎない)の後は、ハードボイルドとしては中途半端だしベタだし展開もないし、カットバックで描かれる主人公の過去もケチなギャング物で面白くないし。

ところがそれに、IQの異様な推理力が組み合わさることで、何だかとても個性的な作品になっているんです。終盤のアクションと推理が一体となった盛り上がりには、めちゃテンションがあがりました。もちろん、基本的にはゆったりとした物語なので、怒涛の何かが起こるわけでも、かっこいいアクションが連続するわけでも、どんでん返しがあるわけでもありません。70点くらいではあるんですが、この70点感が途中から気持ちよくなってきます。

というわけで、今後も楽しみな作品でした。シリーズ2作目が訳されたら、ぜひ読んでみたいですね。

原 題:IQ (2016)
書 名:IQ
著 者:ジョー・イデ Joe Ide
訳 者:熊谷千寿
出版社:早川書房
     ハヤカワ・ミステリ文庫 465-1
出版年:2018.06.25 1刷

評価★★★★☆

『半身』サラ・ウォーターズ - 2018.10.07 Sun

ウォーターズ,サラ
半身
『半身』サラ・ウォーターズ(創元推理文庫)

1874年の秋、監獄を訪れたわたしは、不思議な女囚と出逢った。ただならぬ静寂をまとったその娘は……霊媒。戸惑うわたしの前に、やがて、秘めやかに謎が零れ落ちてくる。魔術的な筆さばきの物語が到達する、青天の霹靂のごとき結末。魔物のように妖しい魅力に富む、ミステリの絶品!(本書あらすじより)

サラ・ウォーターズの既訳の中では一番短いにもかかわらず、一番重く、その重さが魅力である小説。ストーリーでガシガシ読ませる物語ではない、という点で、『夜愁』に近いのかな。

上流階級の独身女性が、慰問婦として訪れ、見た、19世紀後半のミルバンク刑務所の女囚たちを描きます。ゴシック小説的な味わいで、終盤までほぼストーリーが動きません。その中で、当時の刑務所の様子や、29歳にして「老嬢」と言われてしまうヴィクトリア時代の女性である主人公の二重三重の生きづらさを、重苦しい日記形式で徐々に炙り出していきます。

サラ・ウォーターズが、『半身』→『荊の城』と、ちゃんと発表順に訳されたというのは、本当に幸せなことだったのではないか、という気がします。逆だと、たぶん『半身』がこのミス1位になることはなかったんじゃないでしょうか。
なかなか描かれない主人公の過去に起きたらしい何かや、合間合間に挿入される霊媒師ドーズのよく分からない日記のせいで、特に序盤は何が起きているか分かりにくいです。ある種、重く、暗い雰囲気が全てと言ってもいい作品ですね。霊媒師は登場しますが、彼らが扱っている霊が実在するのか、そうでないのかも、なかなか分かりません。

……で、これ以上は、物語の根幹に触れてしまうので書けないのです。うーむ、困った。一応、ネタには気付いてしまった、とだけ書いておきます(だから、『荊の城』より先に『半身』を読んだ方が気持ちよく騙されるのかな、と思うのです。『荊の城』を先に読んでしまうと、どんでん返しに対する心構えが出来てしまいそうなので)。

今のところ、『夜愁』『荊の城』がツートップかなぁ。『エアーズ家の没落』だけ未読なので、こちらもいつか読みたいですね……あんまり評判よくないけど。

原 題:Affinity (1999)
書 名:半身
著 者:サラ・ウォーターズ Sarah Waters
訳 者:中村有希
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mウ-14-1
出版年:2003.05.23 初版

評価★★★★☆

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クリスティ、デクスター、グライムズ、ディヴァインが好きな、ヨッシーことTYこと吉井富房を名乗る遅読の社会人3年目が、日々読み散らかした海外ミステリ(古典と現代が半々くらい)を紹介する趣味のブログです。ブログ開始から9年になりました。ちなみにブログ名は、某テンドーのカラフル怪獣とは全く関係ありません。
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