『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)

こんなじめじめした日の午後は、気分転換のために人殺しでもやってみたくなるものだが─剣呑な台詞を契機にした推理談義がもたらしたか、雨上がりのゴルフ場で男の死体を発見した四人組。すわこそ実践躬行とばかり、不法侵入に証拠隠匿、抵触行為もなんのその、いささか脱線転覆ぎみの素人探偵根性を発揮するが……。迷走する推理も一興、究竟の真相に喫驚の、古典的名作決定版!(本書あらすじより)

イギリス、1925年、僕は中古でなんとか見つけて買いました。入手が割と困難でしょう。

ノックスは「ノックスの十戒」と呼ばれるミステリの原則を発表した人なのですが(十戒を知りたければ、コメントでも残してください、書きますから)、この作品では何度も肩透かしをくらう(いい意味で)こと間違いなしです。なにしろ、結論が何回も出て、そのたびに間違っているのですから。バークリーの『毒入りチョコレート事件』のように、事件は一つの推理だけではないと主張している作品です。この推理がいちいち否定されるのは、現代ではデクスターにも通じるものがあるのかもしれませんね……ただ、デクスターは直感すぎますけど。

まぁ、よくも1冊持つよなぁ、と思わんでもないほど、ひたすら捜査を続ける探偵君たちの話です。飽きはしませんが、あまり盛り上がらないと感じるかもしれません。いずれにせよ、最終的な結論にはちょっと感心しました。つまり、こんな簡単な事件を、よくもまぁこんないくつもの解答をつくったなぁってことで。

ミステリ好きが最後に到達する作品と言われますが、そんなこと全然気にしなくていいので、見つけられたら海外ミステリ読者は読んどきましょう、少なくとも自慢にはなりますよ。ただ、よく言われるように、「ミステリそのものを皮肉った作品」ではないんじゃないでしょうか。あとがきにはそんなことが書いてありましたが、今の感覚ではそれほどではないと思います。『毒入りチョコレート事件』は読んでいておちょくってる感が確かにあったのですが、『陸橋殺人事件』は普通のミステリとしても通るんじゃないでしょうか。

書 名:陸橋殺人事件
著 者:ロナルド・A・ノックス
出 版:東京創元社
    創元推理文庫 Mノ-1-1
発 行:1982. 1版
    1982.12.3 2版

評価★★★☆☆
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『陸橋殺人事件』ロナルド・A・ノックス(創元推理文庫)

こんなじめじめした日の午後は、気分転換のために人殺しでもやってみたくなるものだが─剣呑な台詞を契機にした推理談義がもたらしたか、雨上がりのゴルフ場で男の死体を発見した四人組。すわこそ実践躬行とばかり、不法侵入に証拠隠匿、抵触行為もなんのその、いささか脱線転覆ぎみの素人探偵根性を発揮するが……。迷走する推理も一興、究竟の真相に喫驚の、古典的名作決定版!(本書あらすじより)

イギリス、1925年、僕は中古でなんとか見つけて買いました。入手が割と困難でしょう。

ノックスは「ノックスの十戒」と呼ばれるミステリの原則を発表した人なのですが(十戒を知りたければ、コメントでも残してください、書きますから)、この作品では何度も肩透かしをくらう(いい意味で)こと間違いなしです。なにしろ、結論が何回も出て、そのたびに間違っているのですから。バークリーの『毒入りチョコレート事件』のように、事件は一つの推理だけではないと主張している作品です。この推理がいちいち否定されるのは、現代ではデクスターにも通じるものがあるのかもしれませんね……ただ、デクスターは直感すぎますけど。

まぁ、よくも1冊持つよなぁ、と思わんでもないほど、ひたすら捜査を続ける探偵君たちの話です。飽きはしませんが、あまり盛り上がらないと感じるかもしれません。いずれにせよ、最終的な結論にはちょっと感心しました。つまり、こんな簡単な事件を、よくもまぁこんないくつもの解答をつくったなぁってことで。

ミステリ好きが最後に到達する作品と言われますが、そんなこと全然気にしなくていいので、見つけられたら海外ミステリ読者は読んどきましょう、少なくとも自慢にはなりますよ。ただ、よく言われるように、「ミステリそのものを皮肉った作品」ではないんじゃないでしょうか。あとがきにはそんなことが書いてありましたが、今の感覚ではそれほどではないと思います。『毒入りチョコレート事件』は読んでいておちょくってる感が確かにあったのですが、『陸橋殺人事件』は普通のミステリとしても通るんじゃないでしょうか。

書 名:陸橋殺人事件
著 者:ロナルド・A・ノックス
出 版:東京創元社
     創元推理文庫 Mノ-1-1
発 行:1982. 1版
     1982.12.3 2版

評価★★★☆☆