数日前ですが、植芝理一『謎の彼女X』がアニメ化される、との告知が出てましたね。いっやー、これは嬉しいです。あの嫌らしくないフェチっぷりがアニメでどうなるのか……とか言いながら、3巻までしか読んでませんけど(しかも立ち読み)。


マーティン・ウォーカー『緋色の十字章』読了です。そんなに評判良くないみたいですが、いやいや、超好みな作品でした。こういうまったり系って好きだわー。感想は明日かあさってにあげます。
現在、1月に出るジム・ケリーの新刊に向けて、『水時計』を読書中。翻訳物を読みにくいって思ったの、めちゃめちゃ久しぶりな気がする……。


古本屋さんに行くと、ハヤカワと創元をまずちゃんとチェックするんですが、文春文庫はマーサ・グライムズを揃えて以後はほとんど見てないし、講談社や角川や扶桑社は素通りです。まぁ、あんまり狙ってる作品がないからなんですが、突然なぜか今までノーチェックだった出版社さんを思い出しました。

そう、社会思想社の現代教養文庫です!

えぇぇぇぇぇ、なんでだなんでだ。ブックオフで一度も探したことがないです。これはまずい。かなりの出会いをだいなしにしていたのでは。ぐぁぁぁ。

いえ、別に、ミステリ・ボックスのお世話になったことがないわけではないです。そんなに数はないですけどね。えーっと、

◇D・M・ディヴァイン『兄の殺人者』
◇D・M・ディヴァイン『五番目のコード』
◇エリス・ピーターズ『聖女の遺骨求む』
◇エリス・ピーターズ『修道士の頭巾』

……なんか、たった4冊な上に、作家も偏ってますが。とにかく、現代教養文庫?何それおいしいの?状態ではないわけですよ。むむむ。

いや、もしかすると、文春や講談社みたいに、積極的に読みたいミステリが現代教養文庫にないせいで、スルーだったのかもしれない。うん、そうに違いない。ちょっとミステリ・ボックスのリストを見てみます。現代教養文庫ミステリ・ボックスで、かなり読んでみたいのは、えーっと、

◇マイクル・イネス『ある詩人への挽歌』
◇D・M・ディヴァイン『ロイストン事件』
◇D・M・ディヴァイン『こわされた少年』
◇アンソニー・バウチャー『シャーロキアン殺人事件』
◇レオ・ブルース『ジャックは絞首台に!』
◇ミシェル・ルブラン『パリは眠らない』

意外にあったー!!!!ディヴァインもブルースもイネスもいたー!!!!!(いや、彼らが現代教養文庫にいるのは知ってたけどさ……)
だいたい『ある詩人への挽歌』とかずっと読みたいやつじゃん!なぜにノーチェックなんだアホか。
ってか、ミッシェル・ルブランが現代教養文庫に入ってたとか初めて知ったよ!タイトル聞いたこともないよ!

ちなみに、ディヴァインの『五番目のコード』『兄の殺人者』は、『悪魔はすぐそこに』で感動したあと、創元から復刊される前に現代教養文庫で読んだんですよ。わざわざよその図書館から取り寄せまでして。なのに読んだやつから復刊され、しかも『ロイストン~』も『こわされた~』も今のところ復刊の動きを聞かないんですけど。何このタイミングずれてる感じ。

……えぇっと、とりあえずこれからちゃんと探します。あさって、岡山最大の古本チェーン店、万歩書店の1つに行く予定なので、まずはそこで。ブックオフにもあるんかなぁ……。
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2009.06.11 『紅はこべ』
『紅はこべ』バロネス・オルツィ(創元推理文庫)

ミステリーじゃありませんが、以前紹介した隅の老人の作者の代表作です。イギリス貴族が、フランス革命時において殺されまくっているフランス貴族を助け出す、という、ロマンス色の強い小説です。まぁ、発表年は1905(国内1988の版)ですから、古臭い感は否めませんけど。それにしても、意外と先が読めない展開が続き、前半だれたのがうそのような後半の盛り上がり(具体的に言うと馬とか兵隊とか)がなかなか良かったですよ。

前半は確かに微妙とも言えるんです。なにしろ、いくら待っても何も起きないし、妙にだらだらしてるし、いや、この人絶対なんか隠してるだろ、ってまま話は進むし。あんまり主人公の女性に好感が持てないってこともあるんですよね。

しかし後半はウソみたいな盛り上がり。フランスにあほみたいに乗り込んでいって、前半あんなに夫に不信感を抱いていた妻は気合いは入りまくり、なぜこんなにも変装がうまいんだというのがぞろぞろと出てきて。えぇ、もうスピーディーな展開に目が離せません。たまにはこういう作品を読むのもいいもんですね。
『隅の老人の事件簿』バロネス・オルツィ著

隅の老人は、推理小説史上でも類稀な、名前のない探偵である。本名が判らないだけでなく、経歴も正体もいっさい不明の人物だった。ノーフォーク街の《ABCショップ》でチーズケーキをほおばり、ミルクをすすっている痩せこけたこの老人は、紐の切れ端を結んだりほぐしたりしながら、女性記者ポリー・バートン相手に得意の推理を語って聞かせる。(本書あらすじより)

「隅の老人」もの13編を集めた、日本で独自に編纂された短編集です。

隅の老人といや、ホームズの頃の探偵もの短編群の一つ、いわゆる「シャーロック・ホームズのライヴァル」に当たる人であり、安楽椅子探偵の祖、とか言われている人です。ABCショップで、いつもチーズケーキとミルクをほおばり、紐に複雑な結び目を作ったり解いたりしながら、女性記者ポリー・バートンとやらに、様々な事件を解き明かしてしまいます。

この老人、何が怪しいかって、名前も経歴も国籍も年齢も、すべてが不詳で、しかも解決した事件を、別に警察に言うこともなく、一人で楽しみ、時には犯人の狡猾さをほめたたえたりしているということです。正義なんてしったことか、勝手に警察は馬鹿やってな、という態度がなかなか面白いです。ポリーは真相を公表したんでしょうかね?というか、この人は新聞記者なのにどうしていちいち隅の老人から事件の説明を受けなきゃいかんのでしょうか。いくらなんでも仕事不熱心すぎでしょう(笑)

13の事件があり、各話についての詳細な感想はやめますが、中には考えたらメイントリックを見抜けるものもあります。古い作品ですが、それだけ今に通じるものがあるんでしょう。いくつかのトリックは、クイーンなんかが使ったのもあるくらいらしいです。いずれにせよ、どの作品もかなりの水準を満たしており、パズル小説的なおもしろさもあります。ただしやや古風な感じはとうぜんありますので、抵抗がある人にはしんどいかもしれません。個人的には、『思考機械の事件簿』よりは読みやすかったと思います。

ところで、あらすじを読む限り、ポリーが事件を語り、老人が解き明かすってことだと思っていたのに、実際は、自ら検死審問にまでいってきた老人が事件は、実は、こうだよ、というという形なのには驚きました。どう考えたって、安楽椅子探偵ではないでしょう。別に、それで質が落ちるわけではありませんが、一般に言われるように、単純に「安楽椅子探偵もの」とは言い切れないと思います。

書 名:隅の老人の事件簿
著 者:バロネス・オルツィ
出 版:東京創元社
   創元推理文庫 Mオ-1-1
発 行:1977. 初版
     2006.2.10 18版

評価★★★☆☆