バーニーよ銃をとれ
『バーニーよ銃をとれ』トニー・ケンリック(角川文庫)

平凡な会社員にすぎないバーニーが、なぜ銃をとる羽目になったのか? そもそもは、他人の口座から2万ドルばかし頂こうという、ささやかな計画だった。仲間は、同じローン地獄に悩む隣人ふたり。手口は、スイス銀行に預金のある人間の手紙を偽造し、金を偽名の口座に移動させるというもの。これは驚くほどうまくいった。ただ振り込まれた額と金の持ち主が問題だった。学はナント1億6700万ドル。そして持ち主は、アメリカに亡命中の、カブレラ国の悪名高き元独裁者。その身辺には24人の殺し屋がつき従っているという。もし連中が報復に乗りだしたら……。かくしてバーニーたちは、退役した鬼軍曹を雇い、即席のミニ軍隊を結成したのだが――。(本書あらすじより)

角川文庫ミステリチャレンジ第二弾、お次はトニー・ケンリックです。何しろ角川文庫からしか作品が出ていませんからね、この人。『リリアンと悪党ども』とどちらを読むか迷ったんですが、手元に積んでいたのがこれだったので『バーニーよ銃をとれ』にしました。
いやはや、読んでびっくり。想像以上に面白かったです。ユーモア、アクション、どたばたの配合が素晴らしい傑作でしょう。

まずは前半のコン・ゲーム。カツカツの生活にうんざりしたバーニーが、必要な人員としておっさんメンバーを集めて、金持ちの銀行預金を狙います。ここがまず、一般人が犯罪に手を染めちゃったぜテヘ的な笑いがあって既に十分面白いんですよね。おっさんたちがどいつもこいつも小市民なので、妙に親近感が湧いてしまいます。

そして後半。狙った相手がたまたま亡命中の独裁者だったせいで(どういう偶然だよ)、バーニーたちは命を狙われることになっちゃうわけです。バーニーはめちゃんこ厳しいけど軍人指導では天下一の退役鬼軍曹を雇い、来たる襲撃に備え、そして家族を守るため特訓に励みます(だからなんでそうなるんだ)。そして怒涛のバトル展開へ突入です。
この退役軍人殿が出て来てからが超楽しいのです。何しろ指導されるのがおっさん3人なんですよ、ぶうぶう文句言いながら筋トレしてバズーカの使い方を教わるわけですよ。しかも優秀なはずの軍人殿の指導方法がぶっ飛んでいるせいで、いまいち何をさせられているかが分からないと来るわけですよ。りんごの皮むき器を何に使うんだろうと思いながらひたすら射撃訓練をするわけですよ。
おまけに、このメンツで25人の精鋭部隊を相手に、本格冒険小説もまっつぁおなガチなバトルをして盛り上がりまくってきっちりオチつけて終わらせるんですからねぇ。これぞエンタメ。キャラクター良し、展開良し、バトル良し、オチ良し。文句なし。大満足。ケンリックさん、あんたはすごいぞ。

というわけで、超オススメ。ケンリックは『リリアンと悪党ども』と、あと『スカイジャック』の評判も大変良いので、ぜひとも読んでみないとですね、楽しみ楽しみ。

書 名:バーニーよ銃をとれ(1976)
著 者:トニー・ケンリック
出版社:角川書店
    角川文庫 赤531-5
出版年:1982.10.20 初版
    1984.11.30 4版

評価★★★★★

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