カエアンの聖衣
『カエアンの聖衣』バリントン・J・ベイリー(ハヤカワ文庫SF)

服は人なり!この衣装哲学を具現したカエアン製の衣装は、カエアンと敵対関係にあるジアード人をすら魅了し、高額で闇取引されていた。その高価な衣装を満載したカエアンの宇宙船が難破した。情報をつかんだジアードの密貿易業者の一団はさっそく衣装回収に飛んだ。ところが、彼らが回収した衣装の中には、思いがけない威力を秘めたスーツが含まれていた・・・・・・英SF界の俊英が奔放なイマジネーションを駆使して描く力作。(本書あらすじより)

前回更新の後、食中毒だかノロウイルスだかでぶっ倒れてしまい、今日ようやく復活しました。またもや感想書きが滞っちゃいましたよどうしましょ。

さーて名作SFとしてもレアSFとしても名高い『カエアンの聖衣』でございますよ、初ベイリーですね。
なんたらスーツだの蠅だのヤクーサ・ボンズだの電気ビームだのマッシーンの交尾だのペニスサックだの、思いついちゃった的なバカネタが毎章のように登場しては何一つ顧みられることなく放置されていきます。すげぇ。俺が読みたかったSFってこういうのですよ。ということで断言しましょう、傑作です。大傑作です。

衣服から力を得るカエアン人の持つ服の中でも特にヤバイスーツがカエアンと仲が悪いジアード人の中に侵入しうんたらかんたらっていうメインストーリーがまずとにかく休む暇もないほど面白くってですね。気がついたら壮絶というかバカみたいな真実にたどり着いてるわけですが、もうこれが超楽しいんですよ。
ただ核となるこのネタだけでは少々弱いと考えたのか、ベイリーさん、とことんネタを放出していきます。これがすごい。バカみたいというとアレなんですが、でもまぁ小学生がノリで思いついたみたいなネタが次から次へと贅沢に投入されるのでひーじょーうに盛り上がります(笑っちゃうぜ)。序盤に登場した意味不明な伏線を衝撃的に回収したと思ったら3ページでそいつも捨てちゃうしね(マジで笑っちゃうぜ)。いいぞ、これぞSFだ。いやSFとかあんまり読んでないですけど、やっぱアイデアが核じゃないですか、ね、たぶん。なにしろヤクーサ・ボンズとかいう日本人の末裔がロシア人の末裔と宇宙空間で戦ってんですよ、すげぇ、SFぶっ飛んでるぜ、というかベイリーさんぶっ飛んでるぜ。

科学的な整合性なんかあったもんじゃないし緻密な構成のへったくれもないので、難しいのよく分かんねっすみたいなSFあんまり読んでいないぜ勢(自分みたいな)が頭カラッポにしてバッカジャネーノって笑いながら読むといいと思います。最高でした。読みましょう。早川書房さん復刊して下さい。

書 名:カエアンの聖衣(1976)
著 者:バリントン・J・ベイリー
出版社:早川書房
    ハヤカワ文庫SF 512
出版年:1983.4.30 1刷

評価★★★★★
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