ファイト・クラブ
『ファイト・クラブ』チャック・パラニューク(ハヤカワ文庫NV)

ひとつ頼みがある。力いっぱい俺を殴ってくれ――タイラーの一言がすべての始まりだった。映写技師の仕事をする彼との出会いは、平凡な会社員として暮らしてきたぼくの生活を一変させた。週末の夜、密かに素手の格闘を楽しむうち、二人で作ったファイト・クラブはみるみるその規模を拡大し、過激な暴力は果てしなくエスカレートしてゆく。その行く手に待ち受けていたものは? 熱い注目を浴びる、全米大ヒット映画の原作。(本書あらすじより)

えー皆さん、お久しぶりです。2週間も更新できずにすみませんでした。ようやく手があきました。というかちゃんと見に来てくれている方、こんなにいるんですね……ありがてぇ……。今日から通常営業に戻ります。ちなみに「2016年上半期に観た映画の話(その2)」は今週中に更新します。

さて、本日はチャック・パラニューク『ファイト・クラブ』。映画を観た直後に読みました。パラニュークは、実験的、というよりもう独創的すぎる作品をばんばん発表している作家で、日本でも何冊か翻訳されていますが、ほとんど品切れプレミア価。どうなってるんだ(『チョーク!』と『インヴィジブル・モンスターズ』を引き続き探しています)。
……あれですね、映画の脚本はめちゃくちゃ良く出来てたんですね。よくこんな作品をマトモに映画化できたもんだわ……。
別にけなしているわけではないのですが、正直これ映画の前に読んでいたら理解できていた自信がありません。それくらい、読者に「不親切な」作品です。

とりあえず主人公の男がある男と出会い、殴り合いをするファイト・クラブを結成し、しだいに止めようのない計画に巻き込まれ、最後にミステリ的にとんでもないどんでん返しがある、という話。ただ殴り合うだけの話ではありません。っていうか原作はあんまりファイト・クラブのシーンが多くないね。
文章は読みやすいんですが、時系列がめちゃくちゃで非常に読みにくいです(その点映画はある程度整理されているので頭に入ってきやすいのかも)。そして腹立たしいことにネタバレを避けようとするとこれ以上あらすじも語れないんですが、まぁとにかく話としては最後までむちゃくちゃです。かなりのどんでん返しも仕掛けられますが(この点映画はめちゃくちゃアンフェア)、その明かし方もこう丁寧ではなく、ふわっと処理されるので余計に混乱します。

ところが熱狂的パラニュークファンである後輩に言わせると、『ファイト・クラブ』を読むと「見たこともない文体とどうしてもやってしまうミステリ要素に目がくらむんだけどパラニュークのいいところは全然そんなところではない」んだそうで、つまり『ファイト・クラブ』はパラニューク作品の中では全然大したことないと。そうなのか。どんな作家なのか全く分からないぞ。

ですから、パラニュークの評価は保留ということで。まだ何作か積んでいますし。個人的には映画が先の方がよいのかな、と思います。

原 題:Fight Club(1996)
書 名:ファイト・クラブ
著 者:チャック・パラニューク Chuck Palahniuk
訳 者:池田真紀子
出版社:早川書房
     ハヤカワ文庫NV 927
出版年:1999.11.30 1刷

評価★★★☆☆
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