トレント最後の事件
『トレント最後の事件』E・C・ベントリー(創元推理文庫)

アメリカ財界の大立者マンダースンが、別邸で頭を撃たれ、即死する。ウォール街の投機市場は旋風のような経済恐慌にみまわれ、大混乱をきたした。事件の最重要容疑者は美貌の未亡人メイベルだった。敏腕な新聞記者で優れた画家であるトレントは、真相の究明に乗り出す。本書は、果然、前世紀の探偵小説から大きく前進し、現代推理小説の黎明を告げる記念碑的な名作となった!(本書あらすじより)

ミステリ黄金時代の先駆けといわれる作品。推理小説に、タブーと言われていた探偵の恋愛を見事に融合させた、というのが定評です。嘘ですね(笑)流れ的には推理→恋愛→推理といった感じ。

とにかく文句無し。面白いですよ、全く古臭さを感じませんので、非常に読みやすいです。犯人がだれか、というのにあまりネチネチ重点を置かないでも、きっちりミステリとして仕上げるこの手腕。さらに、後半に入って犯人がだれかというのをいかにトレントが暴くのか?というのも面白く、一気に読めます。

最初読んでいて、フィリップ・マクドナルドの『鑢』(1920)のパクリと思ったんですが、良く考えりゃトレントは1913年の作品でした。ということは、マクドナルドがぱくったわけですね。それにしちゃ、つまらないじゃないんですか、マクドナルドよ。事件自体も構成もなんとなく似通ってますからねぇ。

ま、海外ミステリファンなら、絶対読まなきゃならない一冊といえます。

書 名:トレント最後の事件
著 者:E・C・ベントリー
出版社:東京創元社
     創元推理文庫 Mヘ-2-1
出版年:1987. ?版

評価★★★★☆

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