とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢
『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』ジョイス・キャロル・オーツ(河出書房新社)

美しい金髪の下級生を誘拐する、有名私立中学校の女子三人組(「とうもろこしの乙女」)、屈強で悪魔的な性格の兄にいたぶられる、善良な芸術家肌の弟(「化石の兄弟」)、好色でハンサムな兄に悩まされる、奥手で繊細な弟(「タマゴテングタケ」)、退役傷病軍人の若者に思いを寄せる、裕福な未亡人(「ヘルピング・ハンズ」)、悪夢のような現実に落ちこんでいく、腕利きの美容整形外科医(「頭の穴」)。1995年から2010年にかけて発表された多くの短篇から、著者自らが選んだ悪夢的作品の傑作集。ブラム・ストーカー賞(短篇小説集部門)、世界幻想文学大賞(短篇部門「化石の兄弟」)受賞。(本書あらすじより)

えー、今週バタバタしていて更新が滞っておりました。しかし久しぶりの感想文ですが、あんまりミステリじゃないっていう(笑)

全体的に合わない、としか言いようがないのかなぁ……つらすぎるし、しんどい。
ミステリ、ホラー、ファンタジー、幻想が合わさったかのような描き方は非常に美しく良いのですが、ストーリーがキツすぎました。作者が書きたい話を自分が全く求めていないんでしょうね……。唯一「化石の兄弟」だけは大好きだけど、これは、まぁ、イヤな話じゃないからですし。こういうの好きな人って多いんですよね……うぅ辛い。
以下、パパッと感想です。

「とうもろこしの乙女 ある愛の物語」
中編です。妙に読みやすかったのでさらさらっと読めましたが、はっきり言ってこの手の話は苦手。内面が十分に描かれていないジェードが気持ち悪くて読むのがつらいです(オーツさんの狙い通りってことですかうぅぅぅ)。案外あっけない終わり方。

「ベールシェバ」
ブラッド(何て名前だ)が本当はどうだったのかが割合はっきりと感じられるのはもったいないかもしれません。もうちょっとぼやかした方がいいかな、と。このラストの危ない雰囲気は結構好きです。

「私の名を知る者はいない」
つまりは『吾輩は猫である』ってことですね(大嘘)。最後のページで一気に恐ろしさが増します。でもまぁよく分かりません、正直言って。

「化石の兄弟」
この短編集を読んでいてようやく超好きな話が登場。これは良い! この上なく安易な結末と循環性が美しいのです。「E・W」から感じられる弟の切なさがもうね、ジーンと来ますよね。

「タマゴテングダケ」
「化石の兄弟」と同じく、「結局は双子」という感想が残ります(その扱いは正反対なのですが)。オチも「化石の兄弟」的で、オーツがどのような意図を持ってこの2編を連続して並べたのか考えるとなかなか興味深いですね。

「ヘルピング・ハンズ」
うぐぁぁぁぁぁつらい(つらい)。既読作だとジョンマク『濃紺のさよなら』とQパト「少年の意志」を思い出させるストーリー。嫌な部分だけ抜き出した的なやつ。ストーリー展開がばっちり予測出来てしまうよう書くオーツさん、明らかに確信犯で、これはちょっと自分には耐えられない……(つらい)。

書 名:とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢(2011)
著 者:ジョイス・キャロル・オーツ
出版社:河出書房新社
出版年:2013.2.28 初版

評価★★☆☆☆
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