『四日間の不思議』A・A・ミルン(ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)

かつて暮らしていた邸宅に足をのばしたジェニー。そこで叔母の死体を発見した彼女は驚きのあまり、“凶器”の位置を変え、自分のイニシャルの入ったハンカチを落とし、さらに窓下には盛大に足跡を残して逃走してしまう。警察はジェニーを被害と加害の両面から捜すのだが、やがてくだされた“真相”は、ジェニーでさえ考えつかないものだった…。『赤い館の秘密』のミルンが遺していた、まさに幻の長編ミステリがついに邦訳。 (本書あらすじより)

ミルンの作品と言えば、プーさんであり、ミステリファンにとっちゃ『赤い館の秘密』ですね。『赤い館の秘密』は、海外ミステリファンにはぜひとも読んでほしい作品ですよね。今作はそれ以外のミステリであり、まぁ『赤い館』が人気だからそれに便乗しようとしたんでしょう。別に幻の長編ミステリじゃないよ、ってことは一応言っときたいです。

ミステリとして読んではいけません、これはユーモア小説です。叔母が死んだのはすべって頭をぶつけただけで、殺人事件ではありませんし、事件を担当する警部というのがこれまたただの勘違いバカ。この警部は、ベテランで、あらゆる事件を扱ったことがあるが、殺人だけは初めてというムチャクチャな設定で気合入りまくりです。ジェニーと協力者ナンシーは暗号とかごちゃごちゃしながら田舎に隠れひそんだりと、無駄なことばっかりしています。警察は次第に(間違った)真相を明らかにしていくんですが、このあたりはコメディよろしく、非常にこったつくりをしています。ジェニーの些細な行動がこうして結末につながっちゃうなんて…と(ある種の)軽い驚きを味わいました。

途中ジェニーの恋物語とかが入ってくるので、青春小説として位置づけられるかもしれません。まぁ、本格ガチガチの人にはお勧めできませんが、気を楽にして読みたい人にはお勧めです。

書 名:四日間の不思議
著 者:A・A・ミルン
出版社:原書房
     ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ
発 行:2004.6.21 1刷

評価★★★☆☆
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