エニグマ奇襲指令
『エニグマ奇襲指令』マイケル・バー=ゾウハー(ハヤカワ文庫NV)

ナチスの極秘暗号機エニグマを奪取せよ――しかも敵軍に感知されずに!服務中の大泥棒ベルヴォアールは、英国情報部から戦争の帰趨を決する重大任務を依頼された。報酬は自由と多額の現金。傑出した変装技術のみを武器に、独軍占領下のフランスへ単身潜入した彼を待つものは何か?戦争サスペンスの会心作!(本書あらすじより)

今年は冒険小説やスパイ小説もたくさん読もう、と心に決めた(だけで終わっている)のですけど、その第一弾ということでこれを。
結論:どちゃくそスーパー楽しかったです!そう、「楽しい」という感想が実にしっくりきますね。序盤はドイツの組織名が何が何やらという感じだったのですが、読みだしたら止まりません。天才大泥棒・男爵vsドイツ将校の手に汗握る熱い対決、読者の予測の一歩先を行く裏をかいた展開、などなど。何より男爵がカッコイイ!!!申し分なしの傑作でしょう。

レジスタンスが拷問にあったり、ユダヤ系住人の辛い過去が語られたりなど、「戦争」というテーマが容赦なく用いられます。それゆえ、にっくきドイツと戦う男爵がただただカッコエェェェェ。それゆえ、ラストが超絶キレッキレ。エンタメとして何から何まで考え尽くされている感があります。
いやしかし、占領下のフランス、というのがこんなに楽しい舞台だとは思いもよりませんでした。登場人物が背景含めいちいちしっかり描かれているのも、この話を盛り上げるために必要な舞台装置だったのですね。そりゃ面白いに決まってるよなぁ。

ちなみに、終盤、男爵が仕掛ける作戦に、いやちょっとちょっと、というのがあるのですが、これはやはりレジスタンス“じゃない”からこそ描けてしまう話なのでしょうか。書かれたのが1978年ということは、まだ冷戦中なんですよね。そのあたり、作者が何を考えていたのか、気になるところです。

というわけで、面白いから読め、と言われてすぐに読んで正解でした。超面白かったです(さっきから面白いと楽しいしか言ってない)。ちなみにこれはミス連合宿の古本オークションにて只でもらったものです。ブックオフの105円の値札が付いています。古本は旅をするのですねぇ。

書 名:エニグマ奇襲指令(1978)
著 者:マイケル・バー=ゾウハー
出版社:早川書房
    ハヤカワ文庫NV 234
出版年:1980.9.30 1刷
    2007.9.30 10刷

評価★★★★★
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