跳躍者の時空
『跳躍者の時空』フリッツ・ライバー(河出書房新社・奇想コレクション)

SF作家、フリッツ・ライバーの作品をある傾向で収めた短編集。ちなみに読了日は2月19日です。収録作は以下の通り。

ガミッチシリーズ
「跳躍者の時空」
「猫の想像性」
「猫たちの揺りかご」
「キャット・ホテル」
「三倍ぶち猫」
その他
「『ハムレット』と四人の亡霊」
「骨のダイスを転がそう」
「冬の蝿」
「王侯の死」
「春の祝祭」


ライバーの作品を読んだのは初なので、ガミッチシリーズが初めて全てそろったというのにも特に感慨はわかないんですが、それにしても全体的に面白かったです。ちょっと趣味に合わないのもあったんですけど。ジャンル的にはSFに含まれるんでしょうが、普通の短編もあるし、ミステリっぽいのもあるし、ジャンル分け不可っぽいのもありますね。

ガミッチシリーズは、人間にも勝る知能の猫の話のようでもあり、調子に乗ってるごく普通の猫の話でもあります。とにかく「当たり前をクソ真面目に書く」面白さと、「超普通なことをSFっぽく書く」面白さが、前半3篇の良さでしょう。瞬間的な後方へのワープって、単に飛びのいただけじゃん、とも取れる面白さがたまりません。
「キャット・ホテル」と「三倍ぶち猫」は、謎(笑)「三倍ぶち猫」に限っちゃワケが分かりません。女性の乳房を語るSFがどこにある。

ノンシリーズ作品も読ませます。「『ハムレット』と四人の亡霊」は空想小説がミステリと融合した良作。かなり楽しめました。「冬の蝿」はひたすら空想を広げる男の話で、これも良作。「王侯の死」は、男の正体がキレイにまとまっていていいです。「春の祝祭」は……これ、ちょっとポルノじみてます(笑)SFなんだけどね。何て言うか、楽しすぎます。

傑作との名高い「骨のダイスを転がそう」は、正直わかんなかったです。文字通り骸骨男の話なのか、比喩なのか、ちょっと分からん。心理描写が卓越。

……とまあ、値段の割に損はしないでしょう(笑)

書 名:跳躍者の時空
著 者:フリッツ・ライバー
出版社:河出書房新社
    奇想コレクション
出発日:2010.1.21 初版

評価★★★★☆
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